「何も考えずに食べてたわ…」バナナを食べない方がいい人の特徴|管理栄養士が解説


バナナはコンビニでも購入できて手軽に食べられる、身近な果物のひとつです。栄養が豊富で、体へのさまざまなメリットが期待できる一方で、実は体質や健康状態によっては注意が必要な場合があります。この記事では、バナナを控えるべき人の特徴を管理栄養士が解説します。バナナを食べるうえでの適量についても解説するので、日頃からよく食べている方もぜひチェックしてくださいね。
バナナを食べない方がいい場合とは

バナナは皮をむくだけですぐに食べられて、エネルギーや栄養を手軽に補給できる便利な果物です。しかし、腎臓の機能が低下している方は注意が必要な場合があります。というのも、バナナにはカリウムが多く含まれているためです。
カリウムはミネラルの一種で、体内では細胞の機能維持や神経の伝達、筋肉の収縮や弛緩などに関わる栄養素です。通常は、カリウムを摂りすぎても尿とともに排出されるため、健康への影響はありません。
ところが、腎臓の機能が低下していると、尿をきちんと作ることができず、不要な物質や老廃物が体内にたまりやすくなります。バナナを食べて体内のカリウムが過剰になってもうまく排出できないため、注意が必要です。
体内のカリウム量が増えすぎると高カリウム血症を引き起こし、不整脈などの症状が現れる可能性があります。腎臓に不安がある方や医師から腎機能について指摘を受けている方は、バナナを食べる前に医師に相談しましょう。
バナナを食べるメリット

腎臓の機能が低下している方にとって、バナナは控えた方がよい食べ物です。しかし、健康な人であれば、適切に取り入れることで次のようなメリットが期待できます。
・高めの血圧を下げる
・むくみを解消する
・便通を改善する
・エネルギー源になる
体内の塩分濃度が高まると、それを薄めるために体に水分がたまり、むくみが起こりやすくなります。さらに、血液量が増えて血管を圧迫し、血圧が上昇する原因になることも。
バナナに豊富なカリウムには、体内の余分な塩分(ナトリウム)を排出する作用があります。そのため、バナナはむくみの軽減や血圧のコントロールに役立つと考えられます。
また、バナナに含まれるフラクトオリゴ糖にも注目です。フラクトオリゴ糖には、胃や小腸で消化されずに大腸まで到達し、善玉菌のエサになる性質があります。バナナに含まれる食物繊維との相乗作用で、腸内環境が改善され、便通が整うことが期待できます。
仕事や勉強で集中力が必要なときや、運動後に疲労を感じたときも、バナナを食べるとよいでしょう。バナナに豊富な糖質は、脳のエネルギー源になります。さらに、筋肉のエネルギー源であるグリコーゲンの材料にもなるため、筋肉疲労の回復にもつながります。
1日に食べるバナナの適量は?

健康な人が1日にバナナを食べる量は、1〜2本程度を目安にしましょう。
農林水産省と厚生労働省が共同で作成した「食事バランスガイド」では、1日に摂取する果物の目安量を約200gとしています。バナナ1本あたりの可食部(皮を除いた食べられる部分)は約100gのため、1〜2本程度が適量といえるでしょう。
バナナには糖質が多く含まれており、食べすぎると肥満につながるおそれがあります。肥満を防ぎながら、バナナのメリットを活かすためには、適量を守って上手に取り入れることが大切です。
【参考文献】
公益財団法人腸内細菌学会「用語集 フラクトオリゴ糖」
独立行政法人農畜産業振興機構「砂糖と健康~肝臓と筋肉の働きを高める砂糖の生理的役割~」
農林水産省「『食事バランスガイド』について」
文部科学省「日本食品標準成分表2020年版(八訂)」
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