エナジードリンクとコーヒー、カフェインが多いのはどっち？管理栄養士が教える、上手な摂り方

エナジードリンクのカフェイン量は？

エナジードリンクは多くのメーカーから販売されており、商品によって配合されているカフェイン量は異なります。そこで、エナジードリンク6商品の1回量、100mLあたりのカフェイン量をまとめたのが以下の表です。カフェインを含む飲み物の代表格であるコーヒーとも比較しました。

なお、エナジードリンクは開封後すべて飲み切ると考え、商品1本あたりのカフェイン量を1回量として示しました。また、コーヒーはカップ1杯（150mL）あたりのカフェイン量を1回量として使用しています。

100mLあたりで比較すると、ほとんどのエナジードリンクはコーヒーよりもカフェインが少ないようです。しかし、1回で飲む量で比較すると、ほとんどの商品がコーヒー1杯よりもカフェインを多く含むことがわかります。中には、商品1本あたりのカフェイン量が、コーヒー2杯分以上になる商品もあります。

エナジードリンクは1日1本～2本が安心

エナジードリンクに多く含まれているカフェインは、眠気覚ましの効果や利尿作用を持つ成分です。過剰に摂取すると、めまいや心拍数の増加、吐き気、不眠などの症状があらわれるおそれがあります。

現時点では、カフェインの摂取量について明確な基準は定められていません。しかし、海外での調査やガイドラインなどを参考にすると、健康な成人の場合、カフェインの1日あたりの摂取量は多くても400mgまでを目安にするのがよいでしょう。

エナジードリンクの場合、多くても1日1本～2本までを目安にすると安心です。パッケージに記載のカフェインの配合量をしっかりと確認し、一度に何本も飲まないように気をつけましょう。

エナジードリンクとの上手な付き合い方

エナジードリンクは、カフェインによる体調変化を考慮しながら、量や頻度が多くなりすぎないように日々の生活に取り入れましょう。ここでは、エナジードリンクを飲む際の注意点を紹介します。

体調の変化に気をつけながら飲む

カフェインの影響の受けやすさには個人差があり、少量のカフェインで体調が悪くなる方もいます。エナジードリンクをはじめ、カフェインの多い食品を摂るときは、自身の体調の変化に気をつけることが大切です。

カフェインに敏感な人、子ども、妊産婦、授乳中の人は避ける

カフェインによる影響が大きい人は、より体への症状があらわれやすくなります。エナジードリンクの場合、カフェインに対する感受性が高い人や、子ども、妊産婦、授乳中の人は飲まないことが推奨されています。

アルコールと一緒はNG

カフェインとアルコールを一緒に摂ると、カフェインの影響で、アルコールによる症状が隠れる可能性があるといわれています。本当は酔っているのに、酔いを感じにくくなるようです。そのため、気づかないうちにアルコールを摂りすぎてしまうおそれがあります。エナジードリンクとお酒は一緒に飲まないようにしましょう。

カフェインが多いほかの食品にも気をつける

エナジードリンク以外にも、コーヒーや紅茶、お茶など、カフェインを多く含む食品はあります。「エナジードリンクを飲んだ日は、コーヒーや紅茶を控えめにする」など、トータルのカフェイン摂取量が多くならないように工夫しましょう。

【参考文献】

・国立研究開発法人医薬基盤・健康・栄養研究所,「健康食品」の安全性・有効性情報　エナジードリンク

・農林水産省,カフェインの過剰摂取について

・食品安全委員会,食品中のカフェイン