夏の心とカラダをととのえる、「冷やしすぎず、潤し、気を補う」やさしいお粥養生のススメ
夏の暑さが本格化すると、冷たい飲み物や食事で胃腸が冷え、だるさや食欲不振を感じやすくなります。そんな時にそっと寄り添ってくれるのが「夏のお粥」です。 お粥は、消化にやさしく内臓を温めてくれる、シンプルだけど力強い食養生。とくに夏は、「冷やしすぎず、潤し、気を補う」ことが大切です。疲れた日のリセットに、体も心もととのえる食事を意識してみましょう。
心と体を整える 「お粥の食養生」
暑さが本格化する夏。冷たい飲み物や食べ物が増える一方で、知らず知らずのうちに胃腸が冷え、疲れやだるさ、食欲不振を感じる方も少なくありません。そんな季節にぴったりなのが、「夏向けのお粥」です。
お粥は、水分が多くて消化にやさしく、体をいたわりながら必要なエネルギーを補給できるのでオススメです。特に夏は、「冷やしすぎず、潤し、気を補う」ことが大切です。
忙しい日々を送る現代人にとって、食事は「ただお腹を満たすもの」になりがちです。しかし、体と心のバランスを整えるためには、「食べ方」や「食材の選び方」も大切な養生のひとつ。
お粥は、米をたっぷりの水で炊いてつくるシンプルな料理。しかしそのやさしさには、体を癒す力が秘められています。中医学(中国伝統医学)では、お粥は胃腸を温め、気を補い、水分を巡らせるとされ、特に体調がすぐれない時や回復期に重宝されてきました。現代栄養学的にも、消化吸収がよく、内臓に負担をかけずにエネルギーを補給できる「理にかなった食事」といえます。
季節ごとのアレンジで“めぐる体”に
お粥は、季節や体調に合わせて具材を変えることで、より養生効果が高まります。
夏:火照った体をクールダウンする作用のある、トマトや冬瓜、とうもろこしなどで涼をとりましょう。
トマトと梅干しのさっぱり薬膳粥のレシピ
夏野菜をつかった「トマトと梅干しのさっぱり薬膳粥」のレシピをご紹介します。食欲がないときのリセットごはんにオススメです。
材料(2人分)
- 米 1/2カップ
- 水 800ml
- トマト 中1個(ざく切り)
- 梅干し 1個(種を除いて軽くほぐす)
- 本だし 少さじ1〜2
- 塩 少々
- 大葉やみょうが(お好みで)
作り方
- 米を研いで30分浸水後、水を加えて炊く。
- お粥が8分ほど炊けたら、トマトと梅干し、本だし、塩を加える。
- 軽く煮込んで味をなじませたら出来上がり。
- お好みで、刻んだ大葉やみょうがを添えて。
ポイント:
梅干しは夏の疲労回復に、トマトは体の熱を取ってくれます。さっぱりとした味わいなので、暑い日にもピッタリ!
お粥は、ただ栄養をとるだけの料理ではありません。白い湯気、やさしい口当たり、じんわりと広がる温かさがあり、それは、食べる人の心までも整える力があります。
「最近、ちょっと疲れてるかも」と思ったら、いつもより少し丁寧にお米を炊いてみてください。お粥は、心と体を“ちょうどよく整える”、そんな存在なのです。
冷房や冷たい飲み物で知らずに体が冷えている現代の夏。そんな季節だからこそ、お粥のような“内臓にやさしく、やわらかく温める食べもの”が心と体を守ってくれます。
毎日の食事を意識して、健やかに夏の時期をお過ごしになってくださいね。
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