〈春こそ食養生!〉季節の食材「酸味」と「苦味」を取り入れるべき理由は


寒さが徐々に和らぎ、春の訪れを本格的に感じ始める4月。気持ちがわくわくする一方で、心身ともに不調を感じやすい時期でもあります。健やかな春を過ごすために、意識したい春の食養生をご紹介します。
春は、肝の機能を高めよう
春は、季節の変わり目で、ストレスにより自律神経のバランスが崩れやすい時期。季節に合った食事を取り入れたり、気分が落ち込みやすい方は、カラダを動かしたりして気を巡らせることも大切です。
私たちは、寒いときには辛いものを食べたいと思う方も多いはず。それは身体を温かく保つように、いつも知らず知らずのうちに身体に必要な食物を食べて生活していますよね。薬膳の考えでは、春を快適に過ごすには、「酸味」と「苦味」のある食材をとりいれることがススメられています。
まず、『酸味』は、食養生において春の季節に適した味とされています。「肝」は、自律神経系や新陳代謝の機能を担い、全身のエネルギーの流れをコントロールし、精神を安定させたりする役割があります。その「肝」がストレスダメージを受けると、情緒不安定・消化器系の不良・血行不良などを引き起こします。
春は冬に溜まった老廃物を排出し、新たなエネルギーを取り入れる時期ですが、酸味はその過程で生じる疲労感やだるさの軽減にも役立ちます。
また、酸味のある食材には、甘夏やデコポン、レモンなどの柑橘類や、お酢、梅干しなどがあり、これらは唾液の分泌を促して消化を助け、新陳代謝を活発にします。酸味には引き締める作用があり、体内の過剰な水分の排出を抑えたりする作用も期待できます。
酸味を日常の食事にバランスよく取り入れることで、季節の変わり目の体調管理に役立ち、心身の調和をサポートしてくれます。酸味の代表である柑橘系のフルーツは、「気」のめぐりをよくして、リラックス作用もあるので、間食などちょっとした時にも取り入れてみてもいいですね。
心身を整える春の食養生
春は、季節の変わり目で、気の急激な上昇に伴い、血液が体の上部に溢れ出して停滞しやすくなります。頭痛や鼻詰まり、めまいなどの「上半身の症状」が出やすくなるのもこの季節の特徴のひとつです。花粉症の症状の中でも、目の充血やかゆみ、鼻詰まりなど体の上部に血液が停滞することで起きる症状は、この「肝」の乱れに由来するものとされています。
「肝」の解毒の機能がうまくいかなくなることで、体内に余分な老廃物などが蓄積されて、重だるい疲労感を感じやすくなる場合もあります。春の養生で大切なことは、まずはこの「肝」の調子を整えていくことです。「血」を満たす性質のある、ほうれん草やナツメ、アサリなどの食材を意識的に食べましょう。
また、『苦味』は、新陳代謝を促して、体内にたまった余分な熱や水分を体外に排出する作用があります。春の野菜には、抗酸化作用のあるポリフェノールも多く含まれています。春の野菜で苦味のある、菜の花やタケノコ、アスパラガス、ふきのとうなどの旬な食材を上手に取り入れてみましょう。
食事以外にも、ウォーキングや、ヨガなどカラダを動かしたり、リラックスの時間をとって、ストレスを溜めないように意識して、心身共にに健やかに春をお過ごしになってください。
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