人と地球にやさしいコスメを応援する「サステナブルコスメアワード2023」気になる受賞ブランドは?

 人と地球にやさしいコスメを応援する「サステナブルコスメアワード2023」気になる受賞ブランドは?
サステナブルコスメアワード2023
林ゆり
林ゆり
2024-03-07

人にも地球にもやさしいコスメを表彰する「サステナブルコスメアワード」。2019年に、国内で初めて化粧品およびファイントイレタリー分野におけるSDGs視点での評価審査基準を制定した国内唯一のアワードとしてスタートし、今年5年目を迎えました。2023年の受賞ブランドの授賞式が合同展示会「NEW ENERGY」の会場で開催されました。

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「2030年まで」という期間限定のコスメアワード。その意味とは

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画像提供:サステナブルコスメアワード事務局

サステナブルコスメアワード」は、2030年には終了することを公に宣言しています。その理由は、「2030年には、人にも地球にもやさしいコスメが当たり前の時代になっていると信じているから」。環境省「つなげよう支えよう森里川海プロジェクト」のアンバサダー有志が発起人となりスタートしたこのアワードは、環境・メディア・化粧品などのさまざまな分野から専門家を審査員として招き、さらに学生を審査員兼事務局スタッフに起用して運営。成分をはじめ、原料生産・製造・販売・流通・消費・廃棄といったあらゆるプロセスを含めた製品のサイクル全体が審査の対象になっています。

プロダクトが作られるところから消費者の手に渡り、使われるまで、そのすべての工程が審査対象ということもあり、第一次審査では、多くの項目に回答する必要があります。約90もの項目があり、エシカルなものづくりに真摯に取り組んでいるアイテムだけが、第二次審査へと進みます。

アワード史上初となる2年連続GOLD賞など魅力的な受賞コスメ

サステナブルコスメアワードは、GOLD、SILVER、BRONZEのほか、企業賞、審査員賞として、地方創生部門、アップサイクル部門、カーボンニュートラル部門、ダイバーシティ部門、インターナショナル部門、ニューフェイス部門、コストパフォーマンス部門、インクルーシブデザイン部門、メイクアップ部門があります。それぞれの受賞アイテムは、サステナブルコスメアワードのサイトで確認できますが、ここでは、GOLD、SILVER、BRONZEを受賞した3つのブランドをご紹介します。

GOLD賞:「Kruhi」ALWAYS NEW BALM

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「Kruhi」ALWAYS NEW BALM

昨年、ボタニカル石けんシャンプーとボタニカルトリートメントの2アイテムでGOLD賞を受賞したブランド「Kruhi」のALWAYS NEW BALMが、GOLD賞を受賞しました。同じブランドが2年連続で受賞するというのは、アワード史上初めてのことです。

ブランドを手がけているのは、俳優の井浦新さん・あいさんご夫妻。「石けんシャンプーとトリートメントを作っているファクトリーに通っているときに、ハイビスカスローゼルを植えている農家さんに出会ったこと」がきっかけで、バーム開発が始まりました。ニンニク栽培のためだけに植えられているローゼルをなにかに使えないかと調べてみたところ肌や健康に良いことがわかり、ローゼルのバームを作ろうと開発がスタート。ローゼルエキスと水分をホイップするという特殊製法でバームができ上がりました。「Kruhiの製造をお願いしているファクトリーがある鹿児島県南大隅町は緑が豊かな場所。その土地では月桃をキズにぬるという習慣もあり、せっかくなので月桃でもバームを作ろうということに」。自然由来成分100%でケミカルフリー、そして2種類のバームがひとつの容器に入ったユニークなプロダクトが完成しました。2種類のバームは、それぞれつけても混ぜて使っても良いそう。バームでありながらサラッとなじむ使い心地で、9種類の天然精油からつくったオリジナルアロマ「キャンディフォレスト」の香りに癒されます。

