【精神科医が教える】「関わると疲れる人」との距離の取り方
精神科で外来を行い、6万人以上インスタやvoicyのフォロワーに対してHSP気質に関する発信、書籍刊行など幅広い分野で活動する精神科医しょうさんが、HSPやメンタルヘルスに関する身近なギモンを解説。生きづらいをラクにするためのヒントを連載形式で紹介します。
こんにちは!精神科医しょうです。
「会議でいつも自分の意見ばかり押し通す同僚」
「休憩中にネガティブな話ばかりする友人」など
あなたの周りにはそんな関わると疲れてしまう人はいませんか?「正直言うと関わりたくない…」でも職場の同僚や上司など、どうしても物理的に距離を取る事が難しい人もいますよね。そんなときに役立つのが「心理的な距離を取る」という方法です。
心理的な距離を取るのが有効的な理由
なぜなら、物理的な距離を取ることが難しい状況でも、心理的な距離を取ることで、自分の感情やエネルギーを守ることができるからです。心理的に距離を取ることで、必要以上に感情移入をしたり、相手の言動に振り回されたりするのを防ぐことが可能になります。その結果、疲労感を軽減し、あなたの心の安定を保つ助けにもなるでしょう。また、心理的な距離を取ることで、相手との関係を冷静に捉える余裕が生まれ、必要なコミュニケーションを円滑に進めることができるようになります。このように物理的に距離をとることが難しい相手であっても、適切な心理的距離を保つことで、自分の負担を軽減しつつ建設的な関係を築ける可能性が広がっていくんですね。
試してみよう!心理的距離を取る方法
次のようなポイントを意識してみましょう。
①相手を客観視する
苦手な人に対して「なぜこんなことを言うのだろう」「どうして私ばかり」と感情的に反応してしまうと、より疲労感が大きくなってしまいます。そこで重要なのが「相手を客観視する」ことです。例えば、自己中心的な発言を繰り返す人に対して、感情的に反応せず、『そういう人なんだな』と割り切って考えるようにすることです。相手を客観的にみて、ただ単にその人特有の行動パターンだと受け止めてみるんです。すると、感情的な反応を抑えることができ、心理的に相手と距離を取る事もできるでしょう。
②自分の限界を把握する
自分の限界を把握するというのも、心理的に距離をとる上で重要なポイントだと言えるでしょう。「この人と接するとき、どこまでなら負担が少ないか」を自分で把握しておきましょう。例えば「10分くらいの会話なら耐えられる」「頻繁な連絡は避けたい」などなど…この人と接する場合、このシチュエーションが限界という明確なイメージを作っておく事が大切です。
また断りの境界線を明確にするのも、自分の限界を把握する上で大切です。例えば「個人的な相談には応じない」「2人での食事に誘われたときは断る」といったルールを自分の中で作ってみましょう。このルールを持つことで心理的に距離を取る事ができ、苦手な相手に過剰に振り回されるのを防ぐ事ができるでしょう。
このように、相手を客観視したり自分の限界を把握することで、無理なく心理的な距離を取ることができます。たとえ苦手な人がいたとしても、「距離を取る」という選択は冷たいものではなく、自分も相手も尊重するための大切な工夫なのです。ぜひ無理なく試して、あなたらしい心地よい距離感を見つけてくださいね。
AUTHOR
精神科医しょう
普段は精神科医として働きながら、InstagramやvoicyにてHSP気質に関する発信も行なってます。総フォロワー7万人以上の方々に対し、「他人軸ではなく自分軸で気楽に生きられる」をテーマに発信中。 自分軸になりたい方は是非、私の発信をのぞいてみてください♪ 書籍(https://www.amazon.co.jp/dp/4046060034)
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