実は胃腸に負担がかかってしまう「ニラ」のNGな食べ方とは?管理栄養士が解説


餃子にピッタリの食材で、スープや炒め物に加えると香りや風味が引き立ち、食欲をそそる「ニラ」。スタミナ食材として「元気がでる野菜」というイメージをお持ち方も多いのではないでしょうか? しかし、実は食べ方によっては、腸に負担をかけてしまうことがあります。 今回は、ニラに含まれる栄養や腸にやさしいおすすめの食べ方について、管理栄養士が解説いたします。
ニラの旬はいつ?
一年中手に入りますが、春先から初夏にかけてが旬で、最もおいしい時期です。
新鮮なニラを選ぶポイント
葉先までピンとしていてハリがあり、香りが強いものほど新鮮です。葉先が折れたりしおれていたりするもの、葉に白い斑点があるものは避け、葉の幅が広く、やわらかいニラを選ぶのがポイントです。
ニラに含まれる栄養素とその働き
アリシン
胃もたれや食欲不振を改善する効果があり、血液を固まりにくくする働きや、新陳代謝を活発にする働きのある栄養素。
にんにくや玉ねぎなどにも多く含まれる成分です。
ビタミンA
皮膚や粘膜を丈夫にし、抵抗力を高める栄養素。
モロヘイヤ、にんじん、春菊、ほうれん草、かぼちゃなどの緑黄色野菜にも多く含まれます。
ビタミンE
老化や、がんや動脈硬化など生活習慣病の原因となる「活性酸素」から体を守る「抗酸化作用」のある栄養素。
アーモンド、かぼちゃ、うなぎ、アボカドなどにも多く含まれます。
ビタミンK
止血を助け、骨へのカルシウムへの取り組みを促進する栄養素。
納豆やブロッコリーなどにも多く含まれます。
おすすめの食べ方
特にビタミン類の栄養素が豊富な食材の「ニラ」ですが、食べる際の注意点もあります。ニラに含まれるアリシンは刺激が強く、大量に食べると腸の蠕動運動が過剰に活性化される可能性があります。そのため、過剰な摂取や生食は胃腸に負担をかけるおそれがあるため、注意が必要です。

アリシンの刺激は、加熱することにより和らぐため、スープや炒め物などにして加熱して食べることにより、胃腸に優しい食べ方をすることができます。胃腸の働きが弱っている時は特に消化不良を起こしやすいため、生食は控えるほうが良いでしょう。以下におすすめの調理方法の一例をご紹介いたします。
春雨とニラのチャプチェ

【材料】3人分
1.豚こま切れ肉 200g
2.もやし 1パック
3.人参 1/2本(75g)
4.にら 1/4束(25g)
5.緑豆春雨 40g
6.塩 少々
7.ごま油 小さじ2
A.調味料
・水 130ml
・酒 大さじ1
・しょうゆ 大さじ1
・顆粒鶏がらスープの素 小さじ1
8.白すりごま 小さじ1/2
9.ブラックペッパー 適宜
【作り方】
① 人参は千切りにし、ニラと豚肉は4~5㎝幅に切る。
② フライパンにごま油を熱し、人参と豚肉を炒め、塩をふる。
③ 豚肉に火が通ったら、春雨→もやし→にらの順に重ねる。
④ Aの調味料を回しかけ、野菜や春雨が柔らかくなるまで、蓋をして中火で約7分加熱する。
⑤ すりごまを加えてさっと混ぜる。
⑥ お好みでブラックペッパーをふる。
栄養素が豊富で、元気をサポートしてくれる「ニラ」。加熱調理にすることで胃腸への負担を減らしつつ、栄養素をしっかりと摂り入れて、おなかの中から健やかに過ごしましょう。
<参考文献>
・独立行政法人 農畜産業振興機構
・健康長寿ネット
・Allicin‑induced Activation of Peristalsis in Rat Ileum Depends on Bicarbonate Ion Transport(https://colorectalresearch.sums.ac.ir/article_49725.html)
・アリシンによる大腸起電性イオン輸送制御および腸管蠕動運動との関連性の検討
(https://www.saltscience.or.jp/images/2023/07/201747.pdf)
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