手足のしびれの原因は脳だけじゃない?糖尿病神経障害の兆候とは|医師が解説

 手足のしびれの原因は脳だけじゃない?糖尿病神経障害の兆候とは|医師が解説
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甲斐沼 孟
甲斐沼 孟
2025-04-16

手足のしびれや冷え、これらは糖尿病に関連する合併症状かもしれません。医師が解説します。

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手足のしびれは脳だけじゃない?

糖尿病を罹患しているということは、心筋梗塞や脳卒中などに代表される大血管障害以外にも、糖尿病性神経障害をはじめとする、微小血管障害を引き起こすリスクを増大させると考えられています。

特に、糖尿病神経障害は糖尿病に関連する怖い合併症のひとつであり、糖尿病に特有の障害であり、主に高血糖状態が続くことによって細い微小血管が損なわれることで引き起こされます。

糖尿病性神経障害では、高血糖が持続することで手足の神経領域に異常所見をきたして、足先や足の裏部分、もしくは手指部位に痛みやしびれなど感覚的な異常症状が認められます。

糖尿病神経障害の兆候として、主に手足の領域において、左右対称性に症状が出現する特徴を有しています。

手足の痛みが慢性化して長期に継続するケース、あるいは病状が進行してしびれ感覚や知覚がさらに悪化する場合には、早期的に専門医の先生に相談するように心がけましょう。

糖尿病神経障害の治療策

糖尿病を有している患者さんの割合は世界的にも増加しています。

将来的に今後もますます罹患者数は増加することが予想されており、糖尿病を抱えている患者様が増加すると糖尿病自体の治療にかかる医療費が増える以外にも糖尿病の合併症の発生による生活の質低下などを始めとして様々な問題が生じます。

血糖値が高い状態が継続されると血液中に多量に存在するブドウ糖が血管の壁を傷つけることで、目や腎臓だけでなく、神経領域にも十分な血液が供給されにくくなり、網膜症や腎機能傷害、そして末梢神経障害など糖尿病の三大合併症を引き起こします。

糖尿病の患者さんでは、糖尿病性神経障害が原因で、足の冷え性や足先の痛みなどの症状を呈する場合が考えられます。

糖尿病における臨床症状は、非常に多種多様に及びますが、糖尿病に伴う神経障害の場合には、高血糖が持続することによる神経細胞の変化、そして動脈硬化性変化による神経細胞への血流不足から症状を呈すると判明しています。

したがって、これらの神経障害に関連する症状を改善・予防するためには、普段からの血糖コントロール、および動脈硬化の進展を予防する対策を講じることが重要な点となります。

また、糖尿病を罹患すると全身の毛細血管が傷ついてダメージを受けることで、手足の感覚や運動の機能を司っている自律神経系システムに悪影響を与えて、手足がしびれて冷えやすくなる症状が出現することがあります。

足のしびれや足の痛みだけでなく、足に違和感があるなどの症状を自覚した際は、糖尿病神経障害を引き起こされている可能性がありますので、速やかに専門医療機関で精密検査を受けましょう。

まとめ

血糖値が高い状態が続くと、血液中に多量に存在するブドウ糖が血管の壁を傷つけることで、神経領域にも十分な血液が供給されにくくなり、糖尿病神経障害を引き起こすことが知られています。

糖尿病の初期症状が出現したことに気づいた段階で早期に対処する必要性が高いと考えられます。

糖尿病神経障害の初期症状のひとつとして、足の神経が障害されて足にしびれ症状が自覚されて、特に両側の足先に左右対称に現れる感覚異常を始めとして指先から冷えていくような症状を覚えて少しずつ足の感覚が分かりづらくなることが知られています。

感覚が鈍くなると、怪我を負っても気付きにくくなり足先においてちょっとした創部から細菌など病原体が侵入して、足が感染しやすくなるのみならず、足部分の組織が壊死を起こして最悪の場合には切断を余儀なくされるケースもありますので、注意しましょう。

心配であれば、糖尿病内科など専門医療機関を受診しましょう。

今回の記事が少しでも参考になれば幸いです。

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