しっとりヘルシーな卯の花で春先の体をととのえる |せきねめぐみの、肩の力を抜くごはん

 しっとりヘルシーな卯の花で春先の体をととのえる |せきねめぐみの、肩の力を抜くごはん
Megumi Sekine
関根愛 
関根愛
2022-04-02

SNSで見かける、彩り豊かな食事の写真。見るからに栄養がありそうで、こんな食生活を送ってみたいと思う人は多いでしょう。でも「そんなに頑張れない…」という人も少なくないはずです。時間もない、料理が得意じゃない、不器用なあなたに伝えたい「頑張らないごはん」。意識すべきポイントは、とってもシンプルです。今日からできる「簡単な食養生」、教えてくれるのはマクロビオティックマイスターの関根愛さんです。

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みなさま、おはようございます。桜も待ちに待った満開となり、いよいよ四月を迎えました。心身新たに新生活へと漕ぎ出した方も多いと思います。少しでも心穏やかに、そして発見や実りの多い素敵な一年になりますよう願っております。

さて和暦では四月のことを「卯月」と呼びますが、これは卯の花が咲く月、という由来からきているといわれています。卯の花を実際に見たことは私はないのですが、雪のように白く清らかな花を咲かせるそうですね。そこで本日は卯月にちなみ、和食の定番おかずでもある「卯の花」をちょっぴりアレンジしてご紹介。

卯の花の材料は「おから」。お豆腐を作るとき、大豆から豆乳をしぼって残った部分のことです。昔は不要なものとしてお豆腐屋さんなどで無料でもらうことができたりもしたのだとか。今は比較的安価でスーパーなどでも売られていますが、じつは生産量に対して需要がそこまで多くなく、また生のおからは日持ちがしにくいこともあり売れ残ってしまうことも少なくないそうです。畑の肉・大豆の栄養分がふんだんに含まれたおから、廃棄されてしまうのはとてももったいないことです。フードロス対策にもなりますし、ぜひこの春はおからを購入して、春先の体が喜ぶシンプルな滋養満点のメニューに仕上げていきましょう。

おからは良質な植物性たんぱくのほか、ビタミンB群、そしてなんといっても食物繊維が豊富なことで知られています。その量は特に食物繊維が多いことで有名なごぼうの約2倍といわれるほど。お通じを改善したり、腸内環境をととのえて免疫力を高めたりと、春先に起こりやすい体の揺らぎを調整するのにぴったりの副菜ともいえます。卯の花を作る際に始めかるく乾煎りしますが、お出汁と基本のシンプルな調味料でしっとり仕上げていく、和食ならではの水分の多い調理メニューでもあります。乾きがちな体に内側から潤いを与えてくれるのも嬉しいですね。

卯の花
photo by Megumi Sekine

それではアレンジ卯の花を作っていきましょう。作り方はとてもシンプル。まず、生おからを乾煎りしていきます。水分が飛んでさらさらになったら、いったん置いておきます。具材となるしいたけ、こんにゃく(しらたきでもOKです)は食べやすいサイズに薄くカットし、香りの良いごま油を引いて炒めていきます。そこへだし汁、醤油、塩、酒を適宜加え、全体がしんなりしたら先ほどのおからを混ぜ合わせてください。最後に火を止め、薄くスライスしたキュウリをさっくり混ぜたらできあがり。白ごまをちらしても良いですね。どうでしょう、できあがりはまるでお腹にやさしいポテトサラダのよう。じゃがいもをおからに変えたことでお腹も重たくならず、炭水化物の摂取を控えたい方にも嬉しいメニューです。おからのしっとり感にみずみずしいキュウリのシャクシャク風味のかけあわせがくせになります。ポテトサラダにより近づけたい方は最後にマヨネーズで和えるのもおすすめ。

季節がひと巡りし、ものごとが始まっていく春。身も心も軽くいたいですね。今日のおかずに困ったときは、ぜひお気軽に作ってみてください。

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関根愛 

関根愛

俳優を始めた十数年前よりアトピーなどさまざまな心身の不調を感じてきたことで、薬に頼るのをやめて自分の体の声を聴きながら養生していくために自然食を始める。「じぶんらしく生きるための食養生」をテーマにInstagramやnote、Youtubeで日々発信をつづける。マクロビオティックマイスター。映画制作者、ライター、翻訳者としても活動。座右の銘は「山動く」。



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