ドイツ発「オーセンティック ビューティ コンセプト」が追求する本物の個性美
美しくなることは、地球に優しいこと——これからの時代に必要なのはそんなポリシーだ。日々目まぐるしく変化する環境や世界情勢の中で、ビューティーに対するこれまでの価値観が大きく揺さぶられている現在。独自の美を創造することにいち早く乗り出した先駆者たちに聞く、ビューティービジネスと環境への取り組みとは。
アンネマリー・ボーリンドやクナイプなど、ここ日本でもお馴染みのドイツ生まれのビューティブランドたち。自然由来にこだわり、質実剛健かつ誠実なジャーマン・スピリットが生む製品で世界を魅了するオーガニックビューティ大国・ドイツで1903年に誕生したのが、ヘアケアのトップブランドであるヘンケル社だ。中でも、ドイツで初めてのパウダー式のシャンプーを開発したシュワルツコフをはじめ、数々の革新的な製品で常に世界のビューティシーンをリードしてきた同社は、現在に至るまでヘアケアのトップとして君臨するプレミアムブランドでもある。そして、ヴィーガンやクリーンビューティという新潮流が台頭してきた2019年、その一歩先を行く新たなコンセプトを携えたブランド「AUTHENTIC BEAUTY CONCEPT(オーセンティック ビューティ コンセプト)」を投入し、デビュー直後から世界中で大きな注目を浴びている。そこで今回は、同ブランドの哲学と環境への取り組みについて、PRの緒方亜希さんにお話を伺った。
「本物の美しさとは何か」を追求する中で
——長い歴史を誇る同社のブランドで、2019年にローンチした「AUTHENTIC BEAUTY CONCEPT」は、昨今の環境保護意識の高まりもあいまって、現在世界中で多くのファンを獲得しています。まずはブランド設立の経緯と哲学について教えてください。
「AUTHENTIC BEAUTY CONCEPT(オーセンティック ビューティ コンセプト)」は、美容師、職人、そして本物の美しさを追求し、同じ価値観を持つ人々からインスピレーションを受けて誕生したブランドです。その根幹を支えているのは、“自然な美しさの上に成り立つ製品を作る”という共通の信念を持った誠実な専門家たちです。
デジタルデバイス等で常に外と繋がり、オンオフが重要視されている現代において本当に求められているものは、インナービューティ(内面の美しさ)に基づいた真の美しさだと考えています。同時に「本物の美しさ」とは、至極ナチュラルでシンプルなものであると思っています。
それを実現するためには、誠実で、シンプルで、厳選された材料で作られた製品が必要です。そのため、新しい世代が求める偽りのないその人らしさや、個性びを引き出すサポートができるよう、心を込めて作られた製品を提供することに重きを置いています。
AUTHENTIC BEAUTY CONCEPTは直訳すると「真実の美しさの概念」という意味です。きれいに巻いて固めた髪ももちろん美しいのですが、このブランドが目指すのは、例えるなら“さっと手櫛で束ねただけの髪”のような飾らない素の美しさです。
そこで私たちが取り入れたのが「LESS IS MORE(少ないことこそが豊かである)」というミニマリズムの考え方です。髪にとって本当に必要なものを厳選することと同じように、「何を入れないか」を判断することも大切だと考え、たどりついたのがヴィーガン処方でした。一般的なシャンプーに含まれる硫酸塩やシリコーン、パラベン、合成着色料などを一切含まず、ヴィーガン素材の成分を、熱を加えず時間をかけて丁寧に抽出し、泡立ちや指通りの良さといった使用感も両立させています。
一方で、サステナブルな原料を使ったり、環境に配慮した取り組みをすることはブランドとしてとても大切なことだと思います。ですが、製品である以上スタイリッシュな見た目や使用感の良さ、効果を感じていただくことが大前提だと考えます。シャンプーは毎日のルーティンですが、同時にバスタイムは単に汚れを落とすだけでなく、一日の疲れを癒したり、気持ちをリフレッシュする時間でもあります。そのため、心身ともに深く癒すようなマインドフルな香りにもこだわっています。さらに、100%リサイクル可能なプラスチックを採用する一方、例えばシャンプーのボトルは一輪挿しをイメージしたデザインや、濡れた手で触ってもすべらないグリップ感、ボトルの押しやすさなど細部にもこだわっています。そして、心に響く香りや泡立ち、洗いあがりの心地よさを体感いただき、製品を長く愛用していくことで、その結果使う人もサステナビリティに貢献できるーーそれが本当の意味で「我慢しない」「持続可能な」取り組みになると考え、製品づくりを行っています。
AUTHOR
横山正美
ビューティエディター/ライター/翻訳。「流行通信」の美容編集を経てフリーに。外資系化粧品会社の翻訳を手がける傍ら、「VOGUE JAPAN」等でビューティー記事や海外セレブリティの社会問題への取り組みに関するインタビュー記事等を執筆中。
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