「きのこは冷凍すると旨味が増すって本当?」きのこを冷凍することでうまれる凄いメリット4選
さまざまな料理に活用でき、風味豊かな味わいが魅力のきのこ。私たちの食卓に欠かせない食材の一つですよね。しかし生のきのこは傷みやすく、大量に手に入った際などは保存に困ることも。そこでおすすめしたいのが、きのこの冷凍保存です。実はきのこを冷凍することで、おいしさや栄養価がさらにアップします。 この記事では、きのこを冷凍すべき理由についてご紹介します。
旨味が増す
きのこにはグアニル酸やグルタミン酸といった旨み成分が含まれています。冷凍することできのこの細胞組織が破壊され、さらに加熱調理することで旨み成分、とくにグアニル酸が生成され旨みが高まると考えられています。
冷凍してからじっくり加熱することで、より濃厚な味わいを楽しめるでしょう。
栄養価が高まる
きのこにはビタミンDやビタミンB群、カリウムなどの栄養素が豊富に含まれています。旨み成分がアップする仕組みと同様、冷凍することできのこの細胞が破壊されるため、これらの栄養素も摂取しやすくなると考えられます。
また、きのこには食物繊維の一種である「β-グルカン」が多いことも特徴の一つ。β-グルカンは、免疫力を高める効果が期待できる成分。冷凍することでβ-グルカンの量が増えたり効果が高まったりすることはありませんが、腸内環境の改善に役立つことで摂取しやすくなったビタミンやミネラルの吸収を高めることに役立つでしょう。
長期保存が可能になる
生のきのこは、冷蔵庫で保存しても数日で傷んでしまうことも。たくさん買っても結局傷ませてしまい、処分するハメになってしまったという経験がある方も多いでしょう。しかし冷凍保存すれば、約1ヶ月間保存が可能です。
きのこを冷凍保存しておけば、必要なときに必要なぶんを解凍して使えるので経済的にもメリットがあります。また旬の時期に購入して冷凍しておけば、いつでも旬の味を楽しめるのもうれしいポイントですね。
下処理の手間が省ける
石づきを取り除いたり、食べやすい大きさに切ったりしてから冷凍しておけば、調理の手間を大幅に省けます。
忙しくて食事の支度にあまり時間を取れない日でも、手軽にきのこ料理を楽しめるでしょう。冷凍したきのこの解凍方法もとても簡単。あらかじめ解凍しておく必要はなく、凍ったまま調理に使えるため、時短にもつながります。
まとめ
きのこを冷凍保存することで旨みや栄養価がアップするだけではなく、多くのメリットが期待できます。まだきのこを冷凍したことがない方は、ぜひ試してみてください。炒め物や汁物、煮物、パスタなどさまざまな料理に活用できます。
参考文献:
石黒 弥生, 藤原 しのぶ, 佐々木 弘子, 松本 仲子, 菅原 龍幸「冷凍した食用担子菌類の嗜好性」日本食生活学会誌 2006年 17巻 3号 p. 247-254
AUTHOR
鈴木亜子
管理栄養士/ライター。大学卒業後、主に医療機関に勤務。チーム医療の一端を担い、生活習慣病などさまざまな疾患の栄養管理に取り組む。得意分野は糖尿病で、療養指導や透析予防、重症化予防などを担当した経験も。現在は豊富な栄養相談経験を活かし、ウェルネス関連の記事執筆および監修に携わる。
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