【キャベツ】切った断面や葉の一部が黒ずんでいる…食べられる?管理栄養士が教える賞味期限の見分け方
キャベツは甘みがありアクがないので、そのまま生でもおいしく食べることができます。春キャベツと冬キャベツがあり、一年中楽しめる野菜の1つです。それぞれの特徴を生かして、春キャベツはやわらかくサラダなど、冬キャベツは葉がしっかりとしており鍋などの煮込み料理に向いています。今回は、キャベツを長持ちさせる保存方法や賞味期限の見分け方についてお伝えしていきます。
キャベツを少しでも長持ちさせる方法とは
野菜は、鮮度のよいものを選び、野菜の特徴にあった保存することが大切です。これから、キャベツの選び方、保存方法のポイントをみていきましょう。
【選び方】
・葉が多く重たいもの
・芯が大きすぎないもの(直径が500円玉程度)
・芯の高さは真ん中より低い
冬キャベツは持ったときずっしりと重く、葉の巻きが詰まってかたいものがみずみずしいです。一方、春キャベツは軽くて、葉の巻きがふんわりと軽いほうがよいとされています。芯の太さは、500円玉より大きいと成長し過ぎている証です。また、カットされて芯がみえるキャベツの場合は、芯の高さで成長の度合や収穫の時期を推測できるため、芯の高さをチェックしましょう。
【保存方法】
◆丸ごとの場合:包丁で芯を切り抜き、濡らしたペーパータオルを詰める。ポリ袋に入れ、芯を下にして保存
◆カットした場合:切り口にペーパータオルをかぶせる。ポリ袋に入れ、芯もしくは切り口を下にして保存
キャベツは乾燥に弱いので保湿をすることがポイントです。ポリ袋に入れて、外気にふれないようにしましょう。芯に入れる濡らしたペーパータオルはキャベツを使うごとに取りかえると鮮度を保ちやすくなります。保存期間は、丸ごとであれば野菜室で2~3週間、カットしたものは7日程度が目安です。
切り口が黒ずんでいる・・・食べてOK?
キャベツの賞味期限(おいしく食べられる期限)が切れると・・・
・外葉がしなしなしている
・切り口が黒ずんでいる
・茶色汁がでている
・酸っぱい臭いがする
キャベツは、乾燥すると水分が減りしなしなになります。特に切り口が、空気に触れると黒ずみます。その黒ずみはカビではなく、ポリフェノールが酸化されたことによる変色のため、食べても問題はありせん。また、冬キャベツの葉に黒い斑点がある場合も、温度変化による黒変症状であるため、食べても害はありません。ただ、カビ(ふわふわしたもの)、茶色汁がでている、酸っぱい臭いがするときは、菌が繁殖している可能性が高いので、食べるのは控えましょう。
葉が紫色を帯びているほうが、甘みが強い?!
外葉が紫色を帯びているキャベツよりも、青々とした緑色のキャベツを選んでいませんか?また、キャベツを切ると中の一部が紫~薄ピンク色になっていたという経験はないでしょうか?この紫色の変色は、ポリフェノールの一種である「アントシアニン」によるものです。寒い環境で育つとアントシアニンが作られ、さらに糖分も増えているので甘味が多い証と言われています。中身が薄いピンクになっている場合も、同様にアントシアニンの生成による変色です。ぜひ、捨てずに召し上がってみてくださいね!
【参考文献】
1. 社団法人 農山漁村文化協会 . 地域食材大百科 第2巻 野菜 . 2010
2. 島本美由紀 . 野菜保存のアイデア帖 . 株式会社パイインターナショナル .2019
3. 高橋秀雄 . 新・野菜の便利帳 おいしい編 . 高橋書店 . 2016
4.農研機構「野菜の最適貯蔵条件」
5.JAグループ、キャベツ|とれたて大百科|食や農を学ぶ
6.飯塚 正英. キャベツ内部黒変症状と細胞死の関係 . 園芸学研究. 2013, vol.12, no.1, p.109-114
(すべて2023年1月29日閲覧)
AUTHOR
山﨑礼絵
管理栄養士。島根県出身、3児の母。大学・大学院で、生活習慣病について研究。卒業後、製薬会社勤務を経て、「食」の大切さを人に伝えていきたいという想いから、管理栄養士を取得。オンライン栄養指導、行政栄養士を経験。現在、特定保健指導、健康・栄養分野の執筆などで活動中。
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