体温調節のむずかしい季節に、豆千絲で作るほっこり労りおかず｜せきねめぐみの、肩の力を抜くごはん

みなさま、おはようございます。五月雨という言葉がありますが、ここ鎌倉では梅雨の始まりかと思うような雨がつづいていました。一日中雨がやまない日は湿気の強さに体もやられてしまいますね。やっと晴れ間がのぞいたと思えばいそいそと洗濯物を干し、クッションやジュータン、かびてしまいやすいかご類なども干し、野菜の種をまき...お日さまの恵みを余す所なくいただいています。五月晴れとも呼ばれる五月の晴天はやはり体にみなぎる嬉しさをくれます。手を思いきり広げて深呼吸をすれば体いっぱいに生き生きと輝く緑と風のエネルギーが入ってきてくれて、たちまち新鮮なエネルギーで満ちていきます。

さて、気温もしだいに高くなり安定し始めるこの頃。タートルネックやストールで隠していた首元を思いきり出して爽やかな風にあてたり、靴下を脱ぎ捨てて素足の気持ちよさを楽しんだり、又サンダルを履いて軽やかに出かけたり。初夏らしさを満喫したくなる時期ですが、ちょっとした油断は禁物。朝晩は意外と冷えることも多く、日中の気温の高さとの調節がむずかしいのです。羽織りを携帯したり、なるべく靴下を履いたりなど衣服から気を配ることもできますが、冷えやすい体は普段の習慣の結果からできてしまったもの。体の内側から根気よく体質改善していく力も必要です。食べ物で出来るちょっとした冷え対策を忘れずに行いましょう。

暑くなってくると食べたくなるのが、冷たいお豆腐や大豆の加工品。生姜を利かせた冷奴も美味しいですし、すっかりメジャーになった豆乳や豆乳ヨーグルトをおやつの代わりに食べたり。豆乳アイスクリームも豊富に出ていますね。ところがお豆腐や豆乳は実は体を冷やしやすい陰性食品。体が火照ってしまう真夏には体内の熱を外に逃がしクールダウンさせてくれるありがたい食べ物ですが、今の時期にヘルシーだからと言って冷たいまま取り入れていると体が冷えやすい体質に傾いてしまいます。そこで温めてさらっと美味しく食べられるお豆腐の加工食材を使った一品を今日はご紹介。

みなさんは豆千絲（トーカンスー）をご存知ですか？中華料理の副菜で使われることの多いお豆腐を細く切り麺状にした食材のことです。干し豆腐とも呼ばれ、ネギや野菜などと一緒にごま油で和えたメニューなんかをよく見かけます。和え物や炒め物などおかずとしてよく食べられていますが、低糖質かつ高タンパクで食べ応えもしっかりある食材なのでパスタやうどんなどの主食の代わりとして、また温かいスープに入れていただくのもおすすめです。

今日作ってみたのは、豆千絲と食物繊維やビタミン類の豊富なかぶの葉をふんだんに使ったシンプルな和え麺。さっと湯がいてほぐせばすぐ食べられるお手軽な食材でもある豆千絲と一緒にかぶの葉を炒め、醤油、塩、出汁で味をととのえます。バルサミコ酢を回し入れてアクセントにするのもよし。今回は柿酢を少々入れ、黒米でできた濃縮甘酒でコクを足しました。トッピングには上品な風味の黒豆納豆を。納豆は冷蔵庫から出したばかりだとかなり冷たいので、取り出してかき混ぜたらしばらく置いてからいただくように習慣をつけるといいですよ。かき混ぜて少々放置することでさらに発酵が進み栄養価も高くなるので一石二鳥なのです。豆千絲和えの上に常温に戻った納豆を乗せたら、良質な植物性たんぱく質がたっぷりの体に優しいひと皿のできあがり。ほっこり甘い大豆の味を噛み締めながら、体を冷やさないヘルシーな一品です。体を労りたい日に是非作ってみてくださいね。