「ダイエットに良さそうと思ってたわ…」更年期太りに逆効果!?避けたい食品とは|管理栄養士が解説
更年期に入ってから「太りやすくなった」「頑張ってるのに体重が減らない」…そんな声をよく聞きます。 年齢のせい、と片づけてしまいがちですが、更年期の体はとても繊細で、ホルモンの変化により、「いままでのやり方」が効きづらくなることもあるんです。 今回は、つい選びがちな“ダイエット食品の落とし穴”について、管理栄養士の視点でお伝えします。
更年期の体で何が起きている?
40〜50代の女性は、女性ホルモン(エストロゲン)の分泌が急激に減少し、それにともなって代謝や自律神経にさまざまな変化が起こりやすくなります。
たとえば、基礎代謝が落ちやすくなったり、脂肪をためこみやすくなったりするのもその一例です。また、ホルモンのゆらぎは、「なんとなく疲れやすい」「やる気が出ない」など、心や体の不調となって現れることもあります。
つまり、更年期は体も心も“省エネモード”に入りやすい時期なので、無理な食事制限をすると、かえって逆効果になることもあるのです。
実はNGなダイエット食品
“ダイエットに良さそう”でも、更年期の体には合わない可能性がある食品もあります。
ここでは、そうした食品と、代わりに取り入れたいものや選び方の工夫をご紹介します。
ゼロカロリー飲料(人工甘味料入り)
「砂糖不使用・ゼロキロカロリー」の表示に惹かれて、つい手に取ってしまう方も多いのではないでしょうか。
人工甘味料は血糖値を直接上げることはありませんが、“甘さを感じたのにエネルギーが入ってこない”というギャップが、脳や腸内環境に混乱を招くことが示唆されています。
特に更年期は代謝が不安定になっているため、このズレが「余計な食欲」や「脂肪のためこみ」を引き起こす可能性もあります。
▶ おすすめの飲み物
・無糖炭酸水+レモン果汁
・温かい麦茶やルイボスティーなどのノンカフェイン飲料
寒天などの低カロリー食品
一見ヘルシーに見える低カロリー食品も、実は落とし穴。
血糖値の急上昇は防げても、満足感に欠けることで食欲を刺激することがあります。また、甘味料の種類によっては腸内環境への影響も報告されており、「太りにくい」のイメージだけで選ぶのは避けたいところです。
▶ おすすめの間食
・無糖ヨーグルト+はちみつ
・焼き芋
・ナッツ+フルーツ少量
“自然な甘み”や“噛む感覚”が満足感につながります。
スムージー
市販品のスムージーのなかには、果物が多すぎて糖質過多になっているものや、砂糖・シロップが加えられているものもあります。 更年期の代謝低下を考えると、“ビタミン補給”のつもりが“血糖スパイク”を引き起こしてしまい、結果的に脂肪蓄積を促してしまうこともあります。
▶ おすすめの組み合わせ
・葉野菜や、豆乳、きなこなどをベースにし、果物はベリー類など少量をアクセントに
“食物繊維+たんぱく源”になるように組み合わせるとgoodです。
ドライフルーツ
自然の甘み=ヘルシーというイメージがありますが、乾燥によって糖質がギュッと凝縮されており、実は少量でも高カロリーです。 加えて、砂糖や油が添加されている商品も多く、「ヘルシーそうだから」と毎日食べる習慣になると、更年期の代謝低下に拍車をかけてしまう可能性があります。
▶ 摂り方のポイント
・無添加・砂糖不使用のドライフルーツを選ぶ
・数粒を小皿に出して、噛みしめて楽しむ
“自然のもの”だからこそ、量と頻度のコントロールが大切です。
まとめ
更年期は、今までの習慣が通用しづらくなる時期です。 だからこそ、ご自身の体調やリズムに合わせて、食べものの選び方を見直してみてくださいね。
【参考文献】
・厚生労働省 e-ヘルスネット「更年期障害」
・Suez J et al. (2014). Artificial sweeteners induce glucose intolerance by altering the gut microbiota. Nature.
・厚生労働省(2024)『日本人の食事摂取基準(2025年版)』
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