キッズヨガに学ぶこと|ヨガは大人に何をもたらすか
ヨガで自分をよりよく知ることは、大人に限らず、子どもたちにもとても役に立つことです。子どもたちにそんなことできるの?と思われがちですが、子どもたちの方が大人より得意なことも…。これから大人になるために、キッズヨガで学べる、自分の気持ちのコントロールの仕方とは?キッズヨガを指導する筆者が考えました。
ポーズだけじゃないキッズヨガの目的
キッズヨガは、ポーズができることを目的としていません。ポーズや遊び、お話を通じて、自分のことを深く知り、相手との関係性を学び、よりよい毎日を送るサポートすることこそが主な目的です。その中には、自分の気持ちをコントロールすることも、もちろん含まれます。自分の気持ちをコントロールするには、まずは自分の気持ちを知ることが必要です。気持ちを知ることは、大人でも案外できていないことが多いのです。子どもたちにも、そんなことができるのでしょうか?
子どもは思ったことをそのまま口に出すのが得意!
自分の気持ちを見つめて、表現することは、子どもたちには素直に受け入れられます。反対に言えば、大人の方が恥ずかしがったり、周りからの目を気にして本当の自分の気持ちを受け入れたり、素直に言葉にすることが難しい場合があります。年齢の低い子どもたちほど先入観なく、自分の気持ちをありのまま受け入れ表現することができるので、大人よりもすんなりできる場合が多いのです。
自分の気持ちを知るために、自分に集中を向ける練習を
自分の気持ちに気づくために、まずは自分に集中する必要があります。自分の呼吸を感じたり、体の状態を感じたり、今の自分に集中を向けられるようにしてあげましょう。注意が必要なのは、大人のように静かに意識を向けるのが難しい場合があることです。そのため、遊びを意識した表現が必要になるかもしれません。
呼吸の意識は、風船を膨らませる例えや、声を出しながら息を吐くとわかりやすいですね。体の意識はイメージを伝えてみると伝わりやすいです。立位のポーズだったら、土台の下半身を根っこに例えたり、山のようなどっしりさといった具合に、子どもたちでもわかりやすい何かに置き換えてみましょう。
自分に意識を向けることに慣れてきたら、そこから少しずつ自分の気持ちの変化に気づけるように声掛けしてみます。まずは体を動かした後のすっきりした気持ちを感じてもらいましょう。そこからいろいろな気持ちが自分の中に存在することを、子どもたちに知ってもらいましょう。
呼吸や体とは違い、具体的に見えない気持ちを感じるのが最初は難しい子どももいるかもしれません。焦らず、少しずつ向き合いましょう。
気持ちのコントロールで、自分を幸せに
段々と自分の気持ちを把握できるようになったら、それをうまくコントロールできるようにしていきましょう。イライラする気持ち、悲しい気持ちに気づいたら、自分の解決方法を自分で見つけるのです。インストラクターはそのサポートをします。
例えば、イライラした気持ちの時は、大きな恐竜になりきったポーズでガオーと言って火を吐いてみたり、悲しい気持ちの時は、自分を抱きしめるような丸くなるポーズをしてみたり、胸を広げるポーズで前向きな気持ちにしてみたり…沢山チャレンジしてみましょう。
どれが自分にしっくりくるかは人それぞれです。どれにも共通するのは、自分で自分を理解し、それをより心地よい方向に導く作業を自ら行うということです。それはまさに、自分で自分を幸せにする作業です。ヨガが目指すところをキッズヨガでも体現することができるのです。
終わりに
一見するとただの遊びのように見えるかもしれませんが、そこにはしっかりとした学びがあるのです。子どものころに自分への理解を得られることは、大人になってとても役に立つことです。大人でさえわかっていない自分のことを子どものころから学ぶことは、自分の歩むべき道を自ら決めることに他ならないからです。私たちの歩く道は誰かが決めてくれるものではありません。自ら決め、歩いていくことを、キッズヨガを通じて子どもたちに伝えてみましょう!
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