【目薬】夏は目が乾きやすい?正しいドライアイ対策とドライアイに適した目薬の選び方|薬剤師が解説

 【目薬】夏は目が乾きやすい?正しいドライアイ対策とドライアイに適した目薬の選び方|薬剤師が解説
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夏場は冷房の風に当たったり、紫外線で目が日焼けしたりして、涙の分泌が不安定になり「ドライアイ」を引き起こしやすくなります。よく海水浴に行った後に目が赤くなっている方がいますが、これも日焼けによる炎症により、ドライアイを引き起こしている状態です。この記事では、夏に起こりやすいドライアイの症状や、ドライアイに適した目薬の選び方などについて解説します。

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ドライアイとは?

ドライアイとは目の表面を守っている涙が減少したり、涙の質に異常が生じたりして、目の健康が保てなくなる病気です。近年、急増している目の病気で、日本では2,200万人もの患者さんがいるといわれています。

ドライアイ
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涙の働き

涙はただの水分のように見えますが、目に必要な栄養分を供給したり、細胞を老化させる原因ともなる活性酸素を取り除いたりする、などの働きをしています。

【目の健康に重要な涙の働き】

・ 病原体と闘う……目に入った細菌やウイルスと闘い、感染から目を守る。

・ ごみを流す……目に入ったごみやアレルゲン(ダニや花粉、ハウスダストなど)を洗い流し目を清潔に保つ。

・ 活性酸素を取り除く……目の表面にある活性酸素を除去し、日焼けなどによる炎症を防ぐ。

・ ピントを結ばせる……目に入る光を最初に受け止め、レンズの一機能としてピントを結ばせる。

こうした涙の働きによって、目の健康が保たれているのです。

ドライアイの原因と症状

ドライアイを引き起こす原因は、冷房の風に当たる、紫外線による目の日焼け、パソコンやスマートフォンなどを長く見続けること、コンタクトレンズの使用などです。涙の分泌量が減り、外界の刺激を直接受けるため、次のような症状が起こります。

  • 目の疲れ
  • ゴロゴロ感
  • 目が充血する(目が赤い)
  • 目が痛い
  • かすみ目
  • まぶしい
  • 異常に涙が出る
  • 目ヤニが多い など

また、ドライアイによる目の疲れは、専門的には「眼精疲労」といい、肩こり、頭痛、吐き気、疲労感などの全身症状につながることもあります。

ドライアイに効果的な目薬の選び方

目薬
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ドライアイは、意識的にまばたきを多くしたり、室内の湿度を高めたりすることである程度は改善できます。しかし、目薬を利用するのがもっとも簡単で効果的な対処法といえます。

目薬にもさまざまな種類がありますが、ドライアイの場合には「人工涙液」というタイプの目薬を選ぶと良いでしょう。「塩化カリウム」や「塩化ナトリウム」を主成分とした目薬で涙に近い成分が目の潤いを補います。できれば防腐剤(ベンザルコニウム塩化物など)が入っていない目薬を利用してください。

健康な目であれば、防腐剤の入った目薬を使用しても問題はありませんが、ドライアイの場合、防腐剤が目を傷めたり、症状を悪化させたりする恐れがあります。

とくに、ソフトコンタクトレンズ装着時は、防腐剤がレンズの中に吸着されて目に刺激を与えたり、レンズを変性させたりすることがあるため、使用してはいけないことになっています。

また、一般的な目薬には清涼感を出すためにメントールなどの成分が含まれています。ドライアイの場合、角膜が傷ついていたり、目に炎症が起きていたりすることも多く、清涼感が強い目薬を使うと目の痛みや症状の悪化につながるため、使用は避けた方が良いでしょう。

【人工涙液型目薬の製品例】 

「ソフトサンティア」(参天製薬),「ロートソフトワン点眼液」(ロート製薬),「スマイルうるおいタイム」(ライオン),「アイボン トロ~リ目薬 ドライアイ」(小林製薬),「アイリスCL-I ネオ」(大正製薬)

正しい目薬の差しかた

涙は目じりにある主涙腺という器官から分泌されて、目頭にある涙小管という器官に吸収されて循環しています。そのため、目薬は目じりから差すようにすると、涙の流れに乗って目の表面全体に行き渡ります。

また、目薬は1~2滴差せば十分で、一度に何滴も差しても効果に変わりはありません。そして、目薬を差すときは、容器の先が目やまつ毛に触れないようにしてください。細菌などが目薬の中に入り、目薬の成分が汚れてしまうからです。

また、目薬を差した後は1~2分間目をつぶり、薬を浸透させましょう。目頭の下を軽く抑えておくと、薬が鼻から口の管に入るのを防げます。

日常生活でのドライアイの予防法

ドライアイを防ぐには、目を乾燥させないことが大切です。日常生活の中では、次のようなことを心がけると良いでしょう。

・夏場は冷房の使用により室内が乾燥しやすくなるため、加湿器を使って湿度を保つ。
・紫外線の影響を防ぐためサングラス(UVカットレンズのもの)を利用する。
・意識してまばたきを増やす。
・長時間パソコン作業を行う場合は、モニターの位置を目より低くする。また1時間に5~10分くらい、こまめに目を休める。
・温かいおしぼりや温めたアイマスクなどを両目に当てる。
・ドライアイ予防の「保護メガネ」を利用する。(メガネフレームにつけられた保水シートなどに水を含ませて使います)

まとめ

夏は冷房の風や紫外線の影響などにより、ドライアイが起こりやすいといえます。ドライアイと思われる症状が見られた場合には、涙に近い「人工涙液タイプ」の目薬を利用して不足した涙を補いましょう。

どの目薬を選んで良いか分からない場合は、「ドライアイ用」などと表記された目薬を選ぶか、薬剤師に相談して、症状に合った目薬を正しく使用してください。

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AUTHOR

小笠原まさひろ 薬剤師

小笠原まさひろ

東京薬科大学大学院 博士課程修了(薬剤師・薬学博士) 理化学研究所、城西大学薬学部、大手製薬会社、朝日カルチャーセンターなどで勤務した後、医療分野専門の「医療ライター」として活動。ライター歴9年。病気や疾患の解説、予防・治療法、健康の維持増進、医薬品(医療用・OTC、栄養、漢方(中医学)、薬機法関連、先端医療など幅広く記事を執筆。専門的な内容でも一般の人に分かりやすく、役に立つ医療情報を生活者目線で提供することをモットーにしており、“いつもあなたの健康のそばにいる” そんな薬剤師でありたいと考えている。



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