エミリア・クラークへの言及でマスコミから批判された豪テレビ局役員の発言とは

 エミリア・クラークへの言及でマスコミから批判された豪テレビ局役員の発言とは
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長坂陽子
長坂陽子
2022-08-28

ボディシェイミング、つまり身体に関する悪口や中傷を許容しない土壌が作られつつあるアメリカエンタメ界。人の体型を笑ったりからかったりするのはご法度、テレビのトーク番組で体型や身体的な特徴が笑いのネタにされることはない。そんな中、オーストラリアのテレビ局の重役があるイベントでハリウッド女優エミリア・クラークの体型について言及、謝罪するという事件が起きた。

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発言したのはテレビ局「Foxtel」のCEOパトリック・デラニー。先週シドニーで、日本でも一世を風靡したドラマ「ゲーム・オブ・スローンズ」のスピンオフドラマ「ハウス・オブ・ドラゴン」のプレミアが行われた。出席したデラニーはスピーチの中で「ゲーム・オブ・スローンズ」を見たときのことを振り返った。デラニー曰く「背が低くてずんぐりむっくりした女の子が火の中に入っていくこのドラマはなんなのだろう? と思った」。"女の子"とはメインキャラクターを演じたエミリアのこと。

オーストラリアのニュースサイト「Crikey」は会場にいた人の証言を入手。「デラニーは観客が一緒に笑うのを期待しているみたいだった。でもその場にいた人はショックを受けていた。息を飲む音が聞こえた」。

ドラマのファンや英米マスコミ、さらにオーストラリアのマスコミからも批判の声が上がった。これを受けて「Foxtel」のスポークスパーソンが声明を発表。「デラニーの発言が誤解され、不快感を与えたのであれば謝罪する」「彼が伝えようとしたのは『ゲーム・オブ・スローンズ』がそれまでのテレビドラマとはまったく違ったものだったこと、それまで無名だったエミリア・クラークがテレビ界、映画界でもっとも人気と知名度のある俳優になったことだ」。エミリア側はまだコメントは発表していない。

ボディシェイミングに関する意識ではまだまだ遅れが見られる日本。今回のように公の場所で人の容姿に触れるシーンは少なくないし、笑いを期待して体型を揶揄するバラエティ番組も残っている。世界のエンタメ界ではそれが許されない状況になってきていることに目を向けたい。

出典:Emilia Clarke Gets Apology from Australian TV Executive Who Called Her a 'Short, Dumpy Girl'

‘Short, dumpy girl’: Foxtel CEO insults Game of Thrones’ Emilia Clarke at House of the Dragon premiere

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長坂陽子

長坂陽子

ライター&翻訳者。ハリウッド女優、シンガーからロイヤルファミリー、アメリカ政治界注目の女性政治家まで世界のセレブの動向を追う。女性をエンパワメントしてくれるセレブが特に好き。著書に「Be yourself あなたのままでいられる80の言葉」(メディアソフト)など。



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