きゅうりは、トマトと一緒に食べないほうがよい?管理栄養士が教える「きゅうり」の豆知識

 きゅうりは、トマトと一緒に食べないほうがよい?管理栄養士が教える「きゅうり」の豆知識
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夏野菜の代表選手でもあるきゅうりとトマトは、夏の食卓にはよく並ぶという家庭も多いのではないでしょうか?どちらとも美味しくて栄養もある野菜ですが、一緒に食べる時には少し気をつける必要がある野菜でもあります。そこで、今回は、管理栄養士視点からきゅうりとトマトを美味しく食べる方法をご紹介します。

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きゅうりはどんな野菜?

きゅうりは約95%が水分という野菜のため、栄養価が高い野菜ということはできません。しかし、体内の水分調整に欠かすことができないカリウムを豊富に含んでいます。カリウムは体内にある余分な塩分を排出を促進することで、血圧を下げたり、利尿作用によりむくみを解消をしたりが期待できます。他にも、血栓予防が期待できるピラジンや毛細血管を丈夫にすることで高血圧予防が期待できるルチンなどの栄養素も含まれています。

きゅうりとトマトは相性が悪い?

きゅうりとトマト
byフォトAC

ビタミンCは、還元型と酸化型の2種類があります。そして、きゅうりに含まれるアスコルビナーゼという酵素は、ビタミンCを酸化してしまうことで、体内での利用効率(吸収)を下げると言われています。そのため、ビタミンCを豊富に含むトマトを一緒に食べると、ビタミンCの吸収が妨げられます。

きゅうりとトマトのおすすめの食べ方3選

酢を活用する

アスコルビナーゼは酸に弱いという特徴があります。そのため、酸の強い酢やポン酢、マヨネーズなどの調味料と味付けをすることで、アスコルビナーゼによる酸化が抑制されるため、ビタミンCの吸収が妨げられません。

サラダ
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加熱調理しよう

アスコルビナーゼは熱に弱いという特徴もあります。そのため、生で食べるイメージが強いきゅうりではありますが、加熱して食べるのもおすすめです。また、トマトも加熱することで、老化の原因でもある酸化を防ぐ抗酸化力が高い赤い色素成分でもあるリコピンの吸収率が高まります。意外に感じるかもしれませんが、豚肉や鶏肉、牛肉は、トマトやきゅうりと炒めて、味噌や醤油、香辛料などで味付けするのもきゅうりのシャキシャキ食感を楽しめて美味しいですよ。

発酵させよう

アスコルビナーゼの働きは、きゅうりを発酵させることでも抑えることができます。そのため、トマトと一緒にぬか漬けにしたり、発酵ピクルスにするのもよいでしょう。発酵ピクルスは、甘酢に漬けるものとは異なり、ハーブと一緒に塩水に漬け込んで時間をかけてゆっくりと発酵させます。きゅうりとトマトだけでなく、夏野菜を一緒に漬け込むのもおすすめです。

きゅうりと相性のよい食べ物は?

きゅうりとわかめの酢の物
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水溶性食物繊維の一種であるアルギン酸が豊富に含まれているわかめは、体内水分調整に関わるカリウムとの相乗効果が、むくみ予防や高血圧予防によいでしょう。また、イカやタコと酢の物やスープにすることで、ビタミンCの吸収率が上がるだけでなく、アミノ酸の一種であるタウリンは、解毒作用や血圧安定も期待できます。

夏はきゅうりとトマトを楽しもう

体の熱を奪ってくれるきゅうりやトマトは、食べ過ぎてしまうと体を冷やしてしまう危険性もありますが、調味料や調理方法、食べ合わせを工夫することで、美容効果も期待できます。今日からでもできる簡単なことばかりのため、ぜひ、今夏は上手にきゅうりとトマトを取り入れてみてはいかがでしょうか?

冷やし中華
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【参考文献】

文部科学省 | 日本食品標準成分表2020年版(八訂)増補2023年

厚生労働省|e-ヘルスネット

わかさ生活|わかさの秘密

ライター/管理栄養士 亀崎智子
管理栄養士×セラピスト(野菜ソムリエ・中級食品診断士 )。食に関する講演や記事執筆・監修、体の本来の機能を取り戻すお手伝いをする整体のセラピストとして、家族丸ごと体の内と外にゆとりをつくるサポートを行っている。また、満月の日に、乾物と塩で作るふりかけと即席スープの素の製造販売も行っています。インスタグラム:kamegohan0528

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