「管理職という地位を捨てても、ヨガ講師になりたかった」|仁平美香さんの転身ストーリー
――レギュラークラスに留まらずイベント出演や書籍の執筆など、仕事の幅広さに目を見張ります。多方面から求められるヨガ講師になるには、ヨガの知識以外にどんなスキルが必要と感じていますか?
「必要なのはズバリ、コミュニケーションスキルです。私が考えるコミュニケーションスキルは、社交性や巧みな話術ではなく相手と向き合い『察する力』。ポーズ中に無理をしていないか姿勢や呼吸、表情からも読み取り、気の利いた冗談が言えなくても生徒の緊張をほぐす声がけができれば十分。会社員時代を振り返ると、自分ファーストで物事を進めた時は上手くいかず、取引先も自分もよくなる一点を考えるとすべてが上手く回り出したことがありました。前職で自然と身に付いた相手の利益を考える視点が、ヨガを教えるうえで生かされています。ビジネスメールや名刺の渡し方も会社員を経たことでそつなくこなせていますよ。相手の信頼を得るには、社会人に必要な最低限の常識も身に付ける必要があると思います」
――現在指導者養成スクールに通っている生徒さんに伝えたいことはありますか?
「私が指導者養成スクールで必ず伝えるのは、『一度に多くを与えすぎない』こと。クラスは知識を披露するための先生のステージではなく、生徒さんが主役。自分が話したいことを伝えるより、相手が必要とする情報と消化可能なキャパシティを見極めて話してこそ、生徒さんの満足度は高まると心得て。あとは、指導者を目指さず自分の体作りのためにスクールに通う方もいますが、人に教えることで不明点が明確になり、必要な学びが見えてきます。家族や友達など身近な人に伝える気持ちを持って受講すると新たな発見があるので、人前に出ることを恐れずに教える体験をしてください」
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