ヨガ中の痛めやすさ2位…「手首」を守る3つの秘訣|理学療法士が解説
ヨガの時の手首の守り方
ヨガで手首に痛みや違和感を感じていたり、手首に不安のある人は、これから紹介する簡単な3つの方法を一度試してみてください。
1.背屈の角度を軽減する
手首の参考可動域は、掌屈は90°ですが、背屈は70°です。
参考可動域を越える可動域は、関節への負担となり怪我のリスクが上がる可能性があることは以前こちらで説明しました。両手のひらをマットについて、四つ這いになってみましょう。手のひらはこの時は背屈しています。さて背屈は何度になっているでしょうか?肩の真下に手首をおくことがヨガではニュートラルポジションなので、おそらく背屈90°になると思います。つまり参考可動域をすでに20°オーバーしまっているのです。
そこで、手首を守るために手首の下にブランケットやタオル、ハンカチなどを置いて高さを出しましょう。そうすると背屈を70°くらいに保つことができるはずです。四つ這いの時点で痛い人は、痛みが和らぐはずです。痛みまで出ていない人も、手首へかかるストレスをこれで下げることが可能です。
2.手のアーチを意識する
手のひらをマットに置く際に、「人差し指の付け根をマットに押し付けて」とアドバイスを受けたことはありますか?私もそう教わってきましたし、数年前までそう指導してきました。しかし、手にもアーチがあることをご存知でしょうか。足裏のアーチについては以前こちらで説明しました。足のアーチと同様に、実は手のひらにもアーチが存在します。
手のアーチを保つように手のひらをマットに置けば安全です。つまり、人差し指の付け根が足裏でいう土踏まずにあたるので、そこは無理にマットに押し付けないで、マットから浮いていて構いません。むしろその方が5本の指先に力が入り、より手のひらを力強く使えると思いませんか?
逆に、人差し指の付け根をマットに押し付けた状態で、5本の指先もマットにグッと押し付けてみてください。こちらだとどうしても力が入りにくいと思います。
さらに、マットに触れている5本の指先と手根とを吸盤のように真ん中に引き寄せるように力を入れてみてください。より手のひらが力強く安定するのが実感できることと思います。
3.肘の過伸展に注意する
肘の過伸展については以前こちらで説明しました。肘の過伸展が手首への負担や痛みを増強します。関節は隣接した関節へと影響を与え合います。肘のアライメント不良が手首へと波及するのです。肘をつっぱり過ぎていないか今一度見直してみましょう。
最後に
手首を安全に使う3つのポイント、いかがでしたか?3つとも早速ヨガクラスで実践できそうなことだと思います。ヨガで感じる痛みは我慢しないことが大切です。信頼できる医療従事者やヨガインストラクター、仲間と出会って、健康的で安全なヨガを続けてくださいね。
ライター/堀川ゆき
理学療法士。ヨガ・ピラティス講師。抗加齢指導士。モデルやレポーターとして活動中ヨガと出会い、2006年にRYT200を取得。その後、健康や予防医療に関心を持ち、理学療法士国家資格を取得し、慶應義塾大学大学院医学部に進学。現在大学病院やスポーツ整形外科クリニックで、運動機能回復のためのリハビリ治療に携わる。RYT200解剖学講師も務める。
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