血中脂質やコレステロールにお悩みの方へ。気になるプラントベースフードについて管理栄養士が解説

プラントベースフードとは？

プラントベースフードとは、植物由来の食材を使用して、肉や卵、乳製品などの畜産物や水産物の味、食感、見た目に似せて作られた食品のことです。

最近は、スーパーなどで大豆ミートやアーモンドミルクを見かけるようになりましたが、それだけではありません。たとえば、大豆由来のチーズ、こんにゃくから作られた魚、白いんげん豆を使ったスクランブルエッグなどが存在します。身近なところでは、豆乳もプラントベースフードのひとつです。

プラントベースフードが広がっている背景には、ベジタリアンやヴィーガンといった食の価値観の多様化、宗教による食の制限、環境・食糧問題への関心の高まりがあります。

これらの課題は自分ごととして受け止めにくいため、「プラントベースフードは自分には関係ない」と思っている方も少なくありません。しかし実は、プラントベースフードは私たちの健康の悩み解決するカギになる可能性があります。

健康にいいことがあるの？

肉の代わりにプラントベースフードを食べると、血中脂質やコレステロールの上昇を抑えられるかもしれません。

肉は良質なたんぱく質を含む一方で、飽和脂肪酸やコレステロールも多く含んでいます。飽和脂肪酸やコレステロールの摂りすぎは、血中LDLコレステロール（悪玉コレステロール）が増加する原因に。その結果、動脈硬化が進行し、狭心症や心筋梗塞などの循環器疾患を引き起こすおそれがあります。

プラントベースフードの原材料は肉ではなく、植物由来の食材です。肉の代わりになるプラントベースフードといえば大豆ミートが知られていますが、肉と比べると、大豆に含まれる飽和脂肪酸やコレステロールはごくわずかです。

それにもかかわらず、大豆は「畑のお肉」といわれるほど豊富なたんぱく質を含んでいます。さらに、肉には含まれない食物繊維を摂取できることも大豆ミートのメリットです。

肉の一部をプラントベースフードに置き換えると、飽和脂肪酸やコレステロールの摂取量を抑えられます。肉と同じような味わいを楽しみながら、脂質をコントロールできるプラントベースフードを活用すれば、無理なくヘルシーな食生活を実践できるでしょう。

プラントベースフードの簡単な取り入れ方

プラントベースフードを取り入れたいと思ったら、まずは食事の一部から変えてみることをおすすめします。たとえば、1週間のうち1日だけ大豆ミートを取り入れる、間食に植物性アイスを食べる、毎朝の牛乳を豆乳に変える、といった方法があります。

最近はプラントベースフードを提供する飲食店が増えているので、外食時にプラントベースのメニューを選ぶよう意識してもよいでしょう。

コンビニでも、プラントベースの食べ物やお菓子が販売されています。おいしく食べながら健康管理ができるなら、プラントベースフードを取り入れてみたいと思いませんか？「どれにしようかな」と迷ったときは、プラントベースフードも選択肢に加えてみてください。

【参考文献】
消費者庁「プラントベース食品って何？」
農林水産省「脂質による健康影響」
文部科学省「日本食品標準成分表（八訂）増補2023年」