仕事の成功にもつながる、自己肯定感を高める16の方法
この記事では、今日から実践できる自己肯定感を高めるための方法を、4つのカテゴリーに分けて全16項目をご紹介します。自己肯定感とは何か、それが育まれる背景なども解説しますので、ぜひ最後までご覧ください。
自己肯定感とは?
自己肯定感とは、自分の存在そのものを認めようとする感情です。自己肯定感の大切さの普及を目的に設立された日本セルフエスティーム普及協会(※1)では、次のように定義されています。
ありのままの自分をかけがえのない存在として肯定的、好意的に受け止めることができる感覚
引用:日本セルフエスティーム普及協会
日本では、主に1990年代頃から教育の現場で語られることが増えた概念です。またアメリカでは、1890年頃から心理学の分野で自己肯定感に関する多くの研究が行われてきました。
最近では子どもの教育に留まらず、成人後に社会に出てからの生きづらさを語る上でも注目されている考え方です。
自己肯定感と自己効力感の違い
自己肯定感に類似した言葉のひとつに、「自己効力感」が挙げられます。一見すると似ていますが、自己肯定感と自己効力感はそれぞれ次の意味を示すため、異なる部分もあります。
<自己肯定感>
自尊感情の一部で、ありのままの自分の存在価値を認め、受け入れる感情のこと。自分の存在そのものに対する評価のことを指す。
<自己効力感>
課題に直面したとき、「自分だったらうまくできるはずだ」と自分自身の能力を評価すること。
つまり、自己肯定感は「自分自身の存在そのもの」を評価する性質を示す一方で、自己効力感は「自分自身の能力」を評価する性質を示します。
双方は相互に作用しあう関係にあるため、どちらか一方が低いと、もう一方を保つことも難しくなります。そのため、どちらも高い状態に保つことが理想です。
自己肯定感が高い人の特
自己肯定感が高い人には、次のような特徴がみられます。
・物事をポジティブに捉えられる
・チャレンジ精神がある
・精神的に安定している
・周囲と自分が異なることを気にしない
・他者の価値観や意見を尊重する
それぞれについて解説します。
物事をポジティブに捉えられる
物事をポジティブに捉える人は、自己肯定感が高く、自分の意志をしっかりと持って生きています。自分の長所だけでなく、欠点や他人に劣る部分さえも受け入れ、ありのままの自分に満足しているのです。自分を否定的に捉えたり、周囲の評価に振り回されたりすることが少なく、常に主体性を持ちながら前向きに物事に取り組めます。
そのため失敗をしても気持ちの切り替えが早く、いつまでも同じことで落ち込んだりしません。一つの失敗に固執せず、すぐに新しいことに挑戦できます。
チャレンジ精神がある
自己肯定感が高い人は、どのような結果になっても、それを素直に受け入れる力を持っているため、チャレンジ精神も旺盛です。
失敗しても、自分を否定的に捉えずに、肯定できるため、すぐに次のチャレンジをはじめられるのです。失敗を成長の糧と考え、自ら積極的にチャレンジする姿勢を維持できる点は、自己肯定感の高い人の大きな特徴です。
精神的に安定している
他者に振り回されることが少なく、精神的に安定していることも自己肯定感が高い人にみられる特徴です。
揺るぎない強固な価値観を持っているため、他者の意見や評価によって自分の考え方を簡単に変えることはありません。価値観がブレないと迷いが生じにくく、心も安定します。そのためイレギュラーな事態が発生しても、それを冷静に受け入れ、動揺せずに対処できます。
周囲と自分が異なることを気にしない
自己肯定感が高い人の特徴として、周囲と自分が異なることを気にしない点も挙げられます。しっかりとした自分軸を持っており、価値観や判断基準が周囲の影響を受けません。
他人からの評価に考え方が左右されることがなく、自分の意思を貫いて行動する強さがあります。また周囲との違いを気にせずに過ごせるため、他者の価値観や考え方を尊重する傾向も強いです。
他者の価値観や意見を尊重する
自己肯定感が高い人は、自分自身を認めるだけでなく、他者の意見や価値観を尊重して、必要に応じて受け入れようとする姿勢を示します。
たとえ自分と意見が合わない場合でも、相手の価値観を尊重し、多様性を重んじる考え方を大切にします。
他者との違いを受け入れながら、合理的な考えのもとで相手の意見の良し悪しを判断し、建設的な関係を築くことを重視しているのです。
