【さつまいも】保存方法は「冷凍」「冷蔵」どちらが正解?旨味を損なわない保存法を解説

 【さつまいも】保存方法は「冷凍」「冷蔵」どちらが正解?旨味を損なわない保存法を解説
photo by 写真AC

最近は焼き芋専門店が多く展開されたり、さつまいもフェスなどが開催されるなど話題になっています。さつまいもは甘くておいしいことは知られていますが、栄養素や保存方法によって身体に嬉しい効果があるということは知らない人も多いのではないでしょうか。今回はさつまいもの栄養やオススメの保存方法をご紹介します。

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さつまいもの栄養

食物繊維

さつまいもには水に溶ける水溶性食物繊維(腸内環境を整えてくれる)と水に溶けない不溶性食物繊維(水分を吸収し膨らみ腸を刺激する)の2種類が含まれています。腸内環境が整うことでお通じが良くなることが期待でき、肌の調子も良くなることが期待できます。

ビタミンC

ビタミンCはコラーゲンを作ることに必要な栄養素で強い抗酸化作用があります。ホルモンの合成を促進したり、鉄の吸収を助けたりメラニン色素の沈着を防いでくれる働きがあります。さつまいものビタミンCはでんぷんにガードされているため熱で壊されにくい性質をもっています。

カリウム

身体の中の余分な塩分を排出してくれるはたらきがあります。むくみにはカリウムを摂ることを勧められるのはこのためです。カリウムを逃がさず摂取したいときは、温かいスープにするのがオススメです。

ヤラピン

ヤラピンはさつまいもを切ったときに出てくる白い液体のことです。腸のはたらきを良くしたり、便を柔らかくしたり腸内環境を助けてくれます。さつまいもは食物繊維とこのヤラピンの相乗効果で腸内環境に良い効果をもたらしているのです。

その他の栄養素

さつまいもには他にも、葉酸やβ‐カロテン、カルシウム、マグネシウムなども含まれていて栄養価の高い食材です。

さつまいもオススメの保存方法とは

さつまいもの保存方法は常温・冷蔵庫・冷凍と様々な保存方法があります。ですが今回は特にオススメの保存方法を紹介します。それはズバリ!冷凍保存です。常温や冷蔵保存だと日持ちがしなかったり色が黒くなったりと保存が難しいです。なので温度なども気にせずに長期保存でき品質も保ったままの冷凍がオススメなのです。冷凍保存をするときのポイントは焼き芋など加熱したものを冷凍することです。

冷凍庫
特におすすめの保存方法は「冷凍」 photo by 写真AC

冷凍保存の方法

・焼き芋は冷めるまで待つ

・水気がある場合はキッチンペーパーなどでしっかりふき取る

・食べやすい大きさに切って一つずつラップし、ジップロックなどに入れる

マッシュしてからジップロックに入れてしっかり空気を抜いてから冷凍保存も可能。離乳食からコロッケやサラダなどにも使えて便利です。

保存期間の目安

冷凍保存する場合は1か月以内に食べきるようにしましょう。水分が残っていると霜になってしまうため、品質が落ちてしまいます。なので保存するときにしっかりと水分をふき取ることがポイントです。

焼き芋を冷凍する嬉しい効果とは

さつまいもは低GI食品といわれています。GI値とは、食後の血糖値の上がる様子を示す値で0から100の範囲で示されます。GI 値が高い食品ほど血糖値が急激に上がりやすく低い食品は緩やかに上がっていきます。さつまいもは長い時間加熱するにつれ、高GI食品へと変化してしまいます。今大人気の焼き芋がまさにそれです。焼き芋のGI値は80ほどなのでかなり高くなってしまいます。

しかし冷凍保存することでその値を下げることができるのです。なぜ冷凍するとGI値が下がるのかというと、さつまいもに含まれるでんぷんは冷やすと「レジスタントスターチ」という物質に変わるからです。レジスタントスターチは食物繊維と同じはたらきをし、血糖値やコレステロールの上昇を抑えるはたらきがあるといわれています。腸内の善玉菌のエサにもなりお通じの改善にも期待できます。

冷凍焼き芋の食べ方

冷凍保存した焼き芋は冷蔵庫で解凍、もしくは電子レンジで解凍する方法があります。冷蔵庫だと時間がかかりますがじっくり解凍でき、さつまいものうま味成分を維持できおいしさを保つことができます。冷たい状態でシャーベットのように食べることもできます。電子レンジだと時短できますが急激に加熱されると、うま味が損なわれてしまうため解凍モードがオススメです。

まとめ

さつまいもの栄養・オススメの保存方法について紹介しました。食物繊維が豊富で生のさつまいも自体は低GI食品なので、調理法によってはダイエットしている方にもオススメの食材といえます。今大人気の焼き芋は保存方法によって、わたしたちの身体に嬉しいはたらきがあることが分かりました。焼き芋を食べる際はぜひ冷凍保存をしてから食べてみてはいかがでしょうか。解凍時間によっては冷たいシャーベットのような焼き芋も楽しめます。普段使いしやすい食材なのでぜひ食事に摂り入れてみてください。

参考文献:e-ヘルスネット 厚生労働省 国立健康・栄養研究所 日清製粉グループ 

              ウェルナビ Wikipedia

              『正しい知識で健康をつくるあたらしい栄養学』高橋書店

ライター/こばやしなつき
管理栄養士。病院での大量調理や栄養士業務を経験。高齢者福祉施設にて利用者様の健康マネジメントに携わる。妊娠を機に退職。妊娠中に食事の大切さに改めて気づき、こども・ママ・家族みんなが笑顔で過ごせるようサポートしたいと思うように。現在は妊娠中の食事やこどもの栄養について情報を発信。栄養や健康に関する記事執筆などを行っている。

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AUTHOR

NS Labo(栄養サポート研究所)

NS Labo(栄養サポート研究所)

全国の栄養士、管理栄養士をサービスパートナーとして、健康やダイエット、美容関連の 商品開発や監修、講演やコラム執筆、メディア出演などウェルネス分野を中心に幅広く事 業を行っている。 また、2020年に「ウェルネスライフコーチ協会」を立ち上げコミュニティを通して健康貢 献活動を行っている。



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