牛乳でお腹がゴロゴロする人は知っておきたい、新しいタイプのミルク「A2ミルク」とは?何が違う?
日本人では牛乳を飲むとお腹がゴロゴロしたり、いつもの調子と違うという方も多いと思います。そんな方にぜひ知ってほしい、新しいタイプの牛乳があることをご存知ですか?実は海外では新しいミルクのタイプが発売されて生活に浸透しています。今回は日本でも発売を開始しているA2ミルクについて管理栄養士が解説します。
なぜ牛乳を飲むとお腹がゴロゴロする人がいるの?
牛乳の中にはラクトースという糖質の成分が含まれています。通常ラクトースは小腸の「ラクターゼ」という消化酵素で分解されます。しかし、このラクターゼは成人になるにつれて少なくなる傾向があり、成人してから牛乳が体に合わなくなったという経験をされた方もいらっしゃると思います。ラクターゼが少なくなる以外にも、牛乳のβカゼインンタンパク質の影響でお腹がゴロゴロする方もいます。
牛乳は、チーズ・洋食・スイーツなどさまざまな料理に使用されているため、牛乳を使用した料理すべてを諦めてしまうのではなく、自分の身体に合った牛乳探しも大切です。
新しいミルク「A2ミルク」って何?
従来日本では牛乳を飲むとお腹がゴロゴロする方用にラクターゼで、事前に牛乳のラクトースを分解してある製品が主流でした。牛乳の約8割程度のラクトースを事前に分解してあるため、牛乳ではなく「乳飲料」という種類になります。ラクトースを分解した乳飲料は牛乳を主体としておりますが、牛乳以外の成分で栄養強化や本来の牛乳の風味に近づけて作っています。
乳飲料は癖を感じる方も多いため、自然の味で牛乳を楽しみたいという方には、近年、オーストラリア・中国・アメリカなどでβカゼインタンパク質の種類に着目したA2ミルクという新しいタイプの製品が発売されました。
牛乳のβカゼインタンパク質は遺伝子の違いからA1ミルクA2ミルクとタイプが2種類にわかれています。A2タイプのβカゼインタンパク質は、A1タイプの牛乳よりお腹のゴロゴロが軽減されることがわかっています。A2ミルクの栄養成分は従来の牛乳そのままで、加工や調整など行っていないため、お腹のゴロゴロ感がない方も問題なく飲めます。
どこで購入できるの?
現在、日本では、A2ミルクは大手スーパーマーケット・オンラインストアなどで購入できます。牧場などでも購入できるため、旅先でいままでは牧場のたのしみである新鮮な牛乳を諦めていた方も、A2ミルクが取扱のある牧場では一緒に飲むたのしみも増えるかもしれません。またA2ミルクの牧場は牛の飼育方法や餌にこだわりのある場所が多いのも特徴の一つです。
一般の牛乳と比較するとまだまだ流通量は少ないですが、1人ひとりが新しい食材や取り組みに目を向けることでより手に入りやすい環境も広がっていきます。スーパーで見分ける時は、A2ミルクの認証マークがついているミルクを目印にすると確実に選べますよ。
〈文献〉
Milk Containing A2 β-Casein ONLY, as a Single Meal, Causes Fewer Symptoms of Lactose Intolerance than Milk Containing A1 and A2 β-Caseins in Subjects with Lactose Maldigestion and Intolerance: A Randomized, Double-Blind, Crossover Trial
日本A2ミルク協会
AUTHOR
竹内寿美恵
保育園栄養士、スポーツ栄養士、国立病院にて臨床栄養を経験。さまざまな経験を積む中で、ストレスの軽減をし、心身共に幸せな生き方をしたいと心に決める。 そのために『食×栄養×ヨガ』を組み合わせたホリスティックな知識をより深く学ぼうとインドネシア、バリ島にてベジタリアン、ヴィーガン、ローフード、ヨガ栄養学の留学をする。 現在は栄養カウンセリング、ヨガインストラクターなどフリーランスの管理栄養士として活動。
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