カテゴリー別・自己肯定感を高める16の方法
自己肯定感はさまざまなやり方や習慣で高めていくことができます。ここでは、全16の方法を4つのカテゴリーに分けて解説します。
<自己肯定感を高める方法I>受けとめる・手放す
自分自身に関する様々な事柄を受けとめたり手放したりすることは、自己肯定感を維持したり高めたりする上で、大事な観点の一つとなります。具体的な方法は、以下の通りです。
1. 褒め言葉へのリアクションを決めておく
「ありがとう」「嬉しいな」などの定型的フレーズを決めておき、褒め言葉に対してポジティブなリアクションをできるようにしましょう。
自己肯定感が低い人の場合、「褒め言葉」を素直に受け止められず、「それほどでも。」「そんなことはありません。」などの否定的な言葉を返しがちです。しかし自己肯定感を高めるためには、褒め言葉をそのまま受け容れる姿勢が欠かせません。
心理学者のガイ・ウィンチ博士(※8)によると、トレーニングによって誉め言葉を受け入れられるようになるようです。今まで、褒め言葉に対して否定的な言葉を返すことが習慣になっている場合は、意識的にポジティブな返事をできるように心がけましょう。
2. SNSと距離を置く、セルフィーをやめる
SNSは自他を比較するきっかけにつながり、自己肯定感にマイナスの影響を与える可能性があります。SNSの投稿を見てついつい自分と他人を比べてしまう場合は、SNSと距離を置くことが大切です。
またSNSに自撮り写真を上げると自己肯定感に悪影響を及ぼすことが、心理学に関連した研究(※9)でも指摘されています。
また別の研究(※10)では、体型や顔を修正するアプリの利用も、自己肯定感を下げる可能性があると報告されているため、SNSに自撮り写真を載せる行為はほどほどにした方がよいでしょう。
3. 完璧さを手放す
自分に厳しく、完璧さを求める「完璧主義」は、自分に対する期待が高いため、現実とのギャップに苦しみやすい性格です。「こんなはずではない」「本当はもっとできるはずなのに」と考え、自己肯定感を下げることがあるため、過度に完璧主義になることは避けた方がよいでしょう。
「完璧主義」には、健全なタイプと不健全なタイプの2種類が存在します。「不健全な完璧主義」は自己肯定感を下げ、ときにはうつ病の原因にもなるとする研究報告(※11)もあるため、注意が必要です。
4. 感情を書き留め、自分を受け容れる
自分自身の感情を紙に書き出すと、その感情を受け入れやすくなり、自己肯定感を高めることにつながるといわれています(※12, 13)。
自分自身の感情を書きとめる場合は、ノートやアプリなどを活用するとよいでしょう。
感情をありのままに書き留めると、問題の状況や周囲からの意見に左右されることなく、自分の価値観を大切にできることに気付けます。こうして、自分と自分を取り巻く環境を分けて理解すると自己受容を育めるため、自己肯定感の向上につながります。
<自己肯定感を高める方法Ⅱ>自分に言葉をかける・いたわる
自分自身に優しく声をかけ、労わることも自己肯定感を高めることにつながります。
5. 休息・リラクセーション・筋トレ
十分な休息やリラクセーション、もしくは元気があるときに筋トレに取り組んだりすると、前向きになれるため、自己肯定感を取り戻せます。
心身の疲れが原因で自己肯定感が一時的に低くなることがあるため、休息やリラクセーション、筋トレなどのリフレッシュ法を試してみてください。
またLPC(米国認定カウンセラー)のキャサリン・スミス博士によると、健康的な食事と運動を心がけると、考え方が前向きになり、自信を深められるそうです。(※14)
自分の心身の状態ときちんと向き合い、セルフケアに取り組む時間をつくりましょう。もし慣れていない場合は、セルフケアを習慣にしている人と一緒に行動すると、良い発見があるかもしれません。
6. ポジティブ・アファメーション - 肯定的な自己宣言
ポジティブ・アファメーションとは、「自分には○○ができる」「自分は成功する」などのポジティブなフレーズを繰り返し唱えて、自己肯定感を高める方法です。ポジティブなフレーズは、目立つ場所に貼って、いつでも復唱できるようにするとよいでしょう。
ポジティブ・アファメーションは昔から広く使われている手法で、自己肯定感を高める際に一定の効果が期待できます。しかし前述のウィンチ博士によると、自己肯定感の低い人が、自分の信念から離れすぎたフレーズを唱えると、マイナスに働くこともあるため注意が必要です。
