ヨガの聖地・インドをめぐる親子の物語。映画『ガンジスに還る』が10月27日(土)公開!
インドの新鋭シュバシシュ・ブティアニ監督が弱冠27歳で手がけ、ベネチア国際映画祭などで賞賛された「ガンジスに還る」...10月27日(土)の公開日に先駆けて、一足お先に見どころをご紹介します!旅する気分で映画館に足を運んでみては?
ガンジス河畔、老いた父と息子の旅物語
ヒンドゥー教徒にとって憧れの聖地である、ガンジス河畔に位置するバラナシ。日本人観光客も多く訪れ、旅行者向けのヨガ教室なども人気を集めている場所だ。ヴェネチア国際映画祭をはじめ各国の映画祭ですでに高い評価を得ている『ガンジスに還る』は、バラナシを舞台にした珠玉の人間ドラマ。老いた父と忙しない日々を送る息子の旅を通して、インドならではの死生観を描き出している。
『ガンジスに還る』のあらすじ
ある晩、不思議な夢を見たことをきっかけに自らの死期を悟ったという老人ダヤは、聖地のバラナシに行くと言い出す。突然の思い付きを家族は困惑して止めようとするものの、頑固者の父は聞く耳を持たない。そこで、仕事一筋で忙しく働く長男のラジーヴが付き添って、バラナシへと向かうことになる。ふたりが宿泊するのは、ダヤと同じようにバラナシで火葬されてガンジス河に遺灰を流してもらうことを願う人々が集う施設「解脱の家」。
“死を待つ人の家”で出会った人たちとも交流しながら、父と子は最期の日々を過ごすが……。
父は死期を悟ったと語りながらどこか淡々と穏やかな表情を見せ、息子はふたりで食事をしているときも携帯電話を手離さない。おそらくこの地をふたりで訪れなければゆっくり話すこともなかったであろう親子は、ときに険悪なムードになりながらも本音をぶつけあう。少年時代には詩を書いていたが、父の愛情不足が原因であきらめてしまったと嘆くラジーヴに、「挫折を人のせいにするな」とはねつける父。そんな会話が、穏やかなユーモアとともに描かれている。
新進気鋭の若手監督とインドの名優に注目!
生と死が交錯する場所を舞台に、続いていく命の営みを描き出したのは、91年生まれのシュバシシュ・ブティアニ監督。聖地へ行くと言ってきかない父と仕事の狭間で葛藤する主人公、ラジーヴを演じるのはアディル・フセイン。『ライフ・オブ・パイ/トラと漂流した227日』『マダム・イン・ニューヨーク』『汚れたミルク/あるセールスマンの告発』など日本でも話題になった作品に多数出演しているインドの名優が、若き才能をバックアップしている。
朝日を浴びて多くの人々が沐浴をするガンジス河。歌とともににぎやかに遺体が運ばれる路地。日没から行われる夜の祭礼……。魅惑的なバラナシの光景を切り取った『ガンジスに還る』は、旅をする気分で映画館に足を運びたい一本だ。
『ガンジスに還る』
監督:シュバシシュ・ブティアニ 出演:アディル・フセイン、ラリット・ベヘル、ギータンジャリ・クルカルニ 10月27日より岩波ホールほかにて全国公開
©Red Carpet Moving Pictures
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