胃もたれや胃痛がする…いつも飲んでいる薬がある場合、胃薬を一緒に飲んでも大丈夫?薬剤師が解説

 胃もたれや胃痛がする…いつも飲んでいる薬がある場合、胃薬を一緒に飲んでも大丈夫?薬剤師が解説
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胃痛や胃のむかつきなどをどうにかしたい、けれどいつも飲んでいる薬もある…「胃薬と常用薬を一緒に飲んでもいいの?」そう考えたことはありませんか?

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胃の不調や消化器系の症状を和らげるために、多くの人が胃薬を使用しています。しかし、注意が必要な点もあります。実は、胃薬と一緒に服用すると相互作用が起こり、健康に悪影響を及ぼす可能性がある薬も存在します。この記事では「胃薬と一緒に飲んではいけない薬」について詳しくご紹介します。

胃薬と一緒に飲む際に注意が必要な薬

①抗凝固剤(血液をサラサラにする薬)

抗凝固剤は心臓疾患を持つ方が処方されることが多く、ワーファリンなどがあります。胃薬は胃の酸を抑える作用があり、胃粘膜の保護を促進しますが、この効果が抗凝固剤の効果を強め、出血時間が延長する可能性があります。したがって、これらの薬を服用している場合は、胃薬の使用については医師に相談することが重要です。

② 非ステロイド性抗炎症薬(NSAIDs)

NSAIDsにはイブプロフェンやナプロキセンなどがあります。

これらの薬は痛みや炎症を抑える効果がありますが、同時に胃の粘膜にダメージを与える可能性もあります。胃薬自体が悪影響を与えるわけではありませんが、胃薬が必要な状況でNSAIDsを服用することは、胃潰瘍や出血のリスクが高めてしまう可能性があります。NSAIDsの使用中に胃の不快感を感じた場合は、医師に相談し、胃への負担が少ない別の痛み止めの使用を検討しましょう。

③抗生物質

抗生物質は感染症の治療に使用されます。

テトラサイクリン系などの一部の抗生物質は、胃酸を中和する薬と影響がでることがあり、抗生物質の吸収が妨げられる可能性があります。そのため、抗生物質と胃薬を同時に服用する場合は、医師や薬剤師に相談し、適切な服用タイミングを確認することが重要です。

④鉄剤

鉄剤は貧血の治療に使用されます。

鉄剤は胃内の酸性度が高いと吸収されやすいため、胃薬と同時に摂取すると、胃内の酸性度が下がり鉄剤の吸収が弱まることにより、貧血が改善されない可能性があります。鉄剤の使用中に胃薬を使用する場合は、医師に相談し、適切な服用方法や影響を受けない薬がないか確認しましょう。

⑤その他の薬

一部の水虫治療薬、骨粗鬆症治療薬、呼吸器治療薬のテオフィリンなども影響が出る可能性があります。薬によって異なりますが、時間をあけて服用すれば問題ない場合もありますので、かかりつけ医や薬の専門家の薬剤師に相談することをおすすめします。

併用する時のポイント

日常生活や仕事に支障が出て困るなど、どうしても胃薬を飲みたい時があると思います。

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飲み合わせ際の影響については、どれだけの量が体内に残っているかで変わってきます。お薬はそれぞれ体に残っている時間が違うため、間隔を空けても影響がある可能性があります。専門的な知識が必要ですので併用するときは、かかりつけ医か薬剤師に事前に確認しておくことをおすすめします。

まとめ

今回紹介した薬以外にも影響のあるものもあります。

これらの薬との併用は相互作用や副作用のリスクを高める可能性があります。自己判断せず、かかりつけの医師や薬剤師に相談し、処方や使用方法についての適切な指示を仰ぐことをおすすめします。健康と安全のために、薬の相互作用について正確な情報を得ることが重要です。

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みんなの薬剤師

みんなの薬剤師

現役薬剤師ライター。 各関連資格・認証も取得(薬機法管理者・YMAA認証取得・漢方コーディネーター) 専門知識を、徹底的に分かりやすく説明します。 大手グループ調剤薬局で管理薬剤師として勤務後、転職して企業薬剤師として勤務する傍ら、副業ライターとして、実体験や生の情報を元にした記事を執筆しています。



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