間違ったダウンドッグは四十肩のもと?安全な肩の使い方をマスターするための2つのポーズ
太陽礼拝でも繰り返し登場するダウンドッグ。体を伸ばそうとするあまり、肩をぐーんと床の方へ押しつけていませんか?実はこのやり方だと肩を痛めてしまう可能性があるのです。
ダウンドッグでなぜ肩を痛めやすいの?
ダウンドッグの上半身に注目してみましょう。腕はちょうどバンザイをしている状態で体を支えています。この時注意したいのが、肩の『インピンジメント症候群』です。インピンジメントとは「衝突」「挟む」などの意味 があり、肩の痛みのもっとも一般的な原因と言われています。
上の図にある肩峰(けんぽう)という骨の下には、棘上筋(きょくじょうきん)という肩の筋肉が通っています。肩峰の下には他にも上腕二頭筋腱・靭帯・滑液包など多くの組織があり、これらが腕を上げる時に肩峰とぶつかることで痛みを感じるのが『インピンジメント症候群』。この症状が、いわゆる四十肩、五十肩と呼ばれる肩関節周囲炎の原因とも考えられています。
どうしたら肩の怪我を減らせるの?
肩を床の方に押しつけるようにダウンドッグを行うと、脇の下が横から見えやすくなるのがわかりますか?
これは肩関節が内旋(ないせん)している状態です。実はこの使い方だと、肩の組織が骨とぶつかりやすいのです!もしも太陽礼拝でダウンドッグを行うたびに肩関節内旋の状態で体重をかけていたら、肩の組織に炎症が起きてしまうことも…。ではどうしたら怪我のリスクを減らせるのでしょうか?それは、脇の下を顔の方に向けるようにして肩関節を外旋(がいせん)して使うことです。今回は丸めたヨガマットを使った2つのポーズで、肩の使い方を練習していきましょう。
(ヨガマットがない時は、ヨガブロックや厚みのある本などでもOK)
ダウンドッグ練習その1/丸めたヨガマットを使ったエクステンドチャイルドポーズ
やり方
1.正座で座り、上体を前に伸ばす
2.両手で丸めたヨガマットを真下に押す/エクステンドチャイルドポーズでホールド
×NG:肩が床に沈み、脇の下が外側を向いている状態
◎OK:肩が床から引き上がり、脇の下を顔の方へ向けようとしている状態
3.手をヨガマットから下ろしチャイルドポーズでリラックス
ダウンドッグ練習その2/丸めたヨガマットを使ったダウンドッグ
やり方
1. 両手を肩幅に置き、手前に丸めたヨガマットをセット
2. お尻を持ち上げる/つま先立ちのダウンドッグでホールド
<ポイント>
・手首を丸めたヨガマットから離そうとする
・脇の下を顔の方へ向けようとする(肘はロックしないように)
3.ゆっくり膝をつきチャイルドポーズでリラックス
最後に感覚をチェック!
2つのポーズで肩の感覚をつかんだら、最後に丸めたヨガマットなしでダウンドッグに取り組んでみましょう。肩まわりの筋肉がしっかり働いていることの他にも、両手で押す力やお腹の力も入りやすくなったことを感じられるかもしれません。
ダウンドッグ以外に、ハンドスタンドやピンチャマユラーサナなどでも肩の使い方はとても大切です!怪我なく、より安全にヨガを楽しめるように、ぜひ2つのポーズで練習してみてください。
※表示価格は記事執筆時点の価格です。現在の価格については各サイトでご確認ください。
AUTHOR
のぐちかなこ
専業主婦からヨガ講師へ。大手ヨガスクールにて全米ヨガアライアンスの講義 (RYT200/RPYT85)及びヨガレッスンを年間1,000時間以上担当。2018年に独立し〈あんどYOGA〉を立ち上げる。現在もヨガインストラクターの養成に携わりながら、特に産前産後に関するヨガや新米ヨガインストラクターサポートに力を注いでいる。オンライン講座も多数開催中。プライベートでは三姉妹の母。あだ名はかーちゃん。
- SHARE:
- X(旧twitter)
- LINE
- noteで書く