「いつも捨てていたわ…」お米のとぎ汁は捨てたらもったない!びっくり活用術と注意点を栄養士が解説


そのまま捨ててしまいがちなお米のとぎ汁には、ビタミンやミネラルなどからだに良い栄養が豊富に含まれています。調理に活用すれば、食材のえぐみの防止や食品の栄養価のアップだけでなく、美容効果が期待できるなどさまざまなメリットが得られます。今回は、お米のとぎ汁の栄養価や活用方法について詳しく解説します。
美容効果が期待できる?お米のとぎ汁の栄養

お米をといだ際に出る白い濁り水、いわゆる「とぎ汁」には、米ぬかに含まれるデンプンやビタミン、ミネラルなどさまざまな栄養素が溶け出しています。主な栄養素は以下のとおりです。
- ビタミンB1
- ビタミンB6
- ビタミンE
- 葉酸
- 食物繊維
- カリウム
- マグネシウム
- リン
ビタミンB1は、疲労回復を促すビタミンといわれています。また、免疫機能のサポートを担うビタミンB6や抗酸化作用が期待できるビタミンEなども含まれているのが特徴です。さらに、腸を掃除してくれる食物繊維や、体内では合成できないミネラルも豊富に含まれています。
これらの栄養素は、健康維持だけでなく美容のサポートにもつながる大切な栄養素です。そのため、からだの内側からの健康や美しさを意識している方は、お米のとぎ汁を積極的に活用するのがおすすめです。
お米のとぎ汁どう使う?3つのおすすめ活用術

お米のとぎ汁を活用する際は、以下の方法を試してみてください。美味しい食事づくりを助けてくれたり栄養価を高めてくれたりと、さまざまなメリットが得られます。
①ゆで汁に活用してえぐみを防ぐ
お米のとぎ汁は、野菜やお肉を下ゆでする際は、お米のとぎ汁を活用しましょう。とぎ汁にはデンプンが豊富に含まれています。デンプンは水に溶け出したアクを吸着してくれるため、とぎ汁で茹でることでえぐみが抑えられ、なまろやかな味わいに仕上がります。大根やたけのこの下茹でに活用しましょう。また、お米のとぎ汁は、油分が多くクセの強い食材の下準備にもおすすめです。モツや豚バラ肉などはとぎ汁で下ゆでをしてから調理すると、脂っぽさや独特のにおいをやわらげられ食べやすくなります。
②野菜を漬けて栄養価をアップ
お米のとぎ汁を浸かって、手軽に発酵食品を作ってみましょう。野菜の表面にはたくさんの乳酸菌が付着しており、とぎ汁に含まれる糖分を栄養源にして発酵が進みます。切った野菜をお米のとぎ汁に一晩漬けるだけで、免疫力を高める働きをサポートする発酵食品ができあがります。お米のとぎ汁で作る野菜漬けは、漬け汁ごと食べられるため栄養を無駄なく摂れるのがメリットです。
③味噌汁に入れていつもと違う味を楽しむ
いつもの味噌汁に少し変化をつけたいときは、お米のとぎ汁を加えてみるのがおすすめです。とぎ汁を使うことで、お米のほんのりとした甘みとまろやかさが加わり、普段とはひと味違った味わいが楽しめます。実は、香川県にはお米のとぎ汁を使った郷土料理「えびみそ汁」があります。とぎ汁がえびのうまみを引き立て、コクのある仕上がりになるのが特徴です。味噌汁をちょっとアレンジしたいときや、身体にやさしい味わいを求めている方にぴったりの活用法です。
お米のとぎ汁を活用する際の注意点

お米のとぎ汁で野菜のえぐみを防いだり漬物を作る際は、1回目のとぎ汁は捨てましょう。1回目のとぎ水には、お米に付着していたゴミや汚れなどが紛れ込んでいる可能性があります。そのまま漬け汁に活用すると、ゴミや汚れが料理に入ってしまうため、なるべく2回目や3回目のとぎ水を活用するのがおすすめです。
【参考文献】
日本食品標準成分表(八訂)増補2023年 穀類/こめ/[その他]/米ぬか
厚生労働省 健康日本21アクション支援システム ~健康づくりサポートネット~ ミネラル
ライター/菅理栄養士 山田佳奈子
約8年間保育園で献立作成や給食づくり、栄養相談に携わる。出産を機に「食に興味をもつ子を育てる」ことをより意識し、さらに食育活動に力を入れる。現在は、子育てをしながら執筆活動をメインに食と健康に関する情報を発信している。
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