反射を利用して柔軟性を高める「ヨガ筋」トレーニング【まとめ】
体がなかなか柔らかくならない……という人にぜひ試してほしいのがヨガ筋トレーニング。1回でも効果がわかるスゴ技を乳井真介先生が伝授!
筋肉の反射作用の利用で体はどんどん柔らかく!
ニーナさん:私、もともとすごく体が硬くて……。以前より少しは柔らかくなったのですが、まだまだ股関節まわりが硬いんです。
乳井先生:体の硬さで悩んでいる人は多いですが、実は筋力の低下が原因なことが多いんです。
ニーナさん:そうなんですか ⁉
乳井先生:一般的には筋肉がある=体が硬いという印象がありますが実は逆で、筋力が衰えると体は硬くなる。お年寄りの体が硬いのは、まさにそれ。人間の体には、関節をスムーズに動かすための筋肉の反射作用があって、筋肉量があればその反射を利用して、どんどん体を柔軟にすることができるんですよ。
ニーナさん:知りませんでした !
乳井先生(以下、乳井):では、その反射作用について順番に説明しますね。ひとつは「相反性神経支配」。ある動きをするときには、主働筋といってその方向に体を動かす筋肉と、ペアになって働く拮抗筋があります。たとえば肘を曲げるときの主働筋は上腕二頭筋で、二の腕側の上腕三頭筋がセットで働く。つまり、肘を曲げるために主働筋が縮むには、同時に肘を伸ばす筋肉がゆるむ必要があるということなんです。
ニーナさん(以下、ニーナ):なるほど。縮むとゆるむがセットなんですね。
乳井:そう。両方の筋肉がバランスよくついているとその反射がスムーズに伝わるのですが、バランスが悪かったり、筋肉そのものが少ないと指令が届きにくくなる。その結果「体が動かない」=「硬い」という状態になるんです。
ニーナ:体って奥が深い!
乳井:もうひとつが、「Ⅰb抑制作用」。これはある筋肉を思い切り使うと、その反動で力を抜いたときに一気にゆるむというもの。肩がこったときに無意識に肩を上げて、ストンと下ろすということをやっていることがありますが、これがⅠb抑制作用なんです。あとはシャヴァーサナに入る前に、グーッと伸びをして脱力すると全身がゆるむのもそうですね。これも相反性神経支配と同じで、筋力があればあるほどゆるみやすくなる。なので、相反性神経支配を利用した筋トレで筋肉を鍛え、Ⅰb抑制作用で筋肉をゆるめる。今日はこの2つの作用を使ったワークを体験してみましょう。
ニーナ:楽しみです。でも、私でも柔らかくなりますか?
乳井 :見たところ筋肉はあるので効果が出るのは早いと思いますよ。あと、知っておいてほしいことがもうひとつ。やればやるほど体が硬くなってしまうのが、「反動をつけて動く」こと。これは「伸張反射」といって、たとえばストレッチなどで反動をつけてしまうと、関節を守ろうとしてその瞬間に筋肉が硬くなるんです。
ニーナ:前屈するときとか、ついやっていました……。
乳井:これはやればやるほど硬くなってしまうので、逆効果。今回紹介するワークも反動は使わず、筋力でコントロールしながらやっていきましょう!
ニーナ:頑張ります!
相反性神経支配を応用しよう
▶前屈が一瞬で上達!「腸腰筋・大腿四頭筋」を鍛える3ステップはこちら
▶開脚がスムーズに決まる!「中臀筋と小臀筋」を3ステップで鍛えようはこちら
▶後屈が一気にラクに!脊柱起立筋・大臀筋・ハムストリングを鍛えるメソッドはこちら
▶ツイストが深まる!「外・内腹斜筋」を鍛えて横腹に効かせるメソッドはこちら
Ⅰb抑制作用を応用しよう
▶前屈・開脚が変わる!「脱力の反動でゆるむ仕組み」を応用するメソッドはこちら
教えてくれたのは…乳井真介先生
「リラヨガ・インスティテュート」主宰。伝統的なヨガと現代的なヨガを自在に使いこなす。一般向け指導、人生を豊かにする「知恵としてのヨガ」を伝えられる指導者の育成に尽力中。本誌連載『漫画で読むヨガ哲学』の監修も。
モデルを務めてくれたのは…伊藤ニーナさん
2011年GINGERスターオーディションモデル分門グランプリ受賞。『GINGER』(幻冬舎)、『CLASSY.』(光文社)など様々な雑誌で活躍中。大型ファッションイベントにも多数出演している。Instagram→@ninaitoh
※表示価格は記事執筆時点の価格です。現在の価格については各サイトでご確認ください。
- SHARE:
- X(旧twitter)
- LINE
- noteで書く