【長ネギ】切ったらヌルヌルしたゼリー状のものが…食べてOK?管理栄養士が教える長ネギの賞味期限
長ネギは、「根深ネギ」とも言われますが、白い部分は根でなく葉の一部であることはご存じでしょうか?白い部分は、土の中で育つので日の光が当たらず光合成が行われないため緑色にはなりません。葉先の緑色の部分は、β-カロテンが多く、緑黄色野菜になります。長さがある長ネギ、どう保存したらいいの?と悩む方もいらっしゃいますよね。今回は、長ネギの長持ちさせる保存方法や賞味期限の見分け方についてご紹介します。
長ネギを少しでも長持ちさせる方法とは
野菜は、調理されるまで成長を続けているため、鮮度のよいものを選び、野菜の特徴にあった保存することが大切です。これから、長ネギの選び方、保存方法のポイントをみていきましょう。
【選び方】
・葉先が鮮やかな緑色
・白い部分がみずみずしいもの
・緑と白の境目がはっきりしているもの
葉先は、収穫してから時間がたつにつれ、黄色に変色していきます。そのため、鮮やかな緑色のものほど鮮度が良いです。白い部分は土の中で育っており、緑と白の境目がはっきりしているほどしっかりと育った証です。
【保存方法】
ポリ袋の長さに合わせて切り、袋に入れて根元が下になるように立てて冷蔵室に保存。
ポリ袋に入れることで、乾燥を防ぐことができます。保存期間を延ばしたい場合は、びんなど筒状の容器に底から2cmほど水を注いで立てると10日ほど保存できます。水は、3日おきに取り替えます。
白い部分がやわらかい!早めに食べましょう
長ネギの賞味期限(おいしく食べられる期限)が切れると・・・・
・白い部分がやわらかく、しわが寄っている
・葉先の緑部分が黄色、茶色に変色している
・異臭がする
白い部分は、水分が減っていくと、やわらかくしわが寄ってきます。葉先は枯れていくと、緑色が薄くなり黄色に変色していきます。おいしさが減退しているので、なるべく早めに食べましょう。異臭がする場合は、菌が繁殖している可能性が高いので、食べるのは控えましょう。
切ったらゼリー状のヌルヌルが・・・正体は?
長ネギの緑色の部分を切ったとき、透明のゼリー状のものがでてきたことはありませんか。腐ってヌルヌルしたものがでてきていると勘違いして、捨てるのはもったいないです。この透明ゼリーの正体は、ネギに含まれる粘質物で、体によい働きがあります。もう少し詳しくお伝えると、この粘質物は、セミロース、ヘミセルロース、プロトペクチン、水溶性ペクチンなどの多糖類の複合体が水の存在でゲル化して、ゼリー状になったものです。これらの多糖類は、腸内環境を整えてくれる食物繊維です。その他、ゼリー状には糖類(フルクトース、グルコースなど)も含まれます。ゼリー状のヌルヌル部分も、ぜひ捨てずに食べてみてくださいね。
まとめ
冬の時期が旬の長ネギ。長ネギに含まれる「アリシン」は血行を良くして体をあたためてくれます。新鮮さを長持ちさせる保存方法を試し、体がポカポカと温まる長ネギ料理で寒い冬を楽しく乗りこえましょう!
参考文献:
1. 社団法人 農山漁村文化協会 . 地域食材大百科 第2巻 野菜 . 2010
2. 島本美由紀 . 野菜保存のアイデア帖 . 株式会社パイインターナショナル .2019
3. 高橋秀雄 . 新・野菜の便利帳 おいしい編 . 高橋書店 . 2016
4.農林水産省「ねぎの葉の内側の白いゼリー状(じょう)のものは何ですか。」
5.農林水産省「カンタン!長ネギのベーコン巻き」
(すべて2022年12月19日閲覧)
AUTHOR
山﨑礼絵
管理栄養士。島根県出身、3児の母。大学・大学院で、生活習慣病について研究。卒業後、製薬会社勤務を経て、「食」の大切さを人に伝えていきたいという想いから、管理栄養士を取得。オンライン栄養指導、行政栄養士を経験。現在、特定保健指導、健康・栄養分野の執筆などで活動中。
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