世界30人の希少難病と闘う子をワンオペ育児中、夫の520人不倫と性依存症が判明【体験談】

『それでも家族を続けますか? 難病児のワンオペ中に、夫が 520 人と不倫してました』(漫画:あらいぴろよ KADOKAWA)より
『それでも家族を続けますか? 難病児のワンオペ中に、夫が 520 人と不倫してました』(漫画:あらいぴろよ KADOKAWA)より

「世界に30人もいない難病の子どものワンオペ中に、夫が520人と不倫」そんな衝撃的な経験をした、くさのねむさん。『それでも家族を続けますか? 難病児のワンオペ中に、夫が 520 人と不倫してました』(漫画:あらいぴろよ KADOKAWA)では、くさのさんの体験と、その後の選択が描かれています。本作に関連して、詳しくお話を伺いました。※本ページにはプロモーションが含まれています。

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まさか夫が520人と不倫しているとは……

——不倫が発覚するまでに違和感や不安を覚えたことはあったのでしょうか?

あまりなかったと思います。夫は起業したばかりで「軌道に乗るまでとても忙しく、家のことは任せきりになる」と結婚前から言われていました。同時に「子どもが○歳になるときにはこういう生活がしたいから、それまでにこういうことをしておきたい」と、具体的に話してくれたり、相談されたりしていたんです。

逆に、家族としてやっていくことをしっかり考えてくれているんだなと思っていました。私も子どもが小さいときは子育てに専念したいと思っていたので、それは一致していましたし、夫も「ある程度仕事が第一優先にはなるけれど、必要なときやちゃんとしたときは家族を優先するから」と言っていたので、それで納得していました。

——本作では出会いの頃も描かれていましたが、デートに慣れている様子ではなかったですよね。

そうなんです。上手にエスコートできるタイプではなく、初デートのときもとても緊張していました。だから、浮気はできないだろうと、たかをくくっていた部分があり、不安に思っていなかったです。

後から、「あのとき変だったな」と思ったのは、帰宅後いつも私に「もうお風呂に入ったか」と聞いてきたことです。でも自分は入らないで寝ることも多くて、翌朝シャワーを浴びるとかでもなく。今思えば、それは入って帰ってきていたんだなと思います。私はもともと相手のそのままを受け取ろうとする癖があって「そういう人もいるのかな」と思って、あまり疑っていませんでした。

ただ、今回、あらいぴろよ先生に漫画を描いていただいて、改めて自分の経験を振り返ったとき、当時は見つめることができなかった部分もあったと思いました。漫画にも登場する、夫のスマホに怪しいメッセージアプリが入っているのに気づいたときに、「仕事の関係で使う必要がある」という説明をそのまま受け入れて、誤魔化されてしまったときは、後から考えると違和感を見逃していた瞬間だったと思います。

子どものケアもある中で、自分を納得させないとやっていけなかった部分もあったのですが、あの違和感は問い詰めるべききっかけだったのかもしれません。

——そんな中、夫さんのバッグから、コンドームと精力剤を見つけるという瞬間が描かれていました。この瞬間、どんな感情が湧き上がってきましたか?

「なにこれ」しか出てこなかったです。パニックになって頭が回らなくて、「全身から血の気が引く」ってこういう感覚なんだと。

でもとりあえず説明を聞かないとわからないので、冷静になろうとしました。それでも落ち着かなくて、体が芯からざわつくような感覚でした。

最悪の場合は浮気だろうとは思ったのですが、セックスレスだったこともあって、改善を試みて精力剤を飲んでいる可能性もあるのでは、という思いもありました。

以前から夫が「話し合いをしてわかりあっていこう」という話をしていたので、このときは私も徹底的に説明を求めました。

——調べていく中で、不倫相手が520人ということが判明しています。元々依存症に関する知識をお持ちだったのでしょうか?

自分とは無縁だと思っていたので、最初は全然依存症について考えていませんでした。ただ、あまりにも数が多すぎることと、本人も説明できない状態を私も理解できず怖くて。そのままにしておくのが嫌だったので、答えを求めてネットで検索したり、本を読んだりして、やっと「依存症なんじゃない?」って思えるようになったという経緯です。

『それでも家族を続けますか? 難病児のワンオペ中に、夫が 520 人と不倫してました』(漫画:あらいぴろよ KADOKAWA)より
『それでも家族を続けますか? 難病児のワンオペ中に、夫が 520 人と不倫してました』(漫画:あらいぴろよ KADOKAWA)より

「家族だから」支えるべき?

——その後、夫さんは性依存の専門医につながりますが、くさのさんの気持ちを置き去りにするような主治医の話は読んでいてもモヤモヤしました。

自宅から通える範囲で性依存症専門の医師がいるクリニックが一か所しかなかったんです。最初から私が寄り添う前提で話が始まり、私が寄り添わなければ夫の依存症は悪化するし、夫は全然悪くなくて病気のせいだからと言われましたが、そのときは全く受け入れられる心情ではありませんでした。

私が協力する気がないとわかったら「私は患者を見捨てませんから」「家族として協力しないとしても、依存症家族の自助会とかは、自分で参加してみて」といった話をされました。

専門医でも患者本人しか見ていなくて、今後家族がどうしていくとかどう捉えていくかは置き去りにされることがわかって、不信感しか残りませんでした。

——その後、依存症者家族向けカウンセリングを受けられています。

区で依存症者家族向けカウンセリングを無料で行っていて、そのチラシが家に届いていたので、行ってみました。なので、夫の主治医とは全く関係のない相談先でした。

行く前は夫の主治医のように「家族なのだから支えるべき」といった話をしてくる人だったら……と不安に思っていたのですが、よく話を聞いてくれるカウンセラーでした。夫は「自分の性依存症はあなたにも責任がある」といったことを主張していたのですが、カウンセラーからは、「あなたにはなんの責任もありません」と言われて、ほっとしましたね。

——現在もカウンセリングに通っているのですか?

本を読んでみたり、休むときは休んでみたりと、自分なりにできることはやってみたのですが、どうしても処理できない部分が出てきました。それで、人の力をお借りした方がいいと思い、依存症の家族も見れるカウンセラーを見つけ、一年ほど前から通っています。

※後編に続きます。

『それでも家族を続けますか? 難病児のワンオペ中に、夫が 520 人と不倫してました』(KADOKAWA)
『それでも家族を続けますか? 難病児のワンオペ中に、夫が 520 人と不倫してました』(KADOKAWA)

【プロフィール】
くさの ねむ

世界に30人もいない希少遺伝子疾患の子をワンオペで子育て中。自身のSNSで連載した「子供の介護中夫のセックス依存症が発覚しました」が話題に。 

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『それでも家族を続けますか? 難病児のワンオペ中に、夫が 520 人と不倫してました』(漫画:あらいぴろよ KADOKAWA)より
『それでも家族を続けますか? 難病児のワンオペ中に、夫が 520 人と不倫してました』(KADOKAWA)