夜中に目が覚めてしまう人は肉体疲労が足りない?今日からできる、2つの対策|睡眠コーチが回答
夜中に目が覚めてしまう〈中途覚醒〉。その原因のひとつに、肉体疲労が不足していることが挙げられます。今日からできる2つの対策について、睡眠コーチ・角谷リョウさんの著書『超熟睡トレーニング』(Gakken・刊)から抜粋してご紹介します。
夜間頻尿と並ぶ大きな原因は「肉体疲労の不足」
中途覚醒の理由として、夜間頻尿に並んで多いのが、「肉体疲労が足りていない」ということ。
頭脳労働をしている人の場合、脳は疲れているのに体は疲れていないために、脳と体の疲労度がアンバランスになっている人がほとんどです。たとえば、1日の歩数が4000歩未満の人の場合、中途覚醒する率がグンと上がります。
また、筋トレをしているか・していないかでも、中途覚醒の度合いが異なってきます。
普段から定期的に筋トレをしている人の中には、ジムに行って筋トレをした日は途中で起きることはないのに、ジムに行かなかった日は必ずと言っていいほど目が覚めるという人が少なくありません。
ではどうすれば、中途覚醒を解消することができるのでしょうか。簡単にできそうなものとして、以下の【1】【2】の2つをご紹介しましょう。
1.歩数を増やす
目安は最低でも4000歩、できれば8000歩以上を目指しましょう。
とは言え、自分がどれぐらい歩いているか、わざわざ数えることは難しいですよね。歩数計を買ってもいいのですが、スマホのアプリで十分です。
歩数のアプリにはiPhoneにもAndroidにも標準で付いています。アプリなら歩数がポイントになる『トリマ』や『楽天ヘルスケア』が有名で、活用している人も多いです。
もしもウオッチ型のウェアラブル端末があればそれを使うのもいいでしょう。計測するとおわかりいただけると思いますが、4000歩は意外とすぐに達成できます。
とは言え、わざわざウォーキングの時間を確保するのは面倒かもしれません。普段自転車で行くところを歩いていくとか、電車通勤の人であれば朝か帰りに1駅分歩くなど、あまり無理のない範囲で増やすようにするといいでしょう。
2.スクワットをする
筋トレでおすすめするとしたらスクワットです。スポーツトレーナーが「もし1つだけ筋トレをするとしたら何ですか?」と尋ねられたとしたら、みんな口をそろえて「スクワットをやってください」と言うでしょう。それくらいスクワットは、筋トレ効果があります。
と言うのも、体の大きな筋肉はほとんど下半身に集中しているからです。下半身の筋肉を鍛えることで、ホルモンの分泌が促される他、血液循環もよくなります。
スクワットは正しい姿勢で行ってこそ、筋トレ効果が期待できます。「なんちゃってスクワット」にならないよう、できれば全身が映る鏡か、鏡がなければ夜に限られますが大きなガラス窓の反射を利用して、姿勢をチェックしながら行うといいでしょう。
鏡やガラス窓の中心に1本テープを貼っておくと、チェックがしやすくなります。100均などで売っているマスキングテープでOKです。
基本は寝る1時間前、入浴前にこのスクワットをしてお風呂でリラックスというのが最も効果的です。
なお、スクワットはゆっくり10~30回程度行うのなら、睡眠に支障が出るほど交感神経のスイッチは入りません。むしろ日中ほとんど体を動かさない方などは、寝る前に10回程度スクワットすると、疲労困憊でそのまま寝られるという人もいます。
一般的に筋トレは寝る前にはいけないと言われていますが、それはジムでがっつりレベルの話であり、ちょっとしたものならほとんど問題ありません。
著者/角谷リョウ
1970年、名古屋生まれ。上級睡眠健康指導士。 NTTドコモ、サイバーエージェント、損保ジャパンなど160社以上、15万人以上のビジネスパーソンの睡眠改善をサポートしてきた実績あり。 認知行動療法や心理学をベースにした独自の睡眠改善メソッドによるサポートは評価が高く、講義・サポート依頼が殺到。 また、経営者1,000人以上の睡眠改善を通じて得た経験を活かし、現在は経営者特化型のサポートも実施中。 著書『働くあなたの睡眠術』は台湾・中国・韓国で翻訳出版されるなど、ベストセラーとなっている。 「人は、強制されても生活や行動は変わらない」をモットーに、楽しくみずから自分を変えたくなるようなサポートを追求している。LIFREE 株式会社共同創業者。著書に『働くあなたの快眠地図』(フォレスト出版)、『働く50代の快眠法則』(フォレスト出版)がある。2024年9月にYouTubeチャンネル「睡眠先生リョウ【仕事に超役立つ睡眠術】」を開設。
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ヨガジャーナルオンライン編集部
ストレスフルな現代人に「ヨガ的な解決」を提案するライフスタイル&ニュースメディア。"心地よい"自己や他者、社会とつながることをヨガの本質と捉え、自分らしさを見つけるための心身メンテナンスなどウェルビーイングを実現するための情報を発信。
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