マイナスな影響を防ぐために、まずは自分が信じられる程度のポジティブな表現に微調整しましょう。たとえば、「自分は成功する!」というフレーズを、信じられない場合は、「自分は成功するための努力ができる」という表現に置き換えると効果的です。
7. セルフ・コンパッションを育てる
セルフ・コンパッションとは、「自分を思いやる力、思いやること」です。他人と同じように自分も思いやると、自分を理解し、受容することにつながります。
セルフ・コンパッションを育む方法について、具体例を挙げると次のとおりです。
・自分の幸せを願う時間を取る
・自分自身に思いやりの声がけをしたり、手紙を書いたりする
最近、あまり自分を労わる時間が取れていないと感じる方は、ぜひセルフ・コンパッションに取り組んでみましょう。
8. ポジティブなセルフトーク
セルフトークは自分自身を他人に見立てて会話する心理的アプローチで、自分自身に問いかけたり、励ましたりして行います。会話するときは第三者になりきり、自分自身を「私」ではなく「あなた」または「彼」、「彼女」と言い換えて語りかけましょう。たとえば次のように、自分に語りかけてください。
「彼は、今とても頑張っているようだ」(※彼は、自分)
「○○くんは、今日できる限りのことをやったね」(※○○くんは、自分の名前)
AEDPやNLPなど、複数の心理療法で使われるテクニック(※15)ですが、とくに強いストレスや不安を抱えるような出来事に直面したときに有効といわれます。
セルフトークをすると、自分と心理的な距離(サイコロジカル・ディスタンス)を作り出せます。それが自分自身を「他者」化することにつながり、ストレスの多い状況から抜け出せるのです。
セルフトークを応用して、日記や手紙などで自分を「彼」や「彼女」と第三者に見立てて書くやり方も有効です。これは古代ローマ時代に、ユリウス・カエサルが『ガリア戦記』でも実施していたやり方で、「イリイスト日記」と呼ばれる手法です(ille(イリ)=ラテン語の「彼」)。
カエサルが自己肯定感の改善のためにやっていたかどうかは定かではありませんが、古くから自分を客観視する手法として知られていたのかもしれません。
<自己肯定感を高める方法Ⅲ>挑戦や達成感を味わう
成功体験を積んだり、達成感を味わったりして、自己肯定感を高めるのも一つの方法です。達成感を味わうためには挑戦する必要があるため、毎日忙しくて時間を確保できないと、少し難易度が高いように思われるかもしれません。
忙しい場合は、可能な範囲で日常生活でできるような小さな挑戦をしてみましょう。小さな挑戦で成功体験を積み重ねることも、自己肯定感を高めることにつながります。
9. 得意な部分や価値を特定し、伸ばす
前述のウィンチ博士によると、自分の得意分野で成果を出すと、自己肯定感はより強く構築されるそうです。
まずはスキルや特技、過去の経験を思いつく限り紙に書き出して、自分の得意なことを見つけましょう。そして日常生活で得意なことを意識的に使って、誰かの役に立てることを実感しましょう。
たとえば、次のような取り組みが考えられます。
・人の世話をするのが得意な場合は、ボランティアをする
・料理が得意な場合は、人に料理をふるまう
・丁寧にコツコツ仕事を進めるのが得意な場合は、繊細さや集中力が求められる仕事に就く
また定期的に、自分が大切にしている価値観を定義することも重要です。自分が何を大事にしたいのかを理解すると、自分の行動が正しいと確信できるようになり、自信が持てるようになります。自分の価値観を定義する際には、紙に書き出すとよいでしょう。
10. 芸術、創作活動などに取り組む
芸術や創作活動は、自己肯定感の向上に役立つといいます。心理カウンセリングの現場でも、芸術活動が心理療法の一環として用いられることがあり、アートセラピーと呼ばれています(※16)。
また創作活動を通して自分の内面や感情を見つめ直し、作品として表現すると、ある種のストレス解消にもつながる点もメリットです。
創作に正解や勝ち負けはないため、私たちはそれがどのようなものでも、受けとめることができます。その過程で、自分自身で意思決定する楽しみを感じることもあるでしょう。
