【日照時間が身近く気分が沈む冬の養生法】日光浴と心経ストレッチで気持ちを前向きにする「五臓ヨガ」

内臓を養生して心身の健康を保つ「五臓ヨガ」

「五臓ヨガは、東洋医学の考え方とヨガを組み合わせたメソッドです。五臓とは肝・心・脾・肺・腎のことで、気・血・津液を生み出し、全身に巡らせる働きを担っています。気・血・津液は人が生きるために不可欠な基本要素で、東洋医学ではこれらが滞りなく巡ることで健康を維持できると考えられています。

気・血・津液を正常に巡らせるには、「量が充分であり」「システムが維持されていること」が重要で、そのためには五臓のバランスを保つ必要があります。五臓ヨガでは、経穴(ツボ)と経絡(五臓をつなぎ全身に広がる気・血・津液の通り道)を養生するヨガポーズを行い、五臓のバランスを整えて不調の軽減をめざします。
治療院などでの受動的なケアに加えて、能動的に動くヨガを行うことで体への関心を高め、セルフケアの一つとして五臓ヨガを取り入れてみてください」(藤本聡先生)

〈気・血・津液とは〉

・気
生きるために必要なエネルギーのこと。大気(呼吸)から得られる「清気」、食べ物から得られる「水穀の気」、親から受け継ぐ「先天の精」で構成。

 ・血
赤い液状で血液と似ていますが機能が異なり、東洋医学では栄養素と捉えています。

 ・津液
血以外の正常な水分(胃液、鼻水、涙など)で、きれいでサラサラの「津」と、ネバネバの「液」に分けられます。

うつ症状は心経の循環と関係あり。不良姿勢は要注意！

「冬季うつは季節性感情障害と呼ばれ、秋から冬にかけて発症するうつ症状を表します。これは、日照時間の変化による体内時計のズレが原因と言われています。また日照時間が短くなると精神を安定させるセロトニンというホルモンの分泌量が減少し、うつ症状を発症しやすくなります。朝起きたらすぐにカーテンを開けて、陽のあたる窓辺で5分程度過ごすルーティンを作るだけでも改善効果が期待できます。

うつ症状を東洋医学の観点から紐解くと心との関係が深く、猫背が続くと左右の胸の辺りを通る心経が詰まり気持ちが落ち込みやすくなります。だから猫背でデスクワークをしている人は要注意。デスクワーク中にどうしても猫背になる人は、折りたたんで丸めたバスタオルを椅子の座面奥にセットし、その上にお尻の後ろ半分をのせて座って。骨盤が立ち背骨が伸びて不良姿勢から抜け出せます。今回の五臓ヨガは心経が通る胸を開き、腕をストレッチするポーズを紹介します。腕を左右に思い切り伸ばし、じんわり熱くなったら心経の流れがよくなっているサインです」(藤本聡先生)

●冬季うつを予防する「五臓ヨガポーズ」

目的と効果:心経が通る胸と腕をストレッチして巡りを活性化する。

〈やり方〉

1.あぐらで肩の先に両腕を伸ばし、手のひらは上に向ける 。肩の高さで腕をキープするのがつらければ、こぶし一個分下げてもOK。

2.両手の指先を下に向けて手首を曲げる。指を開いてパーをつくり、手のひらを外に押し出し心経のストレッチを深める。片手ずつ行ってもOK。5呼吸×3回繰り返す。

〈プロフィール〉

藤本聡先生

鍼灸師、ヨガインストラクター、シンギングボウル、トレーナー、柔道整復師。大阪・心斎橋「B HAPPY美容鍼灸/TRAINING」で鍼灸・美容鍼灸やパーソナルトレーニングのほか、全国スタジオへの出張、インストラクターやセラピスト向けの講座を開講。五臓ヨガクラスは大阪・豊中の「岩塩ヨガスタジオ  四季」で実施。
「B HAPPY美容鍼灸/TRAINING」Instagram：@sa.to.shi.f　@b.happy3104
「岩塩ヨガスタジオ四季」Instagram：@ganenshiki