ヨガ中の痛めやすさ2位…「手首」を守る3つの秘訣|理学療法士が解説
手首の痛みの原因は?
手首の痛みの原因は、腱鞘炎やリウマチなど手首の疾患を抱える人に限りません。
更年期の女性は加齢やエストロゲンの減少により関節が脆弱になりやすくなっています。また、妊娠の女性はリラキシンという関節を緩めるホルモンの働きにより可動域が過剰なりやすく、関節痛が出現することがあります。仕事、スポーツ、スマートフォンなどの操作、産後の世話などで手首を酷使して痛みが出現する人も多いです。
面白いことに、乳児期のハイハイの期間が短いと、上肢や体幹の筋力が充分に発達しないまま成長し、大人になってから支障をきたすという報告もあります。もしハイハイ期をスキップして、我が子を1日でも早く歩かせようと急いでいるお母さんがいたら、一度考え直して欲しいです。
手首を痛めやすいポーズは?
ヨガを続けている人はお気付きの通り、ヨガでは手のひらで体重を支えるポーズがたくさん登場します。特に、難易度の高いアームバランスポーズは、主に両手のひらだけで自重を支えるポーズのため、手首にかなりの負担がかかります。
一方で、初心者クラスでもチャレンジすることの多い、
・四つ這いの姿勢でおこなうポーズ
・プランク・ポーズ(板のポーズ)
・アドームカシュヴァーナーサナ(下向きの犬のポーズ)
この3つのポーズも、体重を手のひらで支えることになりますが、この場合は手のひらと足裏(膝やつま先)など、4点で自重を支えるので、比較的手首への負担は減ります。しかし、この3つのポーズの時点で手首の痛みを感じている場合は、要注意です。
そもそも人間の手のひらは、体重を乗せるためではなく、道具を使うなどの巧緻動作を行うために発達した、とても精密で繊細な部分です。
一方で、手のひらとほぼ同じような解剖学的構造をしている足裏は、体重を支持するために発達しているため、衝撃に強く頑丈にできています。
足裏よりずっとデリケートな手のひらで、何10キロという自分の体重を支えようとするヨガポーズ自体に無茶があるのです。もしアームバランスポーズにチャレンジする場合は、体幹など全身の制御と強化が充分に成されていないと、必ずいつか怪我につながります。次に紹介する手首を守る方法を、ヨガの時に実践してみてくださいね。
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