【知ると得する栄養雑学】寒い季節に積極的に食べるべき！免疫力を高める「野菜と果物」

寒い季節は免疫の健康に注目が集まる季節です。病気の予防や治療のために栄養を摂るにしても、この時期に豊富な食材を食事に取り入れることは間違いなく良いと、米国疾病対策予防センター（CDC）も認めているのは嬉しい知らせです。

意外に思うかもしれませんが、柑橘類はこの時期にこそ摂取したい食べ物です。オレンジ、レモン、ライム、グレープフルーツなど、どこのスーパーでも手に入る柑橘類は、フリーラジカルを除去する抗酸化物質であるビタミンCを豊富に含んでいます。フリーラジカルとは、環境汚染などによって体内に蓄積され、細胞にダメージを与える「悪者」のことです。例えば、タバコを吸わない人でも、副流煙にさらされていると、免疫系を破壊するフリーラジカルを体内に招き入れる危険性があります。

食事は免疫系の健康状態に大きな影響を与え、フリーラジカルを抑制する能力を高めます。ビタミンCを多く含む食品は、フリーラジカルを除去する抗酸化物質として働きます。

免疫システムの70％が腸に集まっているため、毎日の生活に様々な食材を取り入れることが大切です。この季節には、今回ご紹介する10種類の冬の野菜と果物を食事に取り入れて、腸内環境を整え、免疫力を高めましょう。

1.オレンジ

みかん、マンダリンオレンジ、デコポン、ポンカン、どれを食べても、オレンジを食べていることに変わりはありません。

オレンジには様々な形や味があり、自分の好みに合ったものを選ぶことができ、またオレンジが持つ全ての栄養素の恩恵を受けることができます。

ここでは、一般的に広く市販されているバレンシアオレンジを例にとって説明しましょう。中くらいの大きさのオレンジ1個には、わずか60kcalで3g近くの食物繊維が含まれており、58mg近くのビタミンCが含まれています。

果物の代わりにオレンジジュースを取り入れても良いのかどうか、気になるところですが、答えは、あなたの健康状態や特定のニーズによって異なります。オレンジジュースやその他の柑橘類のジュースは、炎症や免疫の健康維持に強力な役割を果たすことが分かっていますが、果実全体に含まれる食物繊維が足りません。スムージーに取り入れるなどして、オレンジの恵みを丸ごと摂取することを意識しましょう。

2.キャベツ

アブラナ科の野菜は好きですか？カリフラワーが好きなら、その親戚に当たるキャベツも好きなはずです。千切りキャベツは1カップで2gの食物繊維を含み、低カロリー、低炭水化物で、生でも調理してもおいしい野菜です。さらに、ビタミンCが約25mg含まれており、成人女性であれば1日の推奨摂取量の33％近くを摂取することができます。

生のキャベツはキムチ、ザワークラウトなどの発酵食品によく使われますが、3月のセント・パトリックス・デーを祝うコンビーフ料理など、季節の食材と一緒に調理しても美味しくいただけます。キャベツに親しむには、まずはソテーを試してみては。

3.コラードグリーン

ケールが好きなら、コラードグリーンも同様に好むでしょう。コラードグリーンはケールより少し大きめですが、同じような栄養素を含んでいます。

実は、生のコラードグリーン1カップで、すべてのライフステージにおける1日の推奨ビタミンK量の100％以上を摂取することができるのです。ビタミンKは骨の健康に重要なだけでなく、血液凝固にも（良い意味で）不可欠な栄養素です。また、コラードグリーンには、ビタミンA、食物繊維、鉄、葉酸、抗酸化物質が含まれています。

4.マジョールデーツ

甘くておいしいマジョールデーツは、運動前のおやつとして最適なホールフードの炭水化物源です。そのまま食べてもおいしいですが、自然な甘さを出すために、料理にもよく使われています。

マジョールデーツは石果と呼ばれるもので、果肉はキャラメルのように濃厚でおいしい果肉に囲まれています。マジョールデーツ1個には、18gの炭水化物に加え、約2gの食物繊維が含まれています。また、マジョールデーツには抗酸化物質が含まれており、ある研究では、プルーンやイチジクなど他のドライフルーツと比較して、最も強力な抗酸化物質であることが分かっています。

お好みのナッツやシードバターと組み合わせたり、そのまま食べたりしても美味しいですが、アーモンドバターとマジョールデーツを使った手作りプロテインバーもオススメです！手作りでエネルギーバーを作れば、節約にもなりますし、健康に必要な栄養を摂取できるので体にも優しいです。

