【そのままの感情でOK!】精神科医が教える「ネガティブ思考」との上手な付き合い方

 【そのままの感情でOK!】精神科医が教える「ネガティブ思考」との上手な付き合い方
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精神科で外来を行い、6万人以上インスタやvoicyのフォロワーに対してHSP気質に関する発信、書籍刊行など幅広い分野で活動する精神科医しょうさんが、HSPやメンタルヘルスに関する身近なギモンを解説。生きづらいをラクにするためのヒントを連載形式で紹介します。

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私たちは日々、いろんな思考が頭の中を行き交います。楽しいこと、心配なこと、過去の後悔や未来への不安。そんな中で、「なんでこんなにネガティブなことばかり考えてしまうんだろう…」そんな風に悩んでしまった経験はありませんか?でも、ちょっと立ち止まって考えてみてほしいのです。ネガティブな思考は「悪いもの」ではなく、私たちの心が自分を守ろうとしてくれているサインでもあるんですよ。

ネガティブ思考のメリット

たとえば、心配事や後悔は、一般的にネガティブ思考としてとらえられていますよね。しかし例えば、心配事は「これから起こるかもしれないリスクに備えよう」と、心が教えてくれている状態。後悔が浮かんできたときも、「次は同じ失敗をしないようにしよう」という意図が隠れているのかもしれません。つまり、ネガティブな思考は心からのメッセージでもあるのです。このようにネガティブ思考は一概に悪いものではなく、時にあなたを助けるメリットにもなる場合があるんですね。もちろん、ネガティブ思考にとらわれすぎて動けなくなったり、自分を責め続けてしまったりするのはつらいこと。そのため、今日はネガティブな思考と上手く付き合う方法をお伝えしたいと思います。

ネガティブ思考との上手な付き合い方

ネガティブ思考を否定せずに「受け止める」

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最初にもお話した通り、ネガティブ思考を必ずしも否定する必要はありません。そのため「またネガティブな事を考えてしまった…」と自己嫌悪に陥るのではなく、

「私は今、こんなふうに感じているんだな」
「この考えは自分を守るためのものでもあるんだ」

このように、受け入れる意識を持ってみましょう。この意識がネガティブ思考と上手く付き合う上で非常に大切な一歩になります。それでも、どうしてもネガティブな感情を受け入れられないという場合はジャーナリングがオススメです。ジャーナリングとは書く瞑想とも言われ、ネガティブな感情と向き合うのにとても有効的な方法なんですね。

ネガティブ思考と向き合うジャーナリングの手順

ではネガティブ思考と向き合うジャーナリングの手順を解説していきましょう

STEP1「今、何を考えている?」と思考を書き出す

とにかく心に浮かんでいることを、正直に・そのまま・評価せずに書いてみてください。例えば…「また失敗しちゃった…」「どうせ私なんて」「周りの人はうまくやってるのに」書くときはきれいな文章じゃなくてOKです。また乱れてても、まとまってなくても大丈夫ですよ。

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STEP2「どんな気持ちがある?」と感情に注目する

思考と感情は、似ているようでちょっと違います。とても簡単に言うと

思考→知識や経験をもとに考えること
感情→物事や相手に対して自然にわき起こる気持ち

このステップでは、「思考」ではなく「感情」に意識を向けてみてください。例えば「悲しい」「焦っている」「罪悪感がある」「すごくイライラしている」といった感じですね。こんなふうに、自分の内側で起きている感情を、そのまま書き出してみましょう。

STEP3「自分にやさしい言葉をかける」

最後に、落ち込んでる自分に対して、やさしい言葉をかけてあげましょう。例えば「それだけ頑張ってたってことだよね」「そう思っても仕方ないよね」「明日はもう少し楽になってるかも」このような感じですね。

このようにジャーナリングを通して、頭の中のネガティブな思考を外に出して客観的に見つめることができます。ただ頭の中で「ネガティブをどうにかしなきゃ」と考えているよりも、ずっと自然に、自分を受け入れる感覚が育っていきますよ。ネガティブな思考と上手く付き合っていくには、少し時間がかかるかもしれません。でも、それで大丈夫。ゆっくりでいいんです。焦らず、自分の心に寄り添いながら、一歩ずつ進んでいきましょう。

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