グウィネス・パルトロウの元側近が指摘するデトックスの危険性「自分の体を支配しようとしたために…」
ライフスタイルブランド「Goop」を立ち上げ美容のグルとして活躍している女優のグウィネス・パルトロウ。彼女が推奨しているのがデトックス。プチ断食や毎朝のレモンウォーターやハーブウォーターなどで体の中の毒素を排出することが美容やアンチエイジングに大切だと主張し続けている。
グウィネスの推奨するプチ断食やレモンウォーターの効用については疑問視する専門家も多い。しかしアメリカの女性たちからは確実に支持を得ている。アメリカのGoopのサイトでは1週間のデトックス用のキット、195ドルが飛ぶように売れている。ちなみにこれにはプチ断食用のシリアルやサプリメントが入っている。しかし最近、かつてグウィネスの右腕を務めていた人物が自らの経験からデトックスの危険性を指摘している。
かつてGoopのチーフコンテンツオフィサーを務めていたエリーゼ・ローネンはSNSで「私にとってのデトックスはダイエットや食事制限と同じ意味になってしまっていた。自分の体を罰し支配しようとしたために、自分の体と健全な関係を持てなくなってしまったように感じていた」と告白。デトックスはメンタルにいい影響を及さなかったと語っている。
ローネンは2020年にGoopを辞めている。現在は40歳だが、会社を辞めて以来「10代の子みたいに食べていた。すごく楽しかった」と語る。身体にとってそれが健康的なことかどうかはさておき「私の体はこうあるべきという考えから自由になるという意味では間違いなく健康的なことだった」「自分を非難しないようにするために、自分を批判し罰を与える傾向を壊さなくてはならなかった」。自己評価の低さから脱するためにデトックスから離れる必要があったという。
ローネンは最近、友達と話しながらある結論に辿り着いたそう。「デトックスのようなウェルネスカルチャー、加工食品をたくさん食べること、どのどちらも私たちにとっては有害。それは両方とも自分の体がどう感じているのかを無視しているから」。2年間、気の向くままに食べているときは胃が重くなったり痛くなったりすることもあったとか。デトックスは心の声を、好きに食べる生活は体の声を聞いていないと彼女は語る。だから今は「2つの間に居場所を見出そうとしている」。
ローネンの投稿にはこれまでGoopを参考にデトックスを心がけていた女性たちを始め、多くの人からコメントが寄せられ、アメリカマスコミも注目している。自分をケアするためにしていたデトックスが、実は自分を傷つけることになっていた。そんなことにならないよう、ローネンのメッセージに耳を傾けたいもの。
AUTHOR
長坂陽子
ライター&翻訳者。ハリウッド女優、シンガーからロイヤルファミリー、アメリカ政治界注目の女性政治家まで世界のセレブの動向を追う。女性をエンパワメントしてくれるセレブが特に好き。著書に「Be yourself あなたのままでいられる80の言葉」(メディアソフト)など。
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