魂を磨いてくれるヨガ|ヨガの持つ二面性と恩恵とは
ハワイのヨガマガジン「Yoga HAWAII Magazine」人気記事をヨガジャーナルオンラインが独占配信! 今回は、ヨガの「物質的」かつ「スピリチュアル」であるという二面性をテーマに、ヨガセラピストのジェニー・リー氏が語ってくれました。
魂を磨いてくれるヨガ
どのような霊的概念を持っていようとも、ヨガはその概念との繋がりを深めてくれる。
インスタに投稿される華々しいポーズ写真や、ヨガクラスをパロディ化したYouTubeの動画を見ると、古代インドの伝統が世界中で今なお盛んに発展していることがわかる。ヨガは小さなマットを超えて、様々な形で私たちの生活文化に浸透している。ルルレモンを着てディナーに行ったり、ナマステと言い交す場面もずいぶん増えた。アメリカじゅうのどの街にいても「ヨガ」でネット検索すれば、気楽に入れるクラスからじっくり学ぶクラスまで無限に選択肢が見つかる。
とはいえ、ヨガについては聞いたことがあっても、最初は皆、流派や教えの多様さに圧倒されてしまうようだ。またポーズのイメージが先行しすぎているために、クラスに参加する人の多くはヨガが様々な方法や流派を通じて順応と変化を繰り返す深い精神修養であることを知らない。だからいきなり物質主義の自己中心的な世界から抜け出して、愛や光や調和の話をされても、戸惑いをおぼえるかもしれない。だが古代のヨギーたちはサップボードの上でヘッドスタンドをしたり、チワワの上でバッグベンドをすることはなかった。ではヨガの霊的な側面と、様々なポーズの習得を結びつけるものとは何なのだろうか?
ここハワイでは、まさにヨガ界のすべてを体験できる。天井から吊るされた絹布を使ってストレッチをするエアリアルヨガから、瞑想とチャンティングを主に行う哲学的なレッスンまで、興味に応じてありとあらゆるクラスを見つけられる。ヨガを始めたばかりの人にとっては、身体的なポーズを学ぶクラスが一番なじみやすいだろう。だがすべての流派のヨガを試そうとしたら、ヨガの身体的要素を学ぶだけでも一生かかる。もしも正しいアライメントをしっかりと身につけたいならアイアンガークラスが良いだろう。強さと忍耐力を培うならクンダリーニか、ポーズを途切れなく行うパワーヨガクラスが向いている。身体的な修練よりも静かに内観したい人は、献身のヨガや瞑想練習が合うだろう。これらのクラスではより深遠で霊的な練習に重きをおいているからだ。
どの練習にも共通して言えるのは、適切な時に集中することでヨガは心身に強さと安定感をもたらすという点だ。武道や他の運動がエネルギーを調整するのと同様に、ヨガは身体を鍛えてバランスを整えながら体内の生命力を高める。だがハンドスタンドやクジャクのポーズが完璧にできれば真のヨギーと言えるのだろうか? 答えはノーだ。
ヨガの練習をしばらく続けている人は、やがて身体的な練習のすべてにスピリチュアルな側面が内在していることに気づくだろう。ヨガという言葉はサンスクリット語で「結合」を意味するユジュ(yug)に由来している。この「結合」とは、手が足に届くとか、鼻がひざにつくことではない。心と身体の結合でもないため、個人的にはどんな逆転のポーズよりも難しいと思っている。最古の教本の一つ、ヨーガスートラには悟りに至る修練の道が記されているが、その書によるとヨガは人間の意識(心を通じて日々感じている自我)と神の意識(真我によって認識される真実)との結合を目的としている。ヨガのすべての練習は、この精神的な結合を達成し、究極の幸福と苦難からの解放を味わうために作られている。ヨガティーチャーが「本質的な自己に戻りなさい」、「内なる平安に息を吹き込みなさい」と言うのは、まさにその結合を生徒たちに促すためだ。言葉でいうと難解に聞こえるかもしれないが、ヨガのクラスは古代教本ヨーガスートラに書かれている八支則に基づいて行う内的な修練のための聖域なのだ。
ヨガの八支則
正式に言うなら、真のヨギーになるにはヨガの八支則のすべてを練習する必要がある。1段階目は「ヤマ」。私たちが本質とつながるために守るべき社会的道徳のことで、非暴力、誠実、不盗、禁欲、不貪があげられている。二段階目は「ニヤマ」。より調和のとれた人生を送れるように内外の経験を整える行動規範のことで、清浄、知足、苦行、学習、信仰を実践すべきとしている。「アサナ」は次の三段階目にあたり、瞑想に適した安定して快適な座法を身につけるためのポーズ練習である。次の「プラーナヤーマ」では、呼吸をコントロールすることにより生命エネルギーを調整する。5段階目の「プラティヤハーラ」では物質的な外界に向いている五感の知覚を内側の静けさに向ける練習をし、それが身についたら6段階目の「ダーラナ」で意識を一点に集中させ、7段階目の「ディヤーナ」では瞑想した状態で自我が源や宇宙意識と繋がる練習をする。そして最後の8段階目「サマーディ」で結合に至り、至福に満ちた純粋意識を常に味わうようになる。
これがヨガの霊的な道だ。生涯(あるいはもっと長く)かかる修練であり、完成することは決してないのだ! 私たちは今できることをただやるしかない。続けてさえいれば、ヨガの様々な要素は身体、感情、心、魂に恩恵をもたらしてくれる。
だがヨガのスピリチュアル性については誤解されることが多い。ヨガの仲間同士で愛や光について話すのを独善的なカルトとして捉える人もいれば、ヨガの霊的側面の真実性を疑う人々もいる。はっきり言うが、ヨガは宗教でもカルトでもない。
むしろヨガは、すべての意識や創造物の源が一つであることに気づかせてくれる人生と解放の哲学であり、それゆえすべての宗教や信仰にも通じていると言えるのだ。経験や信念に関わらず、誰もがヨガを練習することで身体的な健康や、瞑想の静寂の中での精神的な目覚めを得ることができる。どのような霊的概念を持っていようとも、ヨガはその概念とおがりを深めてくれるのだ。
ヨガは生涯かけて行う探究であり、害になることはない。無数の恩恵を内包した深遠な驚くべきこの伝統は、誰にでも効果をもたらす。様々なティーチャーや流派のヨガを試し、自分に合ったタイプのクラスを見つけよう。常にサポートや励ましや温かさを感じられて、苦痛や恐れがないことが大事だ。平和や思いやりについて話すことにはじめは抵抗を感じても、まずは皆がポジティブな資質を高めようとしている場にいることに感謝してみよう。これは毎日の生活にも取り入れてほしい練習だ。同じような価値観を持つ仲間づくりにもつながるだろう。ぜひとも楽しみながら心身と魂を解き放つ練習をしよう。
ジェニー・リー
ヨガセラピストとして、17年以上にわたり何千人ものクライアントに古典的なヨガと瞑想の癒しの効果を紹介している。著書「True Yoga」にも書いた処方を通じて、彼女は人々が不安感やうつ、苦悩、PTSD、注意欠陥、摂食障害、人間関係を乗り越える手助けをしている。
ヨガハワイマガジン/「The Spiritual Side of Yoga」
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