5.グレープフルーツ

白、赤、ピンクなど、グレープフルーツは他の柑橘類と同様、さまざまな種類があります。どの種類を選ぶかによって栄養素は多少異なりますが、いずれにしてもビタミンCは強力なパンチ力を持っています。ピンクグレープフルーツ1/2個で45mgのビタミンCが摂取でき、これは成人女性の1日の推奨摂取量の60％近くを占めます。さらに、グレープフルーツ1/2個には1.35gの食物繊維が含まれているので、満腹感が長く続き、ダイエットにも効果的です。

読者の皆様、グレープフルーツが再び注目を集めています！グレープフルーツは、おばあちゃんがかつて食べていた古臭い果物ではありません。流行りのカクテルでその美しい果肉を見かけたりもするかもしれませんが、実は少しカッテージチーズとシナモンをかけて焼くと実に美味しいです。また、このバナナと組み合わせてスムージーで試してみるのもよいでしょう。

もし健康のために特定の薬を服用している場合、グレープフルーツは相互作用の可能性があるため、食べる前に必ずかかりつけの医師に相談してください。

6.キウイフルーツ

キウイフルーツは見た目の美しさだけでなく、しっかりとした栄養源でもあるのです。約５センチの緑色のキウイフルーツ1個で、2グラムの食物繊維と64mgのビタミンCが含まれており、カロリーはわずか40kcalです。さらに、肌の健康に重要な栄養素であるビタミンEをより多く摂取するには、キウイフルーツは最適な食品です。

しかし、キウイフルーツがもたらす美肌効果のすべてを本当に享受するには、皮まで食べる必要があります。研究によると、キウイフルーツの皮には有益な抗酸化物質が含まれており、時間とともに肌など全身にダメージを与えるフリーラジカルを体外に排出してくれることが分かっています。

この季節には、キウイフルーツを丸ごとスライスしたり、スムージーボウルに混ぜたりして、健康的でおいしいおやつとしてお楽しみください。

7.レモン

レモンは、柑橘類の中で最も一般的で汎用性の高い果物です。レモンは多くのレシピに使われますが、そのまま食べることはあまりありません（レモンウォーターなどは別ですが）。しかし、レモンはビタミンCをたっぷり含んでいます。レモン1個分の果汁で19mg（成人女性の1日の推奨摂取量の約30％）のビタミンCを摂取することができます。

レモンには、鉄分、カルシウム、亜鉛、葉酸など、他の栄養素も少量含まれていますが、必ずしもそれらの栄養素を摂取することをお勧めする食品ではありません。それよりも、レモンを食事に取り入れることに重点を置き、レモンの持つ風味の特徴を生かして、料理に何をもたらしてくれるかを考えてみましょう。例えば、レモンの力強い風味は、塩や砂糖をあまり使わなくても済むように料理を変えることができます。つまり、アメリカの標準的な食事で過剰摂取されている2つの栄養素（塩と砂糖）を含むレシピの健康状態を改善することができます。

薄焼きピザなどの塩味レシピや、レアチーズケーキなどのお菓子レシピに取り入れてみてはいかがでしょう。

8.パッションフルーツ

パッションフルーツは熱帯の果物ですが、実は世界中の亜熱帯気候の地域に生息しています（その一つが私の故郷であるカリフォルニア州サンディエゴです！）。パッションフルーツは品種によってサイズが小さいかもしれませんが、その分、栄養価が高いのです。

例えば、18gの生のパッションフルーツには2gの食物繊維が含まれており、ポリフェノールと呼ばれる抗酸化物質が細胞の調子を整えてくれます。

次回のホームパーティーに、パッションフルーツのチーズケーキはいかがでしょう。

教えてくれたのは……エリザベス・ショーさん
エリザベス（リズ）・ショーさんは、全米で知られる栄養学の専門家で、カリフォルニア州で栄養コミュニケーションビジネスと個人カウンセリングを行っている。栄養士として10年、非常勤講師として7年の活動経験を持ち、パーソナルトレーナーの資格も持っている。彼女はこれまでに4冊の書籍を出版している：「the Instant Pot Cookbook For Dummies」「Air Fryer Cookbook For Dummies」「Fertility Foods Cookbook」「the Stress-Free IVF Nutrition Guide!」。地元や全国ネットのテレビ番組のゲストとして、健康な生活を送るための重要な要素である食と栄養について、エビデンスに基づいた正しい栄養学を通じて語っている。リズさんは、人気のInstagramフィード@shawsimpleswaps、Pinterest、Facebook、LinkedInで定期的に情報シェアしているので要チェック。リズさんはすべての食品はバランスの取れたライフスタイルに適合すると信じており、そのヒントをブログ「Shaw's Simple Swaps」でシェアしている。

ヨガジャーナルアメリカ版／「10 Winter Fruits and Vegetables to Add to Your Plate」