オーストラリアの大地の恵みがもたらす、健やかな自然との共生|地球とビューティvol.19

SAIPH

オーストラリアの大地の恵みがもたらす、健やかな自然との共生|地球とビューティvol.19

横山正美
横山正美
2022-01-20

美しくなることは、地球に優しいこと——これからの時代に必要なのはそんなポリシーだ。日々目まぐるしく変化する環境や世界情勢の中で、ビューティーに対するこれまでの価値観が大きく揺さぶられている現在。独自の美を創造することにいち早く乗り出した先駆者たちに聞く、ビューティービジネスと環境への取り組みとは。

メルボルンのビーチに佇む、色鮮やかな「小さな家」にインスパイアされて誕生したヘンプシードオイル配合のBathing Shed(ベイシングシェッド)。そして、従来の敏感肌用化粧品の観念を覆すCBD配合のラグジュアリーブランド・SAIPH(サイフ)。両者とも、ここ数年ビューティーシーンで大注目の成分をメインに配合&誕生した今話題のブランドだ。「できれば、大都市近郊のビーチで毎日リラックスしていたいーーオーストラリア人はいつもそう思っています。メルボルンに隣接するポート・フィリップ・ベイは、穏やかな海で、泳いだりセーリングなどが楽しめるので、とても人気です。そんなリラックスしたライフスタイルを体現しているのが、このブランドです」と語るのは、両ブランドをディレクションするオーストラリア人のニコラス・ムルケーヒー氏。そこで今回は、注目の成分を配合した最新2ブランドに焦点を当ててみたい。

CBDとヘンプシードに着目した2つのブランド

——昨今の世界的なクリーンビューティームーブメントの中で、CBDを採用したSAIPH(サイフ)とヘンプシードオイルを配合したBathing Shed(ベイシングシェッド)は、ユニークなポジジョンを確立しています。まずはブランド設立の経緯と、化粧品を通じて訴えたいことを教えてください。

「ベイシングシェッド」は、オーストラリア本土の南に位置する美しい島・タスマニア産のコールドプレス製法によって抽出されたヘンプシードオイルを採用しているブランドです。最近化粧品業界で注目されているCBD は、日本や香港では100%合法ですが、 実はオーストラリアでは制限があることから、ベイシングシェッドの製品には使用していません。

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タスマニアの美しい自然の中でコールドプレス製法で抽出されたヘンプシードオイルは、「ベイシングシェッド」の核だ。

私たちがヘンプシードオイルの着目した理由は、肌にとても良いとされている点です。THC(中毒性のある分子)を除外したCBDは、、肌の炎症を落ち着かせたり、ニキビを軽減したり、うるおいを与えるといった作用があるとされています。一方でヘンプシードは、日本でも古くから七味などに配合されているなど、食用としても親しまれています。ちなみに私たちが採用しているヘンプシードオイルは、地球上で最もヘンプの栽培に適していると言われているタスマニアで栽培された原料を加工したものです。

「ベイシングシェッド」は単なるオーストラリア発の化粧品の域を越え、気取らないオージーライフスタイルそのものを体現するブランドです。誰かが決めたルールに乗っ取るのではなく、あくまでも私たちと化粧品科学者の研究に基づいて、本当に肌が必要とする成分だけを配合することが、私たちなりの「クリーンビューティ」へのアプローチでもあります。

一方「サイフ」誕生の背景は少し違います。世界の化粧品業界では、この3年間で多くの CBD ブランドが登場しましたが、単一の成分にはこだわるものの、テクスチャーや香りなど、化粧品を作る上で重要な要素を気に留めているところが少ないように見受けられます。トレンドの成分にだけ集中するとブランドが短命になりがちになってしまいます。そこで私たちはCBDについてさらなるリサーチを重ね、敏感肌の方に大きな可能性を持つ特定の作用があることを発見し、そこに香りなどの化粧品としてのラグジュアリーな価値をプラスしたのです。

