【さつまいも】切り口から白い液体が…食べても大丈夫?管理栄養士が教える賞味期限の見分け方

 【さつまいも】切り口から白い液体が…食べても大丈夫?管理栄養士が教える賞味期限の見分け方
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山﨑礼絵
山﨑礼絵
2023-03-04

さつまいもは甘味があり、焼き芋、干し芋、スイートポテトなど間食としても食べやすい野菜です。日本人が不足しがちな食物繊維、ビタミンC、カリウムなど生活習慣病の対策には欠かせない栄養素も含まれています。その中でも、さつまいもに含まれるビタミンCはこわれにくく、効率よく摂れるのも魅力のひとつです。今回は、さつまいもを長持ちさせる保存方法や賞味期限の見分け方についてお伝えしていきます。

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さつまいもを少しでも長持ちさせる方法とは

野菜は、鮮度のよいものを選び、野菜の特徴にあった保存することが大切です。これから、さつまいもの選び方、保存方法のポイントをみていきましょう。

【選び方】
・皮の色が均一なもの
・傷がないもの
・ひげ根が少ないもの

ひげ根が多いと繊維が多く含まれる傾向があるため、口当たりの良さを求めるときはひげ根が少ないものを選びましょう。十分に乾燥し、固くて、重みがあるものほど良質です。傷があると、そこから傷みやすいので気をつけましょう。

【保存方法】

新聞紙に包んで風通しのよい場所に保存

さつまいもは、低温と乾燥に弱い特徴があります。貯蔵最適温度が13~15℃と高いため、冷蔵室に入れると低温障害を起こすため注意が必要です。乾燥しないように新聞紙に包むことがポイントです。保存期間は2週間が目安です。

「皮についた黒い液体」これは食べてOK!

さつまいもの賞味期限(おいしく食べられる期限)が切れると・・・

・しわしわになっている
・やわらかい
・全体や中身が黒や茶色
・酸っぱい臭いがする

さつまいもがしわしわになっているときは、乾燥して水分が抜けている証拠です。また、やわらかい場合も傷んでいる可能性が高いです。保存方法でもお伝えしましが、さつまいもは低温に弱く、低温障害をおこすと全体が黒くなる、中身が黒や茶色になります。

一方、皮の一部分に黒い液体がついている場合がありますが、これはさつまいもに含まれる成分で食べることができます。酸っぱい臭いがするときは、菌が繁殖している可能性が高いので、食べるのは控えましょう。

さつまいも
黒い液体が付いている場合がありますが、これはさつまいもに含まれる成分。
photo by photo AC

「切ったら白い液体が…」「緑色に変色」食べて大丈夫?

さつまいもの切り口から白い液体がでてきたことはないでしょうか?はじめてみたときは大丈夫か不安になりますよね。この白い液体の正体は、食品ではさつまいもしか含まれない「ヤラピン」という成分です。「ヤラピン」は便秘の予防に効果があります。「ヤラピン」はポリフェノールと共存しているため、白い液体は時間が経つと空気中で酸化されて黒色に変色します。また、さつまいもを調理している途中に緑色に変色する場合もあります。この変色は、ポリフェノールの一種である「クロロゲン酸」によるもので、体に問題なく食べることができます。「ヤラピン」による黒色の変色や「クロロゲン酸」による緑色の変色を防ぎたいときは、さつまいもを切った後、水にさらしてから調理に使うようにしましょう。

【参考文献】
1. 社団法人 農山漁村文化協会 . 地域食材大百科 第2巻 野菜 . 2010
2. 島本美由紀 . 野菜保存のアイデア帖 . 株式会社パイインターナショナル .2019
3. 高橋秀雄 . 新・野菜の便利帳 おいしい編 . 高橋書店 . 2016
4.農研機構「野菜の最適貯蔵条件」
5.農林水産省「サツマイモの栄養成分の特徴(とくちょう)をおしえてください。」
6.JAグループ、サツマイモ|とれたて大百科|食や農を学ぶ
7.農林水産省「さつまいもの切り口から出る白い液体はどんな働きがあるのですか。」  
(すべて2023年2月16日閲覧)

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AUTHOR

山﨑礼絵

山﨑礼絵

管理栄養士。島根県出身、3児の母。大学・大学院で、生活習慣病について研究。卒業後、製薬会社勤務を経て、「食」の大切さを人に伝えていきたいという想いから、管理栄養士を取得。オンライン栄養指導、行政栄養士を経験。現在、特定保健指導、健康・栄養分野の執筆などで活動中。



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