蕎麦だけだと不足する栄養素がある?管理栄養士が勧めたい、蕎麦と一緒に食べたい食材とは

 蕎麦だけだと不足する栄養素がある?管理栄養士が勧めたい、蕎麦と一緒に食べたい食材とは
鈴木亜子
鈴木亜子
2024-08-31

さっぱり食べられる蕎麦。低糖質でヘルシーなメニューの代表格ですが、蕎麦だけ食べ続けていると実は栄養が偏りがちです。栄養バランスをアップさせる、おすすめのそばの食べ方をご紹介します。

広告

そばの栄養価

まずはそばにはどのような栄養素が含まれているのか、おさらいしておきましょう。そばには炭水化物、脂質、たんぱく質のほかビタミンやミネラルが含まれています。

主な栄養素は以下のとおりです。

●糖質

●脂質

●たんぱく質

●食物繊維

●ビタミンB1

●ビタミンB2

●マグネシウム

●鉄

●亜鉛

そばのたんぱく質には、消化されにくい「難消化性たんぱく質」が多く含まれています。このたんぱく質は食物繊維のような働きを持ち、健康に有用な作用を示すことが知られています。

またそばのたんぱく質には、白米や小麦粉など他の穀類に不足しがちなアミノ酸「リシン(リジン)」が豊富です。そのため、穀類の中でも「良質なたんぱく質」を含む食材であるといえます。

さらに、そばに含まれる抗酸化物質として知られる成分がポリフェノールの一種「ルチン」です。ルチンには、毛細血管の強化による血流促進、生活習慣病の予防、若々しい肌を維持する効果などが期待されています。

そばだけだと足りない栄養素がある?

そばには体に不可欠な栄養素のほか、ルチンなども含まれる健康維持に役立つ食材です。しかしそばには含まれていない栄養素もあれば、そばだけでは必要量を補えない栄養素もあります。

例えばたんぱく質。そばにはたんぱく質が含まれていますが、肉や魚、卵、大豆製品などと比べると含有量は多くありません。ビタミンに至っては含まれていないものもあります。

そばだけを食べていては栄養不足に陥る可能性が高まるため、そばに不足する栄養素を補える食材と一緒に食べることが必要です。

手軽に栄養バランスアップ!そばと一緒に食べたい食材

そばに不足しがちな栄養素を補い栄養バランスをアップさせるためには、たんぱく質が豊富な食材とビタミン・ミネラルが摂れる食材をプラスしましょう。

たんぱく質が豊富な食材は、肉や魚、卵、大豆製品など。ビタミンやミネラルを補うには野菜や海藻類が欠かせません。

これらの食材をそばと一緒に組み合わせれば、栄養バランスはバッチリです。

栄養バランスのよいおすすめのそばメニュー

そばと組み合わせて食べたい食材を使った、おすすめのそばメニューをご紹介します。

月見納豆そば

<材料>

そば、卵、納豆、おくら、めんつゆ

納豆と生卵、刻んだおくら、納豆をのせた月見納豆そば。卵と納豆でたんぱく質を効率的に摂取できます。忙しい朝やランチにもぴったりな、お手軽メニューです。

きのこたっぷりつけそば

<材料>

そば、鶏肉、好みのきのこ(しめじ、えのき、しいたけ、まいたけ、なめこなど)、ねぎ、めんつゆ

鶏肉とねぎ、お好みのきのこをたっぷり入れた温かい汁でいただくつけそば。食物繊維が豊富なきのこ、たんぱく質の摂れる鶏肉はどちらも旨みたっぷり。栄養バランスに加え、食べごたえが欲しい時のおすすめの一品です。

きのこ蕎麦
photo by Adobe Stock

まとめ

そばは栄養価が高いうえ、そばだけでも食事として成り立ちます。しかし、そばに含まれていない栄養素、含まれてはいるもののそばだけでは必要量を満たせない栄養素もあります。

この記事でご紹介した食材やメニュー例を参考に、そばを美味しくかつ健康的にアレンジしてみてはいかがでしょうか。少しの工夫で栄養バランスをアップさせることができますよ。

 

【参考文献】

文部科学省|日本食品標準成分表2020年版(八訂)増補2023年

広告

AUTHOR

鈴木亜子

鈴木亜子

管理栄養士/ライター。大学卒業後、主に医療機関に勤務。チーム医療の一端を担い、生活習慣病などさまざまな疾患の栄養管理に取り組む。得意分野は糖尿病で、療養指導や透析予防、重症化予防などを担当した経験も。現在は豊富な栄養相談経験を活かし、ウェルネス関連の記事執筆および監修に携わる。



RELATED関連記事

Galleryこの記事の画像/動画一覧

きのこ蕎麦