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「Kruhi」のALWAYS NEW BALMが2年連続GOLD賞受賞。画像提供:サステナブルコスメアワード事務局

SILVER賞:「パルセイユ」プラレスソリッドヘアシャンプー

「パルセイユ」プラレスソリッドヘアシャンプー
「パルセイユ」プラレスソリッドヘアシャンプー

固形シャンプーながら触感がかなりユニークで驚かされるのが、SILVER賞を受賞した「パルセイユ」のプラレスソリッドヘアシャンプーです。商品名の「プラレス」という名前が示す通り、脱プラを目指し、「プラスチック容器を使用せずに商品化できる固形シャンプーを」という思いで、2年の歳月をかけて研究開発が行われました。農薬を使用していない地元芦屋町産の赤紫蘇などの植物エキスを配合し、環境への配慮はもちろん、使いやすさにもこだわっています。つきたてのお持ちのような独特の弾力があり、泡立て時に手を滑らせず、しっかりと握ることができます。泡立ちにもこだわり、リンスなしでOKという手軽さ。洗髪時の水の使用量も減らせ、地球への配慮が伝わるシャンプーです。洗い上がりはふんわりソフト。ビターオレンジ、ラベンダー、ローズマリー等の精油をブレンドした甘くスパイシーな香りで、気持ちもリフレッシュさせてくれます。

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触感もユニークな「パルセイユ」プラレスソリッドヘアシャンプーがSILVER賞。画像提供:サステナブルコスメアワード事務局

BRONZE賞:「ソフィスタンス」アドバンスト(保湿美容液)

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ソフィスタンス アドバンスト(保湿美容液)

江戸時代から200年続く蔵元の杜氏が作る米ぬか発酵液を独自配合してつくられる「ソフィスタンス」のアドバンスト(保湿美容液)が、BRONZE賞を受賞しました。このプロダクト、なんと背景には「葛飾北斎」の存在があるというから驚きです。「葛飾北斎が60代頃に体調を大きく崩したことがあり、その時に彼を救ったとされる柚子と日本酒を煮詰めて作った薬のレシピを再現し、スキンケアコスメに活かしました」(開発者・河原れんさん)。その柚子の薬がなければ、かの有名な「冨嶽三十六景」は描かれなかったとのこと。その北斎のレシピに日本酒が使われていることから、発酵が神事とされた時代から受け継がれた伝統的な技法で仕込む発酵液に着目し、5年間長期熟成させ、優れた成分を凝縮。この発酵液に加え、柚子エキスや踊子草エキスをプラスし、肌の常在菌を整えることで、揺らぎにくい肌に導いてくれます。また、バルク製造、充填、パッケージ製造工場はCO2削減、地域の水質保全に取り組む作り手を採用しているほか、パッケージの紙材には衣類の廃棄物をリサイクルしたCCFペーパーなど、環境に配慮した素材を使用しています。

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BRONZE賞は葛飾北斎のレシピからインスピレーションを受けた「ソフィスタンス」アドバンスト。画像提供:サステナブルコスメアワード事務局

思いが詰まったプロダクトは世界を救う

「大量生産できなくても、ものづくりのストーリーや良さを語りながら伝えることで、地球(世界)を救えると信じています」と、特別顧問で環境省前事務次官の中井徳太郎さん。地球と一緒に歩んで行こうという思いが詰まったものを選ぶことで、自分自身も環境に配慮した生活を送ることができます。受賞した製品の中から、お気に入りを見つけてみてはいかがでしょう。

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林ゆり

林ゆり

ロハスジャーナリスト。フリーアナウンサー。 関西を中心にテレビ、ラジオ、舞台などで活動後、東京に拠点を移し、執筆も始める。幼いころからオーガニックに囲まれて育つ。LOHASを実践しながら、ファッション、コスメ、食べ物など、地球にやさしく、私たちにもやさしいものについてライフスタイルマガジンやブログで発信中。



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