さらに作品を完成させると、達成感を得られ、スキルが上達すれば自信にもつながります。音楽や絵画、小説、料理、ダンス、園芸など、自分の興味のあるジャンルでトライしてみましょう。
11. これまで避けていたことに挑戦してみる
これまで避けていたことに挑戦してみるのも、自己肯定感を高めるためのひとつのやり方です。
ずっと避けていたことや、できないと思い込んでいたことはありませんか?それを乗り越えることは、自分に自信を付け、自己肯定感を取り戻すのに役立つかもしれません。
ただ、なかには避けていたことに挑戦することで、恐怖を感じられるケースがあるかもしれません。その場合は、心理療法士でありベストセラー作家の、エイミー・モーリンの記事(※17)が役に立つでしょう。同記事では、挑戦する際に発生する恐怖に立ち向かうために大事なことは、下記の点と伝えています。
・リスクを洗い出して再評価してみる
・実際のアクションプランを立ててみる
挑戦した結果うまくいかなくても、挑戦すること自体が自己肯定感を高めることにつながります。
ただし、無理は禁物です。どうしてもチャレンジできない場合は、恐怖症などの可能性もあるため、専門家に相談しましょう。
12. 目標を立てて、ステップを刻んで進める
ニューヨークの心理学者のクロエ・カーマイケル博士は、自己肯定感を育むためには、達成や成功体験が大事と唱えています(※18)。
しかし大人になると、「達成感や成功体験」を味わう機会が、子ども時代や学生の頃に比べると限られるでしょう。ではどうすればよいのでしょうか?
大事なのは、たとえ小さくても成功体験を積み重ねるということです。そのためにも、なにごとにも無自覚に取り組むのではなく、下記の点を意識しましょう。
・目標を決める
・ステップを細かく刻む
・少しずつ進めていく
仕事だけでなく、プライベートでもこれらを意識してみてください。そうすると、小さな成功を積み重ねていることを実感でき、自分の努力を認められるようになります。その結果、自身の強みの再発見をすることができ、自己肯定感を育むことにつながります。
以上に取り組んでも達成感や成功体験を味わえない場合、過去に自分が成し遂げてきたことを紙に書き留めてみましょう。過去の成功体験を振り返ることも、自己肯定感を高めることに役立ちますので、ぜひ試してみてください。
<自己肯定感を高める方法Ⅳ>他者との関わりを変える
他者との関係性は、自己肯定感に大きな影響を与えます。ここでは、他者との関係性に着目した取り組みを紹介します。
13. 「NO」と言ってみる
「NO」と自分の意見を率直に伝えることも、自己肯定感を高めるための一つの方法です(※19)。しかし「NO」と伝えようとしても、伝える相手との人間関係に支障がでることが気になって、なかなか伝えられない人も多いのではないでしょうか。そのような場合は、アサーションを意識するとよいでしょう。
アサーションとは、相手を尊重しながらも自分の言いたいことを伝えることです。アサーションスキルを高めると、相手との人間関係を壊さずに自分の意見を伝えられるため、自己肯定感を高めることにつながります。
しかし自分の意見をはっきりと伝える習慣がない人は、アサーションを意識しても相手に「NO」と伝えることについて、ハードルが高いと感じるかもしれません。そのような場合は、たとえば「レシートの受け取りを断る」「チラシの受け取りを断る」といった、日常のささやかなシーンから始め、反復的にトレーニングをして、「NO」ということに慣れていきましょう。
14. 他人のために動く
他人への貢献もまた、自己肯定感を高めることにつながります。学生を対象にした日本の研究でも、ボランティアをすることが自己肯定感を高めたという結果が出ています(※20)。
スポーツが得意な方は、地元のコミュニティでチームのコーチをするとよいでしょう。また仕事の経験が豊富な方は、若手に仕事のやり方を教えるのもおすすめです。
自分が誰かの役に立ったことを実感できると、自分が価値ある存在と感じられ、自己肯定感を高めることにつながるかもしれません。
「情けは人のためならず」のことわざがあります。このことわざが示す本来の意味は、「人に情けを掛けておくと、巡り巡って結局は自分のためになる」ことです。(※21)これに習って、人に役立つことをしておくと、自己肯定感の向上という形で自分のためになると考えることもできます。
まずは一日、誰かのために動くことを意識してみて、その結果を振り返ってみてはいかがでしょうか。
