【さつまいも】調理次第で栄養が変わる！？栄養を余すことなく摂る「調理法」を管理栄養士が解説

さつまいもに豊富に含まれる栄養素

さつまいもは、三大栄養素のひとつである「糖質」を豊富に含む食材であり、エネルギー補給に適しています。しかし、それ以外にも私たちの健康と美容に欠かせない栄養素も豊富に含んでいます。

代表的な栄養素は、現代人が不足しがちである食物繊維やビタミンC・B1・B6・E・葉酸・ビオチンなどのビタミン類、カリウム・マグネシウム・鉄などのミネラル類、ポリフェノールの一種のクロロゲン酸です。そして、便秘の予防改善を期待できるヤラピンという成分が含まれています。これは、カットした時に皮の近くに出てくる白い液体です。

美味しいさつまいも選びに押さえたい3つの点

皮がきれいなもの

皮の色が均一で鮮やかで艶のあるものは、新鮮な証拠でもあります。また、表面にデコボコや傷、斑点がないものがよいです。

見た目がふっくらしたもの

品種により太さや長さに多少差はありますが、持った時にずっしりと重みを感じるものがおすすめです。しっかりと実が詰まっている証拠です。

均一に並んだひげ根の跡が多いもの

ひげ根が硬かったり、多かったりするものは、筋張った繊維を感じで食べにくい場合が多いです。

栄養を逃さないさつまいも調理方法

調理方法を間違えてしまうと、せっかくの栄養素を捨ててしまうことにもなるため、気をつけましょう。

皮をむかない

便秘の予防解消やダイエット効果を期待できる食物繊維やヤラピンは、皮やその周りに豊富に含まれています。そのため、皮をむいて食べると摂取量が減ってしまうのです。皮のまま食べる場合は無農薬のものを食べることをおすすめします。しかし、手に入れるのが難しい場合、重曹やホタテパウダーで洗ったり、50℃洗いをするのもよいでしょう。

アク抜きしない

黒ずみ予防や苦味を抑えるために、アク抜きをして使用する場合もありますが、ヤラピンやクロロゲン酸が流出してしまいます。加えて、水溶性のビタミンCも溶け出してしまいます。もし、アク抜きをする場合、10分以内にするとよいでしょう。

干し芋にする

さつまいもを蒸した(茹でた)後に、食べやすい形にカットして、天日干しにするのが1番おすすめな調理方法です。蒸したさつまいもと比較すると、天日干ししたさつまいもは、食物繊維が約3.6倍、カリウムが約1.5倍、鉄が約3.5倍に増えます。

美味しく栄養価の高い干し芋の作り方

①さつまいもを水で洗い、蒸し器で竹串がスーッと通るくらいまで蒸す。弱火でじっくり時間をかけて加熱する方が、甘味が増すといわれています。

②お好みの大きさにスライスする。

③平ザルなどに重ならないように並べて、天日干しする。すいぶんが抜けて乾燥してきたらできあがり。天日干しが難しい場合、オーブンで焼いて乾燥させても問題なし。

干し芋で美味しいさつまいもライフを楽しもう

干し芋は、そのまま食べるイメージが強いかもしれませんが、炊き込みごはんやスープの具として使用するのもおすすめです。ちょっとひと手間必要にはなりますが、さつまいもが大量に手に入った時には、干し芋を仕込んでみてはどうでしょうか？保存性も増し、栄養価もアップするため、小腹が空いた時の救世主にもなりますよ。

ライター/管理栄養士　亀崎智子
管理栄養士×セラピスト（野菜ソムリエ・中級食品診断士 ）。食に関する講演や記事執筆・監修、体の本来の機能を取り戻すお手伝いをする整体のセラピストとして、家族丸ごと体の内と外にゆとりをつくるサポートを行っている。また、満月の日に、乾物と塩で作るふりかけと即席スープの素の製造販売も行っています。インスタグラム：kamegohan0528