「アルコールジェルなどの消毒液はいつまで使える?」使用期限と正しい保管&捨て方を薬剤師が解説

 「アルコールジェルなどの消毒液はいつまで使える?」使用期限と正しい保管&捨て方を薬剤師が解説
Adobe Stock
竹田由子
竹田由子
2023-09-22

感染対策、特に新型コロナウイルス感染症が流行っていた時には、どこの店でも家でも消毒をということで、沢山購入されていた方もいたのではないでしょうか?新型コロナウイルス感染症が5類に移行した後に、消毒薬が余ってしまったという人も多いとおもいますが、消毒薬については、正しく保管しないととても危険です。今回は、アルコールジェルなどの消毒薬の保管方法や使用期限について解説いたします。

広告

消毒用アルコールの使用期限は?

消毒用アルコールの使用期限は未開封で3年です。開封した製品に関しては使用期限が定められていませんが、メーカーによっては半年が目安とHPで説明しています。

そのため、未開封なら3年、開封済みなら半年と考えるとよさそうです。

消毒用アルコールは危険物

消毒用アルコールは、エタノール濃度が70%以上が推奨されています。これは、第四類に分類される危険物に該当します。

また、80リットル以上の量を保管する場合は、消防署に届け出、もしくは申請が必要です。過去にたくさん買った方は在庫を確認しましょう。

80リットル未満の保存については届出が不要です。しかし保管の際は安全に充分注意が必要となります。

火気厳禁!保管場所に注意

アルコールは可燃性です。消毒用アルコールを直射日光の当たる場所や高温になる場所で保管すると、アルコールが熱せられて可燃性蒸気が発生して火災の危険があります。
保管の際は高温になりやすい車の中や、窓のそば、コンロのそばなどには置かないように注意しましょう。付近での喫煙など火気の使用は厳禁です。

火気がなく、通気性の良い直射日光の当たらない場所がよいでしょう。

火気厳禁
イラスト/Adobe Stock

捨てるときにも注意!

水に流して捨ててはいけません。
また、危険物なので容器のまま燃えるゴミなどに普通に捨てることは禁止されています。消毒液が入ったまま容器ごと捨ててしまうと、ゴミ収集車や焼却場で引火する可能性があるためです。

東京23区の場合は、液体やジェルそのままの状態では収集できません。
ごみとして回収してほしい場合は、『雑巾や古紙にしみこませて、乾燥させてから燃えるゴミ』に出しましょう。空になった容器は材質にあわせて分別しましょう。

また、大量に余って自分では処理しきれない場合は、薬品などを処理する専門業者に依頼しましょう。

余った場合は?

開封後時間が経って余ってしまった消毒用アルコールは、掃除などに使用するとよいでしょう。ただし、保湿成分入りのジェルはべたつきや変色の原因となるので、手指の消毒以外の使用は推奨されていません。安全に廃棄するようにしましょう。

参照:
東京消防庁|消毒用アルコールは正しく取扱いましょう!
前橋市|使用期限が切れたアルコール消毒液の取扱いについて
サイキョウファーマ|よくある質問

広告

AUTHOR

竹田由子

竹田由子

薬剤師、スポーツファーマシスト。2000年共立薬科大学(現:慶応大学)大学院臨床薬学専攻卒業後、病院で10年医薬品情報担当と病棟業務を兼任、その後家族の転勤で保険薬局や企業でも勤務し、医療安全に関わる。妊活を経て43歳・47歳で出産した2児のママ薬剤師でもあり、特に漢方薬剤師として記事監修や執筆、オンライン漢方提案に関わる。一方「生理の先生」としても活動開始し、妊活経験を合わせ女性の健康を支える養生サポートを行っている。



RELATED関連記事

Galleryこの記事の画像/動画一覧

火気厳禁