15. 他人を許す
心理学者のシラルディ博士は、自著に「人を赦すことが、自己肯定感を高めることにつながる」と記しています(※22)。
他人の行いで自分が苦しめられたという経験は、誰しもが味わったのではないでしょうか。他人の行いによって苦しめられた事実を赦そうとしても、簡単なことではありません。どんなに理屈を考えても、相手を許しがたいこともあるでしょう。
しかし私たちが誰かを赦すと、それが自己肯定感を高めることにつながることも知っておくと、相手を赦す一つのきっかけになるかもしれません。
16. ネガティブな人間関係を整理する
自分のタイミングで、ネガティブな関係を断捨離し、切り離すことも考えてみましょう。それが自己肯定感を高めることにつながる可能性があります。
しかし、ある調査(※23)によると、自己肯定感が低い人は、自己評価を下げる人との付き合いに安心感や、快適さを感じることがあるそうです。一時的には心地よさや安心感があっても、慢性的に自分を否定し、ネガティブな考えをもたらす関係性は、長期的には自己肯定感に悪影響を与えるため注意しましょう。
自己肯定感を高めるメリットとデメリット
自己肯定感を高めるメリットのひとつとして、困難を乗り越えるための能力を身に着けられる点が挙げられます。
ある研究によると、自己肯定感が高くなるに従い、自分には目標を達成する能力があると判断する傾向が強くなることが報告されています。そのため、目標の達成までの見通しを立てやすくなることで自信を持ち、より努力するようになるようです(※2)。この研究結果から、自己肯定感が高いと、困難に直面したときに、それを乗り越えるための力を得やすくなることがわかります。
このように自己肯定感は、失敗を乗り越え、困難を克服しようとするチャレンジ精神を支える基盤となるため、仕事の成功や私生活の幸福につながり、人生に好影響を与えうると考えられます。
文部科学省の資料(※7)によると、「日本人は諸外国に比べて自己肯定感が低い」という結果が出ています。とくに日本人の場合、自己肯定感の低さが生きづらさの原因となっているケースも多いと考えられます。そのため自己肯定感を高めると、より人生の好転が期待できるのではないでしょうか。
その一方で、過度に自己肯定感が高いことでデメリットもあるようです。
アメリカのある研究(※6)によると、自己肯定感が極端に高いと、自分を無能に見せたくない思いから、難しい課題への挑戦や努力を避けるという結果が報告されています。自己肯定感を高める際には、バランスにも注意する必要があるでしょう。
自己肯定感が低い原因
幼少期の経験が、自己肯定感の高低に影響を与えるといわれています。「三つ子の魂百まで」という日本のことわざを裏付けるかのように、最近の研究(※3)では、0歳〜6歳の環境要因が性格や人格の形成に大きく関与しているという結果が出ています。つまり自己肯定感の高さも、幼少期の環境の影響が大きいと考えられるのです。
たとえば自己肯定感が低い原因として、次のような幼少期の生活環境や経験が影響します。
・家族とのコミュニケーション不足
・愛情不足
・兄弟や他人との比較 など
子どもの自己肯定感を高めるためには、普段から親が子どもとしっかり会話することが大切です。他の子どもと比べずに、努力をした過程を褒めたり、感謝の言葉を伝えたりして子どもを肯定するようなコミュニケーションの取り方が、自己肯定感を高めることにつながります。
自己肯定感は、大人になってから育むことも可能です。実際に自己肯定感は、青年期や成人になってからも変化するという研究報告も存在します(※5)。大人になったあとは、次の要因で自己肯定感が育まれます。
・学習
・仕事の経験
・人間関係
・成功体験
・社会貢献 など
自分の自己肯定感が低いと感じられる場合でも、それを改善するチャンスはあるため、あきらめないことが大切です。
おわりに
この記事では、自己肯定感の基本的な知識から、具体的な高め方までを詳しく解説しました。
重要なのは、自己肯定感は生まれつきのものではなく、日々の少しの意識や行動で、いつからでも育てていけるということです。
ご紹介した16の方法を、すべて完璧にこなす必要はありません。まずは「これならできそう」と思えるものを一つだけ選んで、試してみてはいかがでしょうか。
