グレープフルーツを食べてはいけない人がいるって本当?その理由を管理栄養士が詳しく解説

 グレープフルーツを食べてはいけない人がいるって本当?その理由を管理栄養士が詳しく解説
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アレルギーや好き嫌いに関係なくグレープフルーツが食べられない場合があります。薬局などでグレープフルーツジュースは避けてくださいと言われたことがある方もいらっしゃるかもしれません。グレープフルーツに含まれる成分は特定の薬の作用に影響を与えるため、避ける必要があるといわれています。 またグレープフルーツ以外にも薬と一緒に摂るのを控えるべき食品があります。 そこで今回の記事ではグレープフルーツを食べてはいけない人、薬を服用する際に注意すべきその他の食品について解説します。

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どんな人がグレープフルーツを食べてはいけないの?

「グレープフルーツを食べてはいけない人」とは、高血圧や狭心症の治療薬である「カルシウム拮抗薬」を飲んでいる人です。

グレープフルーツ
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カルシウム拮抗薬は血管を広げることにより、血圧を下げたり狭心症の発作を抑えたりする作用のある薬です。

しかし、グレープフルーツジュースを同時に摂ると、カルシウム拮抗薬の血中濃度が上昇し、必要以上に薬の作用が出る可能性があります。この結果、血圧が下がりすぎてしまい、頭痛、目まいなどの症状を引き起こすといわれています。

必要以上に薬の作用が出てしまうのは、グレープフルーツジュースに含まれる苦味成分の「フラノクマリン誘導体」が薬物の代謝を阻害してしまうことによるものと分かっています。

薬への影響は、グレープフルーツジュースを飲んだ後も持続する可能性があります。また、ジュースに限らず、グレープフルーツの果実やグレープフルーツを含むミックスジュースなども注意が必要とされます。

このようにきちんと治療を行うために、カルシウム拮抗薬を服用している間はグレープフルーツを食べないことが重要なのです。 

実は他にもある?注意した方が良い食品

ビタミンK
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グレープフルーツ以外の食品にも、薬の作用に影響を与えるものがあります。

また、グレープフルーツのように薬の作用を強めるだけではなく、薬の作用を弱めてしまう食品もあると知られています。

ここからは薬の作用を弱めてしまう代表的な食品をご紹介します。

ビタミンKを含む食品は「ワルファリン」という薬の作用を弱めてしまいます。

ワルファリンは血液を固まりにくくする薬で、血液の塊が血管に詰まって引き起こす脳梗塞や心筋梗塞を予防するのに使用されます。この薬は血液凝固に関わるビタミンKのはたらきを阻害することで、血液を固まりにくくしています。

しかしビタミンKを摂取すると、薬の作用が効きにくくなり治療を阻害する可能性があるのです。

ビタミンKは納豆や青汁、クロレラなどの食品に含まれています。そのため、ワルファリンを処方する際は、納豆などの食品を避けるように指導されます。

その他にも、お茶やお酒、乳製品なども薬の作用に影響を与えます。

正しく薬を服用するために、食品の摂取には注意したいですね。

薬を服用する際は食品の摂取に気をつけよう

通常、薬の作用に影響を与える食品については、医師や薬剤師からの指導があります。まずは指導をきちんと守って服用するようにしましょう。

不安なことや気になることは医療機関に相談するようにしてくださいね。

【参考文献】(2023年5月25日閲覧)

・厚生労働省, e-ヘルスネット|食物と薬の相互作用(理論編)

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AUTHOR

一ノ木菜摘

一ノ木菜摘

管理栄養士/ライター。短大卒業後、病院で栄養士として働きながら管理栄養士免許を取得。その後は病院の管理栄養士やコールセンターなどの経験を経てライターとして活動を始める。ダイエットや食品、メンタルなどのヘルスケアについて論文などの科学的根拠をもとにコラムを執筆している。



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