親がメンタル疾患かもと思ったら…どうやって医療機関に繋げればいい?精神科医からの3つのアドバイス

 親がメンタル疾患かもと思ったら…どうやって医療機関に繋げればいい?精神科医からの3つのアドバイス
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豊田早苗
豊田早苗
2024-10-26

家族が心の病気かも?と思って、病院受診を勧めるけど、上手くいかない!そんな時、皆さんは、どうしていますか?無理矢理連れて行くわけにいかないから、とりあえず、様子を見ることにするけど、このままで良いのかなぁ?と、大切な家族だから心配ですよね。

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病院受診を拒否された時、どうすれば良いのか?病院受診につなげる方法について紹介します。

参考にしてみてください。

1.本人が困っていることを聞き出す

病気を認識できていない人に、病気かもしれないから病院に行こう!と言っても、ピンときません。

それどころか自分を病気にしようとしていると余計に病院への受診を拒むことになります。

ですが、たとえ本人に病気の認識がなくても、例えば、夜よく眠れないとか疲れやすいとか物忘れが最近酷くなった等、困っていることがあるかもしれません。

病気かも知れないから病院に行こう!ではなく、例えば、うたた寝していることが多いけど、夜ぐっすり眠れている?など、本人が困っていることを聞き出し、その事について相談するために病院を受診してみるよう促してみましょう。

まずは、本人に寄り添う姿勢をみせる事が大切です。

2.精神科や心療内科にこだわらない

心の病気かも?と思った時に、受診する診療科は、精神科もしくは心療内科です。

ですが、心の病気は周囲が理解しにくく、「怠けているだけでは?」と誤解されたり、変な目でみられたりする事が残念ながらあります。

そのため、人目を気にして受診することに抵抗感を感じてしまう方も多く、家族が受診を勧めても拒否されてしまうことがあります。

特に、高齢者の場合は、自分が心の病気と認識出来なかったり、昔の精神科の悪いイメージから拒否されてしまうことが多いです。

そんな時は、精神科や心療内科にこだわらず、かかりつけの内科への受診を考えてみましょう。

いつもみてもらっている先生に「身体の方は問題ない。心の病気の可能性があるから専門の心療内科を受診してみる方がいいよ。」と言われたら、すぐに精神科や心療内科を受診するとならなくても、本人の中に「自分は心の病気なのかな?」と心の病気かもしれないという認識が生まれる可能性があります。

この病気を認識させることは、病院受診に結びつけるためには非常に重要です。

なぜなら、心の病気に限らず、自分が病気かも?と思うから、病院を受診するのであって、自分が病気と気づいていない人に、いくら病院受診を勧めても、受診するはずありませんから。

また、内科経由で、精神科や心療内科を受診させるようにすると、紹介状を持って精神科や心療内科を受診できるというメリットがあります。

本人が自分の病気について、あまり認識していない場合、精神科や心療内科を受診しても上手く自分の状態について話すことができません。

そんな時、内科の先生の意見や家族から聞いた日常での様子が書かれた紹介状は、非常に有益なツールとなります。

3.健康診断名目で誘う

困ったことを聞いても、特にない!等の返答で、病院受診につなげる事が難しい場合は、

最近、健康診断受けてないよね。一緒に受けてみない?等と、健康診断名目で病院受診を促してみましょう。

また、毎年受けている場合は、その時期に合わせて、今年も健康診断受けるの?いつ頃いく予定?等と受診予定をそれとなく聞き、自分も一緒に受けようかな?と一緒に行くことを話してみます。

健康診断名目で病院受診につなげた場合は、事前に健康診断を受ける病院に連絡して、受診目的が健康診断だけではない事を伝えておく必要があります。

また、先生に家族の家庭での状態を話し、相談するために自分も一緒に受けるようにする方が良いです。

まとめ

病気の認識があまりない家族を病院受診につなげる事は、なかなか難しく苦労することが多いかと思います。

ここで紹介した方法が少しでも参考になれば幸に思います。

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AUTHOR

豊田早苗

豊田早苗

鳥取大学医学部医学科卒業後、総合診療医としての研修及び実地勤務を経て、2006年に「とよだクリニック」を開業。2014年には「とよだクリニック認知症予防・リハビリセンター」を開設。「病気を診るのではなく、人を診る」を診療理念に、インフォームド・コンセントのスペシャリストと言われる総合診療医として勤務した経験を活かした問診技術で、患者さん1人1人の特性、症状を把握し、大学病院教授から絶妙と評される薬の選択、投与量の調節で、マニュアル通りではないオーダーメイド医療を行う。精神療法、とくに認知行動療法を得意とし、薬を使わない治療も行っている。



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