その小さな一歩が、ありのままの自分を受け入れ、より豊かな人生を歩むための確かな力となるはずです。
※この記事はAIメンタルパートナーアプリ「アウェアファイ」と連携しています
<参考文献>
※1 日本セルフエスティーム協会
※2 Bandura, A., 1997. Self-efficacy: the exercise of control.
※3 Study suggests your adulthood self-esteem has its roots in the way you were raised as a child By Christian Jarrett
※4 石田勝紀 子どもの自己肯定感を高める10の魔法のことば 2018年7月発行 株式会社集英社
※5 Ulrich Orth, Richard W. Robins(2014), The Development of Self-Esteem
※6 Covington, M. V. (1992). Making the grade: A self-worth perspective on motivation and school reform. Cambridge University Press. https://doi.org/10.1017/CBO9781139173582
※7 文部科学省:「高校生の生活と意識に関する調査」における国際比較
※8 5 ways to build lasting self-esteem
※9 RuoxuWangFanYangMichel M.Haigh(2017), Let me take a selfie: Exploring the psychological effects of posting and viewing selfies and groupies on social media
※10 Apps altering body shapes in videos are 'crushing young people's self-esteem'
※11 Rice, K. G., Ashby, J. S., & Slaney, R. B. (1998). Self-esteem as a mediator between perfectionism and depression: A structural equations analysis. Journal of Counseling Psychology, 45(3), 304–314. https://doi.org/10.1037/0022-0167.45.3.304
※12 Do Yourself a Favor and Write Down Your Negative Thoughts
※13 Six Writing Exercises For Stronger Self-Esteem
※14 How to Build Self-Esteem: 5 Tactics to Change How You See Yourself
※15 Why You Should Start Talking to Yourself
※16 Raising Self-Esteem in Adults - An Eclectic Approach with Art Therapy, CBT and DBT Based Techniques
※17 How to Face Your Fears
※18 How to Improve Your Self Esteem
※19 Improving Self-Esteem
※20 川田 虎男, 志塚 昌紀(2016), ボランティア活動が学生の自己肯定感に及ぼす影響 : 大学生ボランティアのヒアリング調査より
※21 ことば食堂へようこそ!|文化庁
※22 The Self-Esteem Workbook (A New Harbinger Self-Help Workbook)
※23 Low Self-Esteem Predicts Indirect Support Seeking and Its Relationship Consequences in Intimate Relationships
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