SAIPH
「サイフ」製品化前のCBDアイソレートは、ブランドの命だ。

現在の敏感肌向けの市場には、ドラッグストア等で販売されているリーズナブルなメディカル系のもの、もしくはスタイリッシュではあるけれど、肌に刺激となりうる成分が配合されているもののいずれかしかありません。ですから、「サイフ」は敏感肌にも適しているとされるCBDを配合しながら、肌に刺激を与えないよう、精密に設計されています。さらに、2歳以上のお子さまからご使用いただけるやさしいエッセンシャルオイルをブレンドし、優しさの中にも上品で洗練された香りを実現しているところは、私たちならではの特徴でもあります。ちなみにブランド名の「SAIPH」は、オリオン座に位置する目立たない惑星の名前ですが、その目立たない星のように、自分の肌にあった製品に出会うのが難しい肌質をお持ちの方のためにデザインされたブランド、という意味を込めています。

——ベイシングシェッドにはヘンプシードオイルを、SAIPHにはCBDをメインに配合していますが、成分的に環境に配慮している点は何でしょうか?

私たちがヘンプシードオイルを選んだのは、美容面での効果のみならず、エコフレンドリーな素材だからです。ヘンプは非常に丈夫で、肥料を与えなくても育ちますし、殺虫剤や除草剤も必要なく、収穫後の畑には雑草が生えていません。また、家畜の飼料や衣料用の繊維にも利用されたり、空気中の二酸化炭素を吸収する能力にも優れているなど、その潜在的な能力は木よりも優れています。

CBD
世界一美しい場所にあるヘンプ栽培農地。

CBDも非常にエコフレンドリーな成分です。日本の法律においては、CBDは麻の茎と種から抽出されたものだけが使用を認められています。茎や種に含まれるCBD は濃度が低く、抽出工程に時間がかかるため、価格も高くなります。この「ピュアなCBD」には、他の分子は含まれていませんが、抽出の段階で分離された他の分子は、他の製品に使用されます。そのため、廃棄物を最小限に抑えているということに繋がるのです。

——化粧品を開発する上での困難点はどのようなことでしたか?また、それをどう克服しましたか?

実は私たちは挑戦することが大好きなのです(笑)。コロナ禍の2020 年に3つの新ブランドを立ち上げたときは、原料から輸送用コンテナ、チームメンバーなど、必要なものすべてを探し出すのが大変でした。ですが、メルボルン、東京、香港、シンガポール、ロンドン、サンパウロと、各国のスタッフがリモートで仕事をするなどして乗り切りました。丁寧なリサーチ、唯一無二のコンセプト、化粧品業界に精通した非常に優秀な人材、そして私たちの価値観を共有できるメンバーとの仕事でどんな難局も乗り切ってきたことです。

オーストラリアの気候変動から考えられたサステナビリティ

——化粧品と環境という視点から、ブランド独自でどのような取り組みをしていますか?また、そのきっかけも教えてください。

サステナビリティと環境は、オーストラリアではとても重要視されています。多くの日本人には周知の通り、オーストラリアの気候はとても極端です。山火事や洪水が頻繁に起きますし、夏の暑さも過酷を極めます。ですが一方で、南半球の冬にはスキーが楽しめる山もあり、広大な原生地域(オーストラリアの国土は日本の21倍)は、生物多様性に富んでいます。この雄大な大自然と生物多様性が、例年世界中の観光客を惹きつけてやまないことから、オーストラリア人は自分たちの唯一無二のこの場所を保護する術を学んできました。

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タスマニア島をはじめ、過酷な気候と豊かな生物多様性は、オーストラリアの特徴でもある。

