メンタルが強い人の5つの口癖【臨床心理士が解説】
メンタルが強い人の口癖には、打たれ強いメンタルを育む言葉がたくさん含まれています。今はメンタルが弱いと感じている人でも、メンタルが強い人の口癖を真似すれば、少しずつ自分のメンタルに良い影響を与えられるはず。そこで今回はメンタルが強い人の口癖を5つご紹介します。
メンタルが強い人の口癖5選
メンタルが強い人は、
・ポジティブなものを見つけ出す
・ネガティブなものを受け流す
の2つが得意。その姿勢が「口癖」となって表れています。
1.ありがとう
ちょっとしたことでも「あたりまえ」ではなく、「ありがたい」と思うことで、喜びや嬉しさといったポジティブな気持ちを何度も味わえます。
また、他者に「ありがとう」を伝えることで、いい関係も築けます。「ありがとう」は、前向きな心を育むとともに、メンタルが弱ったときでも支え合える関係をつくる素敵な口癖なのです。
3ヶ月間、毎日1回以上、「ありがとう」を心の中で唱えただけで、前向きな気持ちが生まれ、新たな挑戦への意欲が高まったという研究結果もあります。*1
2.まぁいいか
私たちは「自分の力ではどうにもならないこと」に出会うことがあります。たとえば、「ずっと片想いしてきた人に思い切って告白したけれど、振られてしまった」というケースは、相手の事情もあるわけですから、自分だけの努力でどうにかできることではありません。
そんな「どうにもならないこと」に対し、「まぁいいか」「仕方ない」と諦められる人ほど、精神的に安定していることが分かっています。*2
いきなりスッパリと諦めるのは難しいですが、心がモヤモヤし始めたら「まぁいいか」と声に出してみましょう。何度も繰り返すと、少しずつ気持ちの切り替えが上手になっていきます。
3.がんばった!
私たちの心は、ネガティブな出来事ほど注意が向き、記憶に残る「ネガティビティバイアス」という性質を持っています。そのため、いつの間にか「できなかった」という記憶で頭がいっぱいになり、「自分はダメだ」とメンタルが弱ってしまうことも。
ポジティブな出来事は、意識的に注意を向けないと気づけません。今日1日を振り返って「できたこと」を思い出してみましょう。そして、「今日は〇〇ができた!がんばった!」と声に出して、自分を褒めてあげると、前向きな気持ちを取り戻せます。
4.私は運がいい!
メンタルが強い人がよく使う口癖には「運がいい」「ラッキー!」などの言葉もあります。
「運なんて自分ではどうにもならないよ」と思うかもしれませんが、大事なのは「私は運がいい」と感じる要素を日々の生活から見つけられるかどうか。
たとえば、大人気のレストランに言ったらすでに3組のお客さんがいた場合、「4番目か。もう少し早くこればよかった…」と思う人もいれば、「大人気なのに4番目に入れるなんてラッキー!」と思う人もいます。同じ出来事でも「運がいい」と思えるかは、その人自身の受け止め方で変わるのです。
毎日の生活からラッキーな出来事を探してみましょう。「ちょうど信号が青になった」「通勤中にかわいい猫を見かけた」など、ささやかな幸せを見つけて「運がいい」と口に出すようにすると、どんどんラッキーなことが見つかり、心も安定するはずです。
5.次は○○してみよう
メンタルが強い人は、失敗しても「次は〇〇してみよう」と意欲を燃やします。
発明王エジソンは、実験が失敗しても「うまくいかない1万通りの方法を見つけた」と前向きに捉え、諦めることなく努力を続けて、素晴らしい成果を残しました。
失敗したときに「もうムリだ」と立ち止まると、自己否定感が強まってしまいます。失敗したら、もっといい方法を見つけるチャンスと捉えて、新たなチャレンジをしてみてください。自分では次の方法が見つけられないときは、ほかの人からアイデアをもらうと良いでしょう。
おわりに
メンタルが強い人の口癖には、メンタルを強く維持できる生き方のヒントが詰まっています。まずは、口癖を真似してみることで、メンタルが強い人が何を見て、何を感じ、何を考えているのかぜひ体験してみてください。
参考資料
*1 牧久美子・東豊(2020)感謝の実践がWell-beingに及ぼす影響―質問紙調査およびテキストマイニングによる分析― 対人援助学研究9 p13-29.
*2 高井範子(2011)ポジティブな生き方態度の形成要因に関する検討―青年期から高齢期を対象として― 太成学院大学紀要 13 p79-20.
AUTHOR
佐藤セイ
公認心理師・臨床心理士。小学生の頃は「学校の先生」と「小説家」になりたかったが、中学校でスクールカウンセラーと出会い、心の世界にも興味を持つ。大学・大学院では心理学を学びながら教員免許も取得。現在はスクールカウンセラーと大学非常勤講師として働きつつ、ライター業にも勤しむ。気がつけば心理の仕事も、教える仕事も、文章を書く仕事もでき、かつての夢がおおよそ叶ったため、新たな挑戦として歯列矯正を始めた。
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