【きゅうり】低カロリーなのに実は栄養豊富?日常的に食べることで得られるメリット|管理栄養士が解説
きゅうりはカロリーが最も低い野菜といわれていることから、栄養がないイメージを持っている方もいらっしゃるかもしれません。 しかしきゅうりにはさまざまな栄養素が含まれており、それぞれの栄養素は私たちの健康に役立つ可能性があります。 そこで今回の記事では、きゅうりに含まれる栄養素について管理栄養士が詳しく解説します。
きゅうりには「栄養がない」の真偽
きゅうりのカロリーは100g当たり約13kcalで、小松菜や白菜のカロリーと同じくらいです。きゅうりには多くの水分が含まれており、全体の約95%を占めるといわれています。「ほとんど水分なら、栄養がないのでは?」と思ってしまった方もいらっしゃるかもしれませんが、きゅうりはビタミンやミネラルなどさまざまな栄養素を含んでいます。つまり、きゅうりは栄養豊富ではないものの、「栄養がない」というのは誤解であるといえます。
では、きゅうりにはどんな栄養素が含まれているのでしょうか。
きゅうりに含まれる栄養素について
きゅうりに含まれる主な栄養素と100g当たりの含有量は以下の通りです。
食物繊維 | 1.1g |
カリウム | 200mg |
カルシウム | 26mg |
マグネシウム | 15mg |
ビタミンA | 28μg |
ビタミンK | 34μg |
ビタミンC | 14mg |
葉酸 | 25μg |
これらの栄養素にはどのようなはたらきがあるのでしょうか。
特に含まれていると考えられる栄養素とそのはたらきをご紹介します。
食物繊維
食物繊維は体内で消化・吸収されずに大腸まで達する成分です。
腸内環境を改善したり余分な糖や脂肪を体外へ排出したりするはたらきがあります。
そのため、食物繊維は生活習慣病を予防したり改善したりする効果が期待されています。
現代の日本人は食物繊維の摂取が不足しがちのため、積極的に取り入れたい栄養素です。
カリウム
カリウムは体内に必要なミネラルの一種で、浸透圧の調節や筋肉の収縮などに関わっています。
また食塩の主成分であるナトリウムを体外に排出する作用があることから、高血圧の予防・改善に役立つと考えられています。
ビタミンK
ビタミンKは血液を凝固させるのにはたらく脂溶性ビタミンです。
また骨の健康維持にも重要な栄養素であり、骨の形成を促進することも知られています。
ビタミンC
ビタミンCは皮膚や血管を構成するコラーゲンをつくるのに欠かせない水溶性ビタミンです。
美容を意識している方にとってはとりたい栄養素の一つといえます。
さらにビタミンCは鉄の吸収を良くしたり、老化や免疫機能の低下の原因となる活性酸素のはたらきを抑えたりする重要な役割を担っています。
葉酸
葉酸はDNAの合成や細胞の増殖に役立つ水溶性ビタミンです。
赤血球の合成をサポートしたり、胎児の発育に関ったりするはたらきがあります。
特に妊娠や出産を計画している女性は胎児の発育のために葉酸を十分に摂取することが推奨されています。
バランスを意識しつつ、きゅうりを上手に取り入れよう
きゅうりは低カロリーであるものの、私たちの体にとって欠かせない栄養素が含まれています。また、きゅうりをとることで不足しがちな栄養素を補給できるかもしれません。
ただし、きゅうりのみで栄養素を十分に補給できるわけではないため、きゅうりをはじめさまざまな食品をバランス良くとることが重要です。
この記事できゅうりの栄養について知り、食生活に取り入れていただければと思います。
参考文献(2023年8月27日に閲覧)
・文部科学省「日本食品標準成分表2020年版(八訂)」
・厚生労働省 e-ヘルスネット「食物繊維の必要性と健康」
・厚生労働省「日本人の食事摂取基準(2020年版)」
AUTHOR
一ノ木菜摘
管理栄養士/ライター。短大卒業後、病院で栄養士として働きながら管理栄養士免許を取得。その後は病院の管理栄養士やコールセンターなどの経験を経てライターとして活動を始める。ダイエットや食品、メンタルなどのヘルスケアについて論文などの科学的根拠をもとにコラムを執筆している。
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