夜の生姜は逆効果?冷え性の人がやりがちな「NG温活」とは|管理栄養士が解説
11月に入ると、朝晩の冷え込みが本格的になっていきますね。温活を意識して、日々の食事に『生姜』を取り入れ始めた方も多いのではないでしょうか。温かいスープや紅茶にサッと加えたりと、手軽に使える生姜は温活の強い味方ではありますが、実は生姜の「摂り方」や「タイミング」によっては、冷え性を改善するのに逆効果となっている場合があります。今回は、冷え性の人がやりがちな生姜のNGな使い方と、正しい温活の取り入れ方について解説していきます。
冷え性の人がやりがちな『生姜』の後入れとは
「冷えるから生姜をたっぷり摂ろう!」と、できあがった熱々のスープや温かいお茶に、生のすりおろし生姜やチューブの生姜をポンと『後入れ』してそのまま飲んでいませんか? 実はここに、最初の落とし穴があります。お鍋でコトコトしっかり加熱調理する場合は問題ありませんが、飲む直前に生の生姜をそのまま混ぜるだけだと、生姜にある成分の性質が強く出てしまうのです。
生の生姜には、「ジンゲロール」という特有の辛み成分が豊富に含まれています。このジンゲロールには、手足などの末梢血管を一時的に広げ、血流を良くする働きがあります。これだけ聞くと体に良さそうですが、血管が広がると体は「熱を外に逃がそう」として、じわじわと汗をかきやすくなります。つまり、生の生姜を後入れする方法は、一時的に手足をポカポカさせてくれるものの、最終的には体の深部(内臓)の熱を逃がし、体を冷やす原因になってしまう性質があるのです。暑い夏の冷房対策には良いのですが、体を芯から温めたいこれからの季節の「後入れ」には、少し注意が必要です。
特に気をつけたい「夜の生姜チューブ」
さらに気をつけたいのが、摂取する「タイミング」です。仕事や家事がひと段落した夜、寝る前のホッとした時間など、冷えた体を温めようとして、料理の仕上げや就寝前のホットドリンクに、生やチューブの生姜をたっぷり後入れするのは、実はあまりおすすめできません。
私たちの体は、眠りにつくときに深部体温(体の中心の温度)を少しずつ下げることで、質の良い睡眠に入ろうとします。しかし、夜に生の生姜を後入れして一時的に血管が急激に広がったり、その後グッと深部が冷えたりすると、この体温調節の自律神経が乱れてしまう原因になります。「生姜で温まったはずなのに、足先が冷えてなかなか寝付けない」という方は、もしかすると夜の生の生姜が影響しているかもしれません。
体の芯から温めるなら「加熱・乾燥」が正解!
では、これからの季節はどのようにして生姜を摂れば良いのでしょうか? 答えはとてもシンプル。「しっかり加熱する」または「乾燥させる」ことです。
生の生姜に含まれるジンゲロールは、熱をしっかり加える、あるいは乾燥させることで「ショウガオール」という別の成分に変化します。このショウガオールは、末梢の血管を広げるだけでなく、胃腸の壁を直接刺激して、体の内側からじわじわと熱を作り出す働きを持っています。熱を外に逃がすことがないため、寒さが厳しい時期でも、体の芯からポカポカした状態を長くキープしてくれるのです。
とはいっても、生姜を毎日加熱するのは大変な作業。そこでおすすめしたいのが、スパイスコーナーで売っている生姜パウダーです。これなら料理や飲み物にサッと振りかけるだけなので、とても手軽に温活が叶います。
時間帯で使い分け!生姜+スパイス活用法
【朝・日中】生姜パウダー & シナモン
朝のスタートには、加熱・乾燥された生姜パウダーがおすすめ。朝一番の白湯にプラスしたり、味噌汁に加えても良いですね。さらに、血管を保護して血流をスムーズにする「シナモン」を、トーストやりんご、バナナなどの果物に振りかければ、体温が上がるだけでなく午前中の代謝アップにつながります。
【夜・リラックスタイム】生姜&黒コショウのスープ
体をリラックスさせたい夜は生姜をたっぷり使うより、料理にひとつまみの「黒コショウ」を加えてみましょう。黒コショウに含まれる「ピペリン」は、血管を優しく広げて穏やかに体を温めてくれます。消化の良い鶏肉やお豆腐などが入った温かいスープが胃腸も労わることができてベスト。寝る前のホッとドリンクには、ノンカフェインのハーブティーに黒コショウをひと振りすると、心も落ち着きそうです。
【参考文献】
夏の旬野菜ショウガ/JAグループ
生姜は体を温める効果があるそうだが、どのような成分が働いているのですか。/厚生労働省
【ライター】やなぎかおり
特別養護老人ホームにて介護食の大量調理や栄養士業務を経験。働きながら管理栄養士の資格を取得。その後、中学校給食センターにて、献立作成、給食管理、食育授業に携わる。出産を経て、ヘルスケア栄養指導士の資格を取得。子育てをしながら栄養に関する記事執筆を行っている。
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