あなたの家の救急箱は「いざ」というときに使える?救急箱に入れておくべき常備薬とは|薬剤師が解説

 あなたの家の救急箱は「いざ」というときに使える?救急箱に入れておくべき常備薬とは|薬剤師が解説
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毎年9月は防災月間です。ある健康情報紙のアンケートでは救急箱を持っている人は8割でしたが、そのうちの7割は救急箱の中に“使用期限切れ”の薬が入っていたことがあると回答しています。 また、「常備薬として何が必要か分からない」、「常備薬を上手に使えていない」などのコメントも多く、いざというときに救急箱を正しく使えていない状況が明らかになりました。そこで、この記事では、救急箱に用意しておくと良い常備薬について解説します。  

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救急箱には何を入れておけば良いか?

救急箱には、

①急なケガをしたときに使用する外用薬や衛生用品
②定期的に使う薬
③夜間や休日ですぐに受診や薬の購入ができないときに使う薬

などを常備します。

ただし、常備薬はあくまでも応急処置として使うためのもので、2~3日しても回復が見られないときは、病院などを受診してください。

気づいたら救急箱が薬だらけに?

いつの間にか救急箱が、「余った薬入れ」になっていませんか? 少なくとも1年に1度は救急箱の中身を確認して、使用期限の過ぎた薬や開封時期や中身が分からないものは、すぐに処分するようにしましょう。未開封のものなら3年くらいは使用できます。

常備薬は使用せずにいると使わないまま捨てることになり、もったいないと思うかもしれませんが、転ばぬ先の杖と考えて、いざというときに使えるように準備しておくことが大事です。

また、病院で処方された薬が残ってしまい、救急箱に入れてとっておくという人がいます。しかし、医師や薬剤師の指示がなく使用すると重篤な副作用につながる恐れもあるため、絶対に使わないようにしてください。

救急箱を上手に整理するコツ

救急箱は、きちんと整理して、必用なときにすぐに取り出せるようにしておくことが大事です。例えば、内服薬と外用薬とを別々にすれば、誤飲の防止や外用薬の湿気による内服薬の変質を防ぐことができます。

また、常備する薬は人それぞれ異なります。大人用、子ども用、高齢者用などと分けておくとそれぞれに必要な薬がすぐに取り出せます。選び方が分からないときは薬剤師に相談してください。「お薬手帳」があれば、薬を選ぶときの参考となりますのでご持参ください。

救急箱
大人用、子ども用、高齢者用などと分けておくとそれぞれに必要な薬がすぐに取り出せます。
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理想的な救急箱とは?

救急箱に用意しておくものは、個人や家族構成などによって異なります。次のチェックリストをもとに、ご家庭で必要なものを考えてみましょう。なお、常備薬を購入する際は、保管に向いた個別包装のものがおすすめです。

救急箱チェックリスト

【外用薬】

□ 消毒薬 
□ うがい薬
□ 目薬
□ 点鼻薬(鼻炎用)
□ 湿布薬
□ かゆみ止めの薬
□ 皮膚治療用軟膏
□その他(     )

 【内服薬】

□ 解熱鎮痛剤
□ かぜ薬(総合感冒薬)
□ せき止め薬
□ 下痢止め・整腸薬 
□ 胃腸薬
□ 便秘薬
□ 鼻炎治療薬
□ 乗り物酔い止め薬 
口 腔咽頭薬(トローチ・ドロップ)
□ その他 (     )

【衛生用品】

□ ばんそうこう
□ マスク
□ 滅菌ガーゼ
□ 包帯
□ 三角布
□ 脱脂綿    
□ 綿棒
□ サポーター
□ テーピングテープ
□ その他 (      )

 【その他備品】

□ 体温計
□ ピンセット
□ つめ切り
□ ハサミ
□ 毛抜き
□ カッターナイフ 
□ 懐中電灯
□ 氷のう、水枕
□ オブラート
□ 虫よけスプレー
□ その他 (     )

救急箱の保管方法

救急箱は直射日光や高温多湿の場所には置かず、誤飲などを防ぐために子供の手の届かないところで保管しましょう。また、年に1度は中身を確認して、使用期限切れや開封時期、何の薬か分からないものなどは、処分してください。

地震など災害のときに必要なもの

地震などの災害は、いつどこで起こるか分かりません。いざというのときのために「非常用持ち出し袋」も準備しておきましょう。下記のチェックリストを参考にしてください。

【非常用持ち出し袋チェックリスト】

□ 飲料水(水を汲んで入れるポリタンクもあると便利、折りたたみ式もあります)

□ 食品(アルファ米、レトルト食品、ビスケット、チョコ、乾パンなど)を最低でも3日分用意

□ 防災用ヘルメット・防災ずきん

□ 着替え(下着)、タオル、紙おむつ

□ 雨具(レインウェア)

□ 携帯用ラジオ(手動充電式が便利)

□ 懐中電灯(必要な電池も必ず別に準備しておきましょう)

□ 予備電池、携帯充電器

□ マッチ、ろうそく

□ 万能ナイフ(サバイバルナイフ)

□ 使い捨てカイロ(ガスや電気の供給が止まった時に、暖房の代用に使えます)

□ 使い捨てライター

□ 毛布(雨や風を防いだり、下に敷くにも便利です)

□ スリッパ(ガラスの破片などを踏まないように、室内でもスリッパか靴を履きましょう)

□ ビニールシート

□ ポリ袋(ビニールシートと同様に使えます)

□ 軍手

□ ガムテープ(ほころびた所を直したり、メモを貼るのに使えます)

□ 洗面用具

□ 歯ブラシ・歯磨き粉

□ タオル

□ メモ用紙

□ 現金、貴重品、預金通帳、身分証明書、家や車の鍵

□ ティッシュペーパー、生理用品

□ ウエットティッシュ、ドライシャンプー(お風呂に入れない時に便利です)

定期点検も忘れずに!

・ 年に1度は救急箱や非常用持ち出し袋を点検しましょう。例えば、毎年9月1日の防災の日や9月の防災月間のにチェックすると決めておくと、忘れずに点検できる習慣がつくのでおすすめします。

・ 使用期限が切れた薬は新しいものに入れ替え、使用してなくなったものは補充しておきましょう。捨てるのがもったいないと思うかもしれませんが、病気などをせず無事に過ごせた証拠と前向きに考えましょう。

・ 薬の外箱や説明書などは、薬を使い切るまでは捨てずにとっておいてください。

まとめ

救急箱は、普段使っている薬の保管だけでなく、もしものときの応急処置にも役立ちます。同様に防災用品もチェックリストなどを活用して必要なものがそろっているか、期限切れになっていないか、確認しておきましょう。

 

<参考文献>
首相官邸 「災害の「備え」チェックリスト」
東京都健康安全センター 「くすりの救急箱 震災対策編」

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AUTHOR

小笠原まさひろ 薬剤師

小笠原まさひろ

東京薬科大学大学院 博士課程修了(薬剤師・薬学博士) 理化学研究所、城西大学薬学部、大手製薬会社、朝日カルチャーセンターなどで勤務した後、医療分野専門の「医療ライター」として活動。ライター歴9年。病気や疾患の解説、予防・治療法、健康の維持増進、医薬品(医療用・OTC、栄養、漢方(中医学)、薬機法関連、先端医療など幅広く記事を執筆。専門的な内容でも一般の人に分かりやすく、役に立つ医療情報を生活者目線で提供することをモットーにしており、“いつもあなたの健康のそばにいる” そんな薬剤師でありたいと考えている。



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