そのため、当然ながら両ブランド立ち上げの際にはサステナビリティを非常に重視しました。具体的には、リサイクル可能なパッケージの採用とカーボンニュートラルという点です。そしてカーボンニュートラルであることは、同時に森林や湿地などの環境を整備するプロジェクトに投資していることを意味しています。森林や湿地に生息する植物は、製造や輸送などによって排出された空気中の二酸化炭素を自然の力で取り除いてくれます。両ブランドの立ち上げと運営で発生した全ての二酸化炭素を相殺するのに十分な量の「カーボンオフセット証書」に投資してきましたし、今後も継続して実施していきます。

SAIPH
「ベイシングシェッド」のインスピレーションソースとなったのは、海辺の小さな家。パッケージも、ビーチをイメージ。

一方で、「ベイシングシェッド」のデザインコンセプトは、私たちオーストラリア人がこよなく愛するビーチライフと密接に関係しています。そのため、ブランドを通じて「Clean Up Australia」という特別な組織に対し、売り上げの一部を寄付するなどのサポートをしています。そしてこの支援金は、数多くのボランティアが参加するビーチクリーン活動に役立てられます。

——化粧品のブランドとしては御社が初めてという環境に対するユニークな取り組みはありますか?

先の内容と重なりますが、私たちの環境への取り組みの数等は他に類を見ないものと自負しています。それに、世界最大の某化粧品グループは、2050 年までに100%カーボンニュートラルの実現を目指しているそうですが、私たちはブランド誕生当初からこれを実行しています。カーボンニュートラルでサステナブルな製品作り、そして「Clean Up Australia」への支援は、私たちならではの取り組みと言えるでしょう。

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ブランドがサポートする「Clean Up Australia」は、地球環境の保全への取り組みの一つ。

「純粋で良質なオーストラリア生まれの成分を通じて、オーストラリアならではのユニークなライフスタイルを世界中の人に届けたい。気取らず、寛大で大らかなオージー気質と確かな成分、そしてクリーンなアプローチが織りなすこのブランドは、世界で私たちだけのスタイルでもあります」と語るムルケーヒー氏。日々様々なブランドが誕生する世界のビューティーシーンに登場した「ベイシングシェッド」と「サイフ」は、今後の化粧品の方向性を占う注目の成分をメインに配合し、アロマの芳香とともにラグジュアリー感を追求したビューティ界の“ニューウェーブ”でもある。使うたびに肌が健康的な美しさを取り戻すのを実感する唯一無二のアイテムに、今後ますますファンが増えることだろう。

スポーツ&ヨガの後にオススメ

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ベイシングシェッド ソフトハンズナンバーワン(ハンドローション) 300ml ¥2,420/ベイシングシェッド 問い合わせ先:hello@bathingshed.com( https://bathingshed.jp/)

「ヨガのセッション後、手を洗った後にこの製品をぜひ使ってみてください。ジェル状のハンドモイスチャライザーだから、肌に素早く浸透してべとつきもありません」とムルケーヒー氏。使った後の肌はみずみずしく柔らかくてすべすべに。

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(左から)ハンド&ボディモイスチャライザー トランクィリティ350ml ¥3,990(税込) ハンド&ボディクレンザー アブルーション 350ml ¥3,410(税込)/ともにSAIPH(サイフ) 問い合わせ先:hello@saiphlife.com (https://www.saiphlife.jp/)

「よりラグジュアリーなケアをお好みなら、サイフの2品を。アロマの芳香が心を優しく癒しながら、マイルドな成分で肌を清潔かつなめらかに整えてくれます」。敏感肌を含むオールスキンタイプのアイテムだから、炎症やかゆみなどの不快感を軽減。肌を清潔に保つクレンザーに、肌のキメを整えながら、潤いで満たしてくれるモイスチャライザーは、ペアで使いたい。

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横山正美

横山正美

ビューティエディター/ライター/翻訳。「流行通信」の美容編集を経てフリーに。外資系化粧品会社の翻訳を手がける傍ら、「VOGUE JAPAN」等でビューティー記事や海外セレブリティの社会問題への取り組みに関するインタビュー記事等を執筆中。

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