心理学博士が考案|″人との距離感覚″を見つけるためのヨガプログラム

人間関係において、「ノー」と言えずにエネルギーを消耗してしまうことはありませんか? そんな時は、体の声に耳を傾け、コアのパワー、強さ、内なる安らぎとともに、自分の自然な限界を見つけ出して。心理学博士のボー・フォーブス先生に、「他者との境界線」のための心理的テクニックとヨガプログラムを教えていただきました。
境界線がもたらす喜び
綿密な計画を立てて境界線を定めたことがあるだろうか?
感情を吸いとられる友人とのディナーからどう8時きっかりに帰るか。もう1つだけと仕事を頼もうとする上司をどのように断るか。自分の持つ創造的な智慧を生かす時間をどうつくるか――にもかかわらず、結局はまた、計画からそれていることに気づいてしまう……ほとんどの人にこんな経験がある。
それは人類に共通しているのだ。だが、境界線を越えたり、それが侵されたりすることが頻繁にあると、健康が損なわれてしまう。ストレスを感じ、つながりを失い、病気にさえなるのだ。幸いなことに、境界線を明確にする方法は、ヨガとマインドフルネスに導かれるプラクティスによって学ぶことができる。するとそこから、健康、感情バランス、創造的充足感、人とのさらに強い結びつき、より大きな慈しみの気持ちなども生まれてくる。
境界線をテーマにしたブログや本では、それを単純に表すことが多い。エネルギーの消耗を感じたときには「ノー」と言えばいい、というように。そこでは境界線と何を行い、他人のどんな態度を我慢すべきかといった、外側への制限として捉えている。「イエス」と言って、その一線を踏み越えてしまうと、利用されたような気分になり、エネルギーを消耗してしまうというわけだ。最初はこれでもいい。だが、本当の意味でそのプロセスを理解し、適切な境界線を設定するためには、境界線をシステムとして考